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プロローグ

※「発言など」※〈無線〉※『魔法詠唱』※《以心伝心》

 これはとある人類のはるか未来に起こるであろう出来事。

そこには3つの世界を支配している「神」と呼べる存在がいた。

その「神」とは、破壊神•戦神•軍神•邪神と呼べるような存在であった。

「神」が戦争を見て楽しむために世界を支配していたからだ。

しかし、「神」は全知全能な超人ではない。言うなれば、神の力を持っただけのただの人だった。

だからこそ、この出来事は起こった。「神」の失敗によって、


   〜「神」〜


 第一の世界、人間達の戦争。

第一次世界大戦と呼ばれる戦争から始まった大きな戦争と書いて、大戦。

それらの戦争では、科学と呼ばれる技術が使われた。

一次大戦では銃を使った陸上戦が、

二次大戦では戦車•軍艦•航空機を使った大陸規模の戦いが、

三次大戦ではミサイル•ドローン•衛星兵器を使った地球をまたにかけた戦いが、

四次大戦では光学兵器を使った宇宙空間での戦いが、

巻き起こり、それぞれの大戦の間には復興と発展の平和な期間があった。

技術はそのたびに進化を続け、次なる大戦の準備が進んでいた。

しかし、四次大戦が終結してしばらく経ったが、技術の進化はなかった。

つまり、次なる戦争が起こったとしても、それは状況と名称が変わっただけで四次大戦と何ら変わりがない戦争になるということだ。

ただの繰り返しというのは退屈だ。

何か新しい戦いを起こす案を考えなければ、


 第二の世界、エルフ達の戦争。

ブライトエルフが秩序を築き上げるのに対して、

ダークエルフの混沌が争いを誘発させる試みは成功した。

だが、魔法という技術の汎用性がありすぎた。

秩序には攻撃目的の魔法は不要であったため発展しなかった。

そのため、混沌の攻撃目的の魔法に対して弱すぎた。

防衛目的の魔法でなんとかならないかと見ていたが、

エルフの平均寿命は275歳としたが、実際の平均寿命は50歳未満にまで低下し、ブライトエルフが築いた村は次々と壊滅し、集団の規模が小さくなるばかりだった。

それに従い、現在の争いの規模も遭遇戦にまで小さくなった。

この世界にも打開策が必要だ。


 第三の世界、獣人たちの戦争。

この世界では、エルフ達の争いを誘発させる設計に対して、獣人達は自然との調和で平和の要素を強めた。

これも失敗だった。原因となったのは、やはり争いの火種が弱すぎたことだ。

しかし、こうなることを予想して“生命の囲い”を作って、世界の調整をしやすくしておいたのは成功だった。

“生命の囲い”を使ってうまく調整するとしよう。


・・・良い案が思い浮かんだ!人間•エルフ•獣人の失敗したそれぞれの世界をぶつけて新しい争いを生んで楽しむとしよう。きっと面白い争いが起きることだろう。


   〜人間〜


 「〈こちらテンゴウ。惑星基地16へ、入港許可を願う。〉」

〈こちら惑星基地16。テンゴウ、並びに護衛艦4隻を確認。入港を許可する。〉

「光学エンジン始ど・・・」突然、艦内が停電した。

「各員、状況把握。」

「原因不明の停電です。光学エンジン、光学発電機、その他電子機器、全て応答ありません。」

「ゴウライに繋がるか?」

「ゴウライ並びに、ライウ、イソブキ、ライリュウ。繋がりません。」

「全艦がエンジン停止しています。」

「なんだと⁈攻撃か?」

「視認可能範囲に敵と思われる艦影確認できません。」

「とにかく、復旧を急げ!」

「電力、復旧完了しました。」

「よし、惑星基地に繋げ。」

「了解」

「〈こちらテンゴウ。惑星基地16へ、原因不明の停電が発生。光学レーダーに異変はあるか〉」

〈こちら惑星基地16、基地でも停電が発生。現在、レーダーは復旧中。〉

「〈了解。エンジン復旧完了につき、急ぎ入港する。〉」

〈了解、着水路04〜08へ着水せよ〉

「進路、着水路04。着水用意。」

「着水。」

「各員、物資積み下ろし。終了後、探索本部で待機。」


「星間輸送船テンゴウ艦長、星野入ります。」

「来たか、」

「やはり、着水路01〜03には迷彩艦が着水しているのですか。」

「あぁ、潜伏哨戒艦隊が近くを航行していたところ、原因不明の停電が発生して光学迷彩が一時的に無効になったため、寄港することになった。」

「潜伏哨戒艦隊旗艦トクラン艦長、水中(みずなか) (まこと)です。」

「迷彩艦にも効果があったということは、この惑星付近の環境的要因があるということでしょうか。」

