31.相室
31.相室
リリルとジュンは、マルサンの馬車に乗せてもらい、
王都サザリアに向かっていた。
マルサンとリリル&ジュンは、向かい合わせに座っている。
マルサンは、じろじろとこちらを見てくる。
「あの、なにか?」
ジュンは気になり、質問をする。
「いや、結婚されているのかな~って。」
「そんなわけないでしょ。」
リリルが速攻で否定する。
ジュンは、正直、それを聞いて少し寂しかった。
「そうなんですか。
ところで、お二人はもっと変わったものはお持ちですか?」
ジュンは一瞬迷ったが、
「いや、私たちは商人ではないので、ありませんよ。」
と答える。
その時、急に馬車が止まった。
御者がドアを開け、
「この先の川の水量が多くなっていまして、渡れない状況です。」
という。
「困ったな~。早く王都に戻らなければならないのに。」
と、マルサンは言う。
結局のところ、川沿いに少し行ったところにある、宿場町で様子を見ることになった。
馬車はいくつかある宿屋の内、1件の前に停まる。
「いつも渡れない時、ここに止まることになっていてね。
宿主と知り合いなんだ。」
そう、マルサンは言う。
御者と馬車を降りたジュンは、宿の中に入り、それぞれ部屋を確保することができた。
ただ、ジュンとリリルの部屋は、部屋の数が足りず、相部屋となった。
御者は駐馬場へ馬車を停めに行き、マルサンと、リリル、ジュンは部屋に荷物を置きに向かう。
マルサンとジュン達の部屋は隣だった。
部屋に入ると、ツインベットではなくて、ダブルベッド。
まずい。
ジュンはソファーを探すが、固い1人用の椅子しかない。
ますます困った。
リリルの様子を見る。
リリルはこちらを見ている、まずい。
「何かなかったかな?」
ジュンは荷物の中を探してみる。
実際は、荷物の中にしまってあるモディフィケータで、
よさそうなものが無いか、ジュンは探す。
(これはどうかな?)
ジュンは寝袋を見つけ、
部屋の床に置く。
「これは…?」
「ああ、寝袋と言って、ベットの無いところで、寝る道具なんだ。」
「私なら…いいのよ。」
「え?!」




