48.意外な人物との再会
48.意外な人物との再会
洞窟をしばらく行ったところで、分かれ道がいくつかあったが、
モディフィケータを確認しながら、人の反応があった方へ、進んでいく。
「あっ、オレンジジュース、忘れていた。」
ジュンはオレンジニュースをいくつかの水鉄砲に詰め、準備する。
あとは、噴霧器にもオレンジジュースを入れる。
「洞窟探査というのに、なんか滑稽ね。」
リリルがそういう。
「いや、おかしいように見えるかもしれないが、
ほぼ敵は、人間の姿をしたバンパイア族だと思ってね。
確かにバンパイアがオレンジジュースを嫌がるなんて、俺もおかしいと思うよ。」
ジュンがそう返す。
「そうね、でも事前に準備することは良いことよね。」
リリルがそう言う。
「私にも、オレンジジュース入りの水鉄砲もらえませんか?」
ジュンはハンスにオレンジジュース入りの水鉄砲を渡し、使い方を説明する。
その他、オレンジジュースのパックを開けたものを準備し、そのまま、モディフィケータに戻す。
そうした上で、再び洞窟を進んでいく。
しばらく進んだところで、ジュンが足を止める。
「この扉の向こうにいる。」
ジュンはモディフィケータを確認しながらそう言う。
ジュンは以前、サザリア城の地下で使った、ファイバー上のカメラを取り出し、
中を確認する。
カメラとモディフィケータをつなぎ、中の様子を見ると、
何と、サマルトル子爵の斥候リーダーであるサーシャとミリ、ローラ、あと数名いる。
「確か的反応があるのは2名だったのよね。」
モディフィケータ画面を見ながらリリルがそう言う。
「そう。敵反応があるものは…、あの子の男性だな。
あとは…ミリ?」
モディフィケータの敵対反応は明らかにこの2名だった。
「この2名にオレンジジュースをかけ、確認する。」
2人はうなずく。
ジュンはカメラを外し、勢いよく扉を開ける。
そしてミリとその近くにいた男の2名に、
ジュンとハンスの2名で、オレンジジュース入り水鉄砲をかける。
一瞬の出来事で、サーシャやローラは何があったのかわからず、固まっていた。
「「ギャー。」」
周りに大きな声が聞こえる。そして転げまくる。
ミリと近くにいた男性からは、煙が上がり始める。
「あ、あなたは、ジュンでしたね。ど、どういうことですか?」
サーシャは訪ねてくる。
「王城でゼレスの町から来たバンパイアが見つかりまして、
その2名はその疑いがあるので、バンパイアの弱点である、
オレンジジュースを使ったのです。」
「な、なぜわかった?余、よくもいきなり…。」
落ち着きを少し取り戻したミリが起き上がり襲ってきた。
ジュンはオレンジジュースを入れた噴霧器を素早く取り出し、噴霧する。
その隣のバンパイアと思われる男性にも噴霧する。
「「ギャー。」」
2人の動きは再び止まり、床に崩れ落ち、さらに煙が立ち上がる。
「ど、どうして…。」
サーシャが狼狽える。
「こ、この2人は人間ではないというのか?」
ローラも狼狽えて、ジュンに質問をしてくる。
「人間ならば、オレンジジュースで煙が出たり、ここまで、ダメージを受けないはずです。
彼らはバンパイアなのです。」
ジュンがそういう。
「大切な仲間のミリをこの様にしてすみません。
でも彼女達は人間ではないのです。」
そういうと、ジュンは出力を弱くしたエネルギーフェーザー銃を2名に撃つ。
2人は動かなくなった。
「ど、どうして…」
狼狽えるサーシャが落ち着くのを待って、事情を聴くことにした。