「もしくは、超広範囲に影響を与える新種の攻撃か、」

「迷彩艦すら補足できる可能性だ。」

「またラングイッシュの奴らでしょうか。」

「いくら、ラングイッシュでも第4次世界大戦の賠償金の支払いもまだ済んでいない。それでいて、開発費に回す余裕はないだろう。」

「だとすれば、この惑星内の知的生命体からの攻撃という可能性も、」

「そうだな。とりあえず、この惑星を急ぎ調査したほうが良いだろう。」


   〜ブライトエルフ〜


「カレン!ダークエルフどもがやって来た。急いで逃げるぞ!」

「お父さん、待って!」

「ジュリア、急いで!もうすぐそこまで来てる!」

「よし、魔法を使うぞ。俺の後をついて来い!」

『魔力よ、我に応じ、道を作りたまえ!』

「カレン、後ろの道を塞げ!」

『魔力よ、我に応じ、根を生やしたまえ!』

「霧だ!ジュリア、はぐれないように、霧を晴らせ!」

『魔力よ、霧を晴らし、導きたまえ!』

「霧の発生が早い!いくら晴らしても、キリがないよ!」

「ダジャレを言ってる暇なんかないぞ!通常構文を使え!」

『魔力よ、我に応じ、霧を晴らしたまえ!』

「ダメだ、全然晴れないよ!」

「仕方ない、一回止まるぞ。」

「カレン、ジュリア、魔法共鳴だ!」

『『『魔力よ、我らに応じ、我らに答えたまえ。答えは晴れる霧、霧を晴らしたまえ!』』』

「よし、霧が晴れたぞ。近くにダークエルフはいるか?」

「いなさそうね。」

「良かった。今戦うのは不利だったからな。」


   〜ダークエルフ〜


「ブライト、見つけた。素早く、仕留める。」

『風の魔』

「逃げた。追う。逃がさない。」

『火の魔・道の魔』

「ウィル、漁夫の利、許さない。」

「良いだろ?俺らは家族なんだからさぁ、」

「ダークエルフ、存続のため。ブライトの言う、家族とは、違う。」

「クリスタはお堅いんだからぁ〜。」

「これ以上、邪魔するなら、お前から、仕留める。」

「分かったよ、手は出さない。」

「手も、足も、魔も、何も、出すな。」

「ちっ、バレたか。」

「霧、視界が悪い。ウィルのせいで、見失った。」

『風の魔』

「おいおい、俺のせいにするなよ。それに、霧なんて吹き飛ばせば良いだろう。」

「やってる。霧、晴れない。やっぱり、ウィルのせい。」

「分かった。分かった。霧を晴らして責任取るよ。」

『 』

「あれ?結構強い風出してるんだが、詠唱した方が良いか?」

『霧晴らす強風、霧消す乾燥、敵を見つける眼』

「みーつけたぁ。」

「ウィル待て逃がさない。」

「見えなくなっただと⁈敵にだんだん近付いていたのに、なぜ見えなくなった!霧も一向に晴れないし、何が起こっているんだ⁉︎」

『火の魔•石の魔•氷の魔•刃の魔』

「やべ、後ろから殺意が接近中だ。」

『奇襲する姿』

「ウィル待て、ウィル待て、ウィル待て、ウィ」

「ふー、危ない危な・・」

『刃の魔』

『 』

「引き分けだな。」

「漁夫の利得た。許さない。」

「待て待て待て、俺もあいつらを見失っちまったんだよ。」

「そう。ウィル、弱い。」

「見失ったのはお互い様だろう?霧も晴れてきたし、また敵を探索するとしよう。」


   〜獣人〜


「アン、この自然において信じることは大切だ。相手を信じれば、相手は答えてくれる。これが自然の摂理だ。森の木々を信じよ。そうすれば栄養を分けてくれよう。野生の動物たちを信じよ。さすれば、力を貸してくれよう。生物は皆、生きる物たちだ。共に共存し、繁栄するのだ。」

「うん!」

「我々、獣人は助けを借りなければ生きられない代わりに、この自然を守る知能を持っている。もし、“生命の囲い”が壊されるようなことがあれば、我々がその代わりを担わなければならない。」

「うん!」

「大変だ!大変だ!」

「ダックス、どうしたんだ。」

「トニー、生命の囲いがなくなったんだ!」

「ついにこの時が来てしまったのか。全獣人に伝えよ!我々の出番だと!」

「分かった!」

《自然を通して、全ての獣人に伝える。第1の守護者は破られた。これからは我々の出番である!繰り返す、これからは我々の出番である!》

固有名詞解説

光学エンジン:光を後方に出して進む。

光学発電機:太陽光発電の上位互換。あらゆる光を電力に変換する。

光学レーダー:従来のレーダーよりも波長の長い光を使用しており、より長距離を索敵できる。

迷彩艦:光学迷彩が可能であり、光学迷彩誘導魚雷を搭載している。

生命の囲い:自然を外界から守る壁。

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