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56. え?

56. え?


ジュンは、レオンの町のバンパイア化した者の復元を行った後、

バンパイア化した部分のコード解析を続けていた。


(うーん、この世界の人間を含む生命体の特定の関数を書き換える性質、

どこかでこの構造を見た記憶があるのだが…思い出せないな。


それと、ここの部分が感染元のコードで、これを追っていけばいいのだが、

今は、生命体全体のスキャンができないからなあ。)


ジュンは頭を抱えた。


(でも、このゲーム内のテストプレイヤーをしながら、

解析…か。

あ~もう~、なぜログアウトできないかなあ?)


ジュンは激しく頭を描いている。


(ココの艦の転送機はゲーム内で使えるんだよなあ。

サーバー内の転送機のアルゴリズムから、このゲームを動かしている衛星サーバーNX1101A以外に、

生体データを他のサーバーに転送させ、そのデータを分子書き出しステーションで復元、

この流れで動かせないものか。アー、手動でコマンドを個別に全部部分デバックすれば、

それをすべて最後まで…ダメだ、安全装置を解除する際、衛星サーバーの管理者に見つかって、強制停止されてしまう。)


ジュンは再び頭を抱えて、頭を激しくかく。


(あ、そうだ。この艦がこの惑星を周回している時に、転送機のプログラムを改造して、

地上の生命体をスキャンして、バンパイア化した者の生命体コードだけを抜き出して、

感染元のコードを抽出、ソートさせて、一番最初にバンパイア化した生命体コードを見つければいいんだ。)


ジュンは早速プログラムの改造を行う。


この作業は、作戦が決まってしまえば、あとは、早い。


2時間ほどで、プログラムが完成した。


ジュンは、軌道を周回している船の転送機を動かし続け、

一番最初にバンパイア化した者を探すプログラムを実行した。


その後、リリルや子爵達と今日1日はゆっくりと船で休む旨、話をしたが、

子爵は早くレオンの自分の屋敷に戻り、バンパイア化から解除された者たちに問題無いか、

確認を行いたいとのこと。


今現在、転送機を動かしているので、

ジュンはシャトルで、子爵を屋敷に送ることにした。


シャトルは艦を離れ、レオンの町の郊外の廃屋となった農家の裏に降りた。


「レオン殿、ありがとう。

屋敷の者への説明と、問題無いか確認を行った後、あの艦に戻り、他のバンパイア化した者を治すことを、

私も手伝いたい。3日後の同じ時間に、この場所にまた迎えに来てくれ。」


子爵はそう言うと、町の入口の門に続く、街道の方へ歩いて行った。


ジュンは再びシャトルで艦に戻り、捜索とその解析結果を確認する。

ジュンは、寝室から、モディフィケータを使い確認をする。


その結果、艦のコンピュータは、一番最初にバンパイア化した者を見つけていた。


(王都サザリアの副騎士団長、か。)


ジュンは副騎士団長の生体コードのバンパイア化したコードを早速解析を始め、

感染元のコードの部分を調べ始めた。


(ん?このゲーム、いや、衛星サーバーNX1101A以外のアドレスコードだな。

このアドレスコードは、VT1101C?


どこかで見たことあるような?

あ、VTだから、医療局のコンピュータだな。

患者の医療局間の搬送に使っている。


以前、輸送した、患者の医療スキャンのプログラム開発で、見たことあったな。


とりあえずゲームからログアウトするために、この艦の転送機から、

このサーバを経由して、分子書き出しステーションに接続。

ダメだ、医療局の患者書き出しステーションにつながなければならないか。

仕方ない。書き出した後、それがどこでどんな状況か。

いや、どこの医療局か。


このゲームから出れるんだったら、やってみるしかないか。)


ジュンは、プログラムを作り、艦の転送装置へ向かう。


ジュンは転送システムのオート読み込み機能ONとタイマ設定をし、

読み込みエリアに向かう。


(あと数秒で軌道だ、どこに戻ることができるのか?)


転送機の読み込みが始まる数秒前、転送装置のエラー通知が起動し、アナウンスする。


「エラー発生、データ干渉、復元負荷、バックアッププログラムデータ起動します。

エラー発生、データ干渉、復元負荷、バックアップ・・・。」


ジュンは白い光に包まれ、このゲームの世界から消えた。



ーーーーーーーーーーーー


ジュンは、光の中から、徐々に薄暗い部屋の中に復元され、

やがて、光が消え、完全にその部屋の中に実体化した。


「ここは2体だな…、ここはどこだ?本当に宿の3階か?」


「子爵殿、明らかに、宿屋ではないですよ。

ジュン、宿屋じゃないよね。ココ。艦の中?」


「そのはず…じゃない。窓に衛星がいくつもある。え!?ここは…?」



ジュンとリリル、そして、アーチバルド子爵は、薄暗い部屋の中にいた。

しかしここは、無機質な金属やコンピュータに囲まれ、誰もいない空間だった。

窓は、大きな建物の光で明るい惑星と衛星がいくつも確認することができた。


「ここは、ゲームの外の世界?」


艦の転送機でバンパイア化した者のいる宿に向かったはずのジュンは混乱していた。

もちろんジュンだけでなく、リリルと子爵も混乱していた。

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