94. この世界に復元されたハンスさん
94. この世界に復元されたハンスさん
順は結局、大きな出費となるが、第2431中継基地に依頼をし、代替の動力炉を持ってきてもらう様、
依頼することにした。
それまで2日かかるとのことで、それまで、ゆっくりと過ごすことにした。
ジュンは、その間コンピュータのプログラムを、
実際の人として存在させる研究の続きを行うこととした。
ジュンはその日の研究を終わらせると、ラウンジに向かった。
そこにはユリアとソニアがなにか話していた。
「じゃあ、頑張るのよ。」
「?」
ジュンが近くに行くと、会話をやめ、ソニアが立ち去っていく。
「なにか相談ごとそしていたのか?」
「そうね、たいしたことない話。」
ユリアはなぜか、もぞもぞと答える。
「ところで、研究は順調にいっている?」
「まあね。ハンスさんをこの世界に呼び出せないかと思っているんだ。」
「ハンスを?」
「そう。」
「で、いつ?」
「明日。」
「私も立ち会うわ。」
その日は、簡単に食事を取り、就寝した。
ーーーーー
翌日、ジュンは転送旗のある部屋に来ていた。
部屋には、立会として、ユリアさんや子爵、リリルがいた。
ここで、ジュンの研究用のコンソールとつなげ、
プログラムを立ち上げる。
「それでは始めます。」
ジュンは研究用コンソールプログラムを、
転送機の構造体パターンバッファに送り込み、
原子構造の実体化プログラムを動かす。
すると、転送機のシステム内にハンスの構造体が生成される。
生成率が98%を超えたところで、実体化処理をスタートさせる。
すると眼の前に光の粒が集まり始め、それはやがて人の形となった。
やがて光が消え、燕尾服を着た初老の人物が現れた。
「わ、私は…。」
初老の人物は自分の体を見ている。
「ハンス、久しぶりだな。」
子爵が声を掛ける。
「ここは?」
「レオン号の中だ。ひとまず状況を説明しよう。」
子爵はハンスを連れ、ラウンジの方に向かった。
ジュンやユリア、リリルも一緒についていく。
ラウンジに入ると子爵は、シャンパンをジェネレータで生成させ、
ハンスに手渡す。
「だ、旦那様、私は使用人です。このようなことをされては…。」
「もう私は子爵ではない、この世界では。」
5人は、ラウンジのテーブルに座り、
ユリアが状況をハンスに説明する。
「そうなんですか。ここは現実世界と言うところで、
宇宙空間というところを飛行する艦船にいるということですか。」
「そうだ。次はコクピットを案内したいがよいか?」
子爵、いや元子爵は、その様に順に許可を求める。
「大丈夫です。」
5人は、コクピットに向かう。
ーーーーー
5人はコクピットに入ると、ソニアとオットーに、ハンスのことを説明する。
「よろしく。」
「よろしくお願いします。」
「ところで今、通常動力炉を復元しようとしているようですが、セルトリウムがなく、
復元できていないという状況ですか?」
「「「「「「「「?!」」」」」」」
コクピットにいた全員は、この世界に復元されたばかりのハンスさんが、
艦の適切な状況を言い当てたので驚いていた。
「ハンスさん、あなたは…。」




