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37.脱出

37.脱出


その夜、自宅を襲われたユリアと執事は、

リリル、ジュンと一緒に、リリルの名前で執事が予約をした、

ホテルの1室で作戦会議を建てていた。


「それにしても、執事さん、あなたがホテルを手配して、

大丈夫なんですか?」


「ああ、その事ですか。


信用の置ける冒険者ギルドの職員がいましてね、

その職員が冒険者のリリル様名義で部屋を取っているので問題は無いと思います。」


「そうですか。ところで…」


「ああ、私は執事のハンスと申します。名前の紹介が遅れまして、申し訳ありません。」


「いえ、とにかく、子爵様の救出作戦を考えましょう。」


4人は屋敷の様子が気になるも、子爵様をどうやって助けるか、知恵を出す。


「まず、旦那様が捕らえられているとなると、場所はどこかになりますが、

城の東地区の地下牢が考えられます。

今その裏付けを取っています。」


「裏付け?」


ハンスはそう言うと、ドアの所に向かい、差し込まれた手紙を受け取る。


ハンスはその手紙を確認すると、


「やはりです。」


その手紙の内容によると、やはり子爵は城の東地区の地下牢にとらわれており、

明日の午後に場内で秘密裏に処刑予定であること、

その地下牢は下水路につながっており、救出にその下水路を使えそうとの内容が書かれているとのこと。


「今夜行きますか。」

ハンスはそう言う。


ハンスが言うには、朝一番の王都を離れる冒険者ギルドの荷馬車があり、

救出後、その荷馬車に隠れて王都を出る作戦で行きたいとのこと。


救出メンバーはハンスとその冒険者ギルドの協力者で行くので、

リリアとジュンに、ユリアを安全に王都から脱出させてほしい、

と正式に依頼を受けた。


ハンスにユリアの脱出についてジュンは確認をすると、


「早朝、冒険者ギルドのロミイという職員に、『中級回復薬7本の輸送』の依頼を出してください。

後は、その職員が脱出のサポートをします。

冒険者ギルドは裏口から入ってください。」


と言う。


「冒険者ギルドのロミイという職員に、『中級回復薬7本の輸送』の依頼ですね。」


「そうです。

落ち合い場所は、ゼレスの町の宿屋にリリル様の宛名で部屋を取っています。

詳しくは、ロミイに聞いてください。

そこで落ち合いましょう。」


ハンスは、


「では、協力者と旦那様の救出に行ってきます。」

と言い部屋を出ようとすると、


ユリアは、

「消して無茶はしないでください。」

と言う。

ハンスは、

「それは旦那様に行ってください。」

と返す。


ハンスが部屋を出ていった。


その後、ジュンが能力で、サンドイッチを出し、

ユリアとリリルにふるまう。


ユリアは、今日起きたことについて、食事がのどを通らない様だった。


「あす、ハンスさんの計画を実行するために、

ここは食事をとって休みましょう。」

とジュンは言う。


「そうよ、ハンスさん、有能だから、絶対に子爵様を救出して、

ゼレスの町の宿屋に現れるわよ。」

リリルはユリアを励まそうとする。


ユリアはうなずいて食事をとり始める。


そして、3人は早めに寝た。


ーーーーーー


翌日早朝。

まだ暗いうちに、3人は宿を出て、冒険者ギルドに向かう。

何とか誰にも見つからずに、冒険者ギルドに着くことができた。


冒険者ギルドはまだ閉まっているが、職員は数名いるようだ。


ジュンたちは、冒険者ギルドの裏口に回り、

ドアをノックすると、1人のギルド員がドアを開ける。


「どうしたんですか?」


リリルは、『中級回復薬7本の輸送』の依頼の件を話すと、


「ハンスさんから聞いています。中に入ってください。」


3人は、ギルドの小部屋に案内される。


そして、


「私がロミイです。」

と言う。


目の前のグレーの毛をした獣人の職員がロミイだった。


「ゼレスの町の宿屋、みかずき亭の予約はリリルさんお名前でとっています。

ゼレスの町のサポートは、冒険者ギルドのミミーと言う職員が対応します。」


「あのう、旦那様は?」


「旦那様?

ああ、子爵様ですね、ハンスさんと子爵はまだ来ていません。

来ましたら、荷馬車で脱出します。

王城を出る際、兵士の検問がありますので、

黄昏の酒場の地下から、城外への地下道がありますので、

そこから城壁の外の農家へ出てください。

荷馬車はそこから乗ってください。」


と説明を受ける。


3人はお礼を言い、言われた黄昏の酒場に向かう。


当然、黄昏の酒場は閉まっていたが、

酒場の前で、樽の積み下ろしをしていた、

男にロミイさんのことを訪ねると、

開店前の酒場の中に通してもらい、

地下室に案内される。


「ここを歩いて行ってください、農家に出ます。

今の時間農作業で無人だと思いますので、外へのドアを開けてもらうと、荷馬車が待っています。」

と言われる。


その男にお礼を言い、人1人がかがんでやっと通れる、

地下道を歩いていくと、地下室に出て、階段を登ると無人の農家に出る。


3人はその農家のドアを開け、外に出ると、荷馬車が停まっていた。

御者が馬車を修理している風だったが、

声をかけると、

「ロミイさんだね?」


と言われ、ジュンはうなずくと、

「馬車に乗れ。」

と言われる。


荷台は樽が積まれており、中央の空いているスペースに隠れるように3人は乗り込む。

御者が外から見えない様に、

樽を積み替えると、荷馬車は走り出した。

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