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50.地形操作

50.地形操作


新たに3人の斥候を仲間に加え、今後の方針をリビングルームに集まり、

計画を立てる。


アーチバルド子爵が重い口を開く。


「次は、王国軍が私の領地に派兵をし、攻めてくる状況が目に見えている。

バンパイア化した貴族、王族がつぶしにかかってくるだろう。」


ジュンは少し考えた後、


「子爵、これからあなたの領地の上空を飛び、

このテーブルの上に映しますので、あなたの領地の境界を教えてもらえませんか?

精密な地図を作る為です。」


「有無、分かった。」

子爵はうなずく。


艦は、子爵領地の上空を飛び、子爵の指定した境界をマーキングしていく。

しばらくして、実写を使った精密な地図が出来上がった。

その地図をテーブル上に映し出す。


「主に、海と山地、森、湖に囲まれていますね。」


「そうだ。我が領地への街道は4か所ある。」


「山地の峠2か所と、森の2か所だ。サザリア、とゼレスの町につながる街道はこの2か所だな。」


子爵は指をさす。


「まずは、高出力エネルギー魚雷で、2か所の街道を封じましょう。」


「え?何と言った?」


子爵が確認をしてくる。


「この艦には強力な武器があるんです。小さな山を破壊する程の。

事実かどうか、お見せしたいのですが。

あの丘を試射してもいいですか?」


「ああ、構わんが。」


ジュンはモディフィケータで、丘の頂上を狙い、高出力エネルギー魚雷を発射する。

大きな爆発音と土煙が上がった後、直径30m程の穴が開いていた。


机の上のモニターを見ていた一同、言葉を失う。


しばらくの沈黙の後、子爵が、

「あ、あれがこの艦の武器の力なのか?」


「そうです。夜、人気のない街道をこれで、破壊しましょう。」


子爵はうなずく。


夜になり、王都サザリアにつながる街道の上空まで来た。

その様子は赤外線で鮮明に昼間の光景の様にテーブルの上に映っている。


テーブルの端には、王国軍の軍勢の兵が移動しているのが見えた。


「夜も、移動するということは相当焦っている様ね。」

リリルはそう言う。


「あそこの川とつなげましょう。では行きますよ。」


ジュンは高出力エネルギー魚雷を連続で発車する。


目標の街道とその周辺は大きな穴が開き、川の水が勢いよく流れ込んでくる。

高出力エネルギー魚雷を山の近くまで連射していく。


山に達したところで、高出力エネルギー魚雷の連射を止める。


「これで、川の水が流れ込んで、道をふさいだことになる。」


全員無言で、その様子を眺めていた。


「では、次、ゼレスの町につながる街道もやってしまいますか?」


ジュンはそう言うが、誰も何も言おうとしない。


艦は、ゼレスの町につながる街道に移動し、高出力エネルギー魚雷の連射で、

同じことを繰り返す。

今度は、近くの湖に、破壊で作り出した穴をつなげると、湖の水が勢いよく流れ込み、

街道を大きな作り出した『川』で遮断する。


サーシャは重い口を開く。


「あ、あなた様は、神様だったのですか?

こんな地形操作、あり得ない!」


再び、王都サザリアにつながる街道の上空まで戻ると、王国軍の兵士が、先程作った、

大きな川の所で進めず、停まっている所が見えた。


「作戦は成功だな。」


ジュンはそう言った。

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