99. ソニアの昔の仕事仲間
99. ソニアの昔の仕事仲間
ソニアは、軍にいた時に調査保安官だったグラントに無事に会うことができた。
彼は...初めて出会ったときは、ソニアと敵対同士だった。
彼女は軍にいた時、ある事故の疑惑がかけられていて、任務を外されていた時があった。
その時の調査官がグラントだった。
その後、ソニアの疑いが晴れ、無事に復帰できたのだが、
しばらくして、また彼と任務で関係を持つことになったのである。
その時、初めて会ったときのギクシャクした関係が続いていた。
「ソニア、2回目にあった時のことを覚えているか?」
「ああ、覚えている。密輸船の潜入捜査の時だったな。」
「そうだ。シャーグレイ惑星の潜入捜査の時、迎えに来てもらったな。
転送装置の前で、驚いた顔をしていたな。今でも覚えているぞ。」
「そうよ、何も知らされずに潜入員を迎えに行く指令が出ていて、
名前まで知らなかった、というのが本当のところだからな。
まさか、グラントとは...。」
「それから、その任務遂行が評価され、何度か、潜入捜査の艦の操縦をしてもらったが、
艦の操縦の腕だけは評価する。」
「腕だけ?」
「まあな。それ以外は、とにかく何というか、.....冗談が通じない。」
「冗談が通じなくて悪かったわね。」
グラントは、しばらく間を置いて、
「そんなソニアが何で、今回声をかけたんだ?」
「実は今乗船している艦の保安と参謀をもらえる人を探していて、
不本意だけれど、第2431中継基地で思い出したのよ。」
「ということは、私の潜入員のスキルと、保安関連の能力は評価してくれた、ということで良いのか?」
「まあね。とにかく、艦長に会ってほしいのよ。」
ソニアは、艦の今実行をしているミッションの説明と、今の現状の説明を行う。
「そうなのか。ここからは相当遠い所だな。
それと事故でここに飛ばされたとは。」
グラントは少し考える表情をして、
「それにしても、こんな無愛想に声をかけるとは、本当に良いのか?」
「自分が無愛想と認識しているのは、笑えるな。」
「笑うな、冷静に自分を分析できるといってくれ。」
グラントは、少しふざけて言う。
「まあ、わかった。2日後にとりあえず会おうじゃ無いか。」
そう言って、ソニアは、その日はグラントと分かれた。
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ソニアは戻って、ジュンに状況を話した。
「そうか、完全に断られる、ではなかったんだな。」
「まあ、そうです。彼は癖のある人物ですから。予想はできません。」
「わかった。2日後だな。私は私なりに準備をしておく。」
そう言うとジュンは艦長室に入っていった。




