38. ジュン、助けに入る
38. ジュン、助けに入る
荷馬車が走り出し、すぐにモディフィケータが光った。
「ん?」
ジュンはモディフィケータを確認する。
ハンスさんは協力者に裏切られ、アーチバルド子爵と今日の午後、
城の中庭で処刑されると出ている。
助けるか?
はい いいえ
ジュンは『はい』を選択する。
その瞬間、周囲は光にあふれる。
ちょうど冒険者ギルドの中に入ったところに時間が戻った様だった。
「ロミイさんですね。」
ジュンは目の前にいる、グレーの毛をした獣人の職員がロミイに声をかける。
「ええ、そうですが…」
「実はハンスさんと子爵を助けたいのですが?」
「ちょっとジュン、ユリアをゼレスの町の宿屋に送り届けるんじゃないの?」
リリルはジュンに問いかける。
「別行動をとろう。ハンスさんの協力者が気になってね。」
「それはどういうこと?」
「裏切られる場合があるってこと。」
ユリアは黙ってその場を見つめている。
リリルは少し考える。
「わかったわ。任せなさい。」
「ところで、ロミイさん。」
ジュンはロミイに質問する。
「城の東地区の地下牢に抜ける下水道の入口…ってわからないですよね。」
「わかりますが。」
話を聞くと、ロミイはお城で働いていたらしい。
ジュンは、城への抜け道の地下道を容易に知られるのもどうか?と思うが、
ロミイにその入り口まで案内してもらうことにした。
冒険者ギルドで、ユリア、リリル達と別れ、ロミイとジュンは、
城への抜け道の地下道入り口に向かった。
ーーーーーー
「ここです。」
そこは、町の一角の建物だった。
3階建ての住宅がつながる一角の建物で、
ロミイはドアの鍵を素早く外し、中に入る。
中は何もなかったが、ロミイは奥の部屋に進んでいく。
「ここから入ります。」
石畳の床の一角に木のドアがあり、そこを開いて、はしごで下に降りていく。
下に降りた所は下水道で下水が流れているが、人ひとりが歩けるほどの通路がある。
「こちらです。」
ジュンは、先程のドアの鍵を開ける手際と道を良く知っている事に疑問を感じていた。
「あの、この先、ハンスさんが罠にはまって…」
「大丈夫。」
「ロミイは…」
「前職は城で密偵部署に所属していたって、言ったら信じるかしら?」
ジュンはよく考える。
モディフィケータは、荷馬車に乗り込んだところで、選択肢が現れ、
ロミイと会う時間軸まで戻った。
と言うことは、ハンスさんや子爵を助ける為に、ロミイさんの協力は必要だったのでは?
と考えていた。
「信じる材料はある。」
「そんなに簡単に信じていたら…」
「大丈夫。」
ロミイさんが協力者とすると、ロミイさんと密偵部署は、何か反発あり、辞めてギルド職員をしている。
王に協力的な立場でないから、この様に協力をしている、と言う仮説が成り立つ。
万が一何かあっても、ジュンのレベルが上がり、エネルギーフェーザー銃と、
リニアツインバイクが調達できる様になっている。
これは、先程モディフィケータが光出す少し前、荷馬車に乗り込んだ時に確認をしている。
最悪、これらを使えばいい、とジュンは思って準備をしていた。
2人は下水道を小走りに先を急いでいた。




