獣人第1話「未知の世」
※「発言など」※《以心伝心》※
「ダックス、ラルフ、よく集まった。」
「もちろんだ、トニー。生命の囲いがなくなった時、最初に動くのは俺たち3人だと決めていただろう?」
「そうだな。」
「そうと決まったら、生命の囲いの外の様子を伺うとしよう。」
「あぁ。だが、生命の囲いの外には何があるか分からない。準備は良いか?」
「もちろんだ。」
「ここにきた時点で覚悟はできている。」
「よし、行くぞ。」
「ここからが、生命の囲いの外か」
「草が生い茂っていて遠くまで見えないな。」
《自然を通して、全ての家族に伝える。これから、トニー•ダックス•ラルフの3名は、生命の囲いの外に踏み出す。もし、私達の消息が途絶えたなら、自然を守りきらなければならない!第2の守護者の出番だ!》
「最後の以心伝心にはさせないぞ!」
「「オー!」」
「外に出てからだいぶ進んだが、植物も特殊なものではないし、今のところは何もないな。」
「聞いたことのない音が近づいて来る。身を潜めよう。」
「さすが、ラルフはうさぎと同調しているだけあって耳が良いな。」
「近距離だと、猫と同調しているトニーには敵わないけどな。」
「未知相手だ。今は長距離から見つけられる方が良い。」
「本当なら、俺の仕事だったはずなんだがな・・・」
「視界が開けていたら、タカと同調しているダックスの出番だけど、この様子じゃなぁ」
「近づいて来てたのが、動かなくなった。」
「未知の相手に近づくのは危険だが、近づかなければ、未知のままだからな。」
「そうだな、近づくしかないだろう。」
「⁈、音が消えた。」
「止まっててもずっと音が聞こえてたのに、か?」
「大量の音が近づいて来る!」
「まずいな。来た道にも1体いるようだ。」
「仕方がない。戦うしかないだろう。」
「俺は、木の上から奇襲する。それで仕留められなかった時は、数的有利をうまく使うしかないだろう。」
「こういう時は、ジャンプ力が活きるな。」
そして、その音の生物が姿を現した。
「シャーー―」
「仕留められたか。」
「仲間がやって来る前に戻るぞ。」
固有名詞解説
同調:①他の生物と同調することで、その生物と同じ身体的技能を使う事ができるようになる。