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27.盗賊団、烏の目

27.盗賊団、烏の目


子爵を乗せた馬車はその後、順調に進むことができ、

1つ目の難関である盗賊団、烏の目が多く出没する峠周辺まで来ていた。


「ここから盗賊団が出没するエリアに入る。いつでも戦闘できる体制を取っておけ。」


警備隊長が大声で注意喚起を促す。


山岳地帯の道は徐々に険しくなり、勾配が急になり、道も細くなる。

もし対向の馬車が来たら、すれ違えないところも所々出てきた。


馬車も速度が落ちる。


子爵を警備する警備兵と我々は、馬車の前後に配置を変え、

峠に向かう道を進んでいく。


しばらくすると、山道の少し広がったところに、馬車が1台停車している。


御者は我々を見かけると、駆け寄ってきた。


「すみませんが、私は乗合馬車をしている御者ですが、この先で盗賊に襲われ、

お客だった3人の女性が連れ去られました。

その後解放され、何とかここまで来たのですが、

車輪の1つが壊れ立往生をしていたのです。


誘拐された乗客を助けてもらえないでしょうか?

また、車輪のスポークが折れて、代替となる修理部品は持っていないでしょうか?

もちろん修理部品は買わせてもらいます。」


と言ってくる。


その様子を見ていたのか、馬車の中から子爵が出てきた。


「スポークの修理部品については、警備隊長に相談してくれ。

あと、我々は急いでいるからな。誘拐された乗客については…」


子爵はジュンとリリルの方を見て、


「そうだ、2人は有能な冒険者ということだったな。

捜索し、どこにとらわれているか、偵察をしてもらえないか。

私は、峠を降りたゼレスの町の子爵に話をして、

救出のための兵を出す様、話をしよう。」


リリルは、

「わかりました。」

と返事をする。


馬車の修理部品について、結局のところ、

代替となる部品がなかったので、ゼレスの町についたら、

駅馬車屋に言って、修理部品を持ってきてもらうことになった。


子爵の馬車は出発し、再び峠道を登りはじめる。


2時間ほど進むと、御者の話していた駅馬車が襲われた地点に到達する。


その場所は少し道がなだらかになっており、

御者が話した通り、壊れたタルが1つ転がっている。


馬車が通る道とは別に、けもの道の様なものがあり、

盗賊は乗客の女性3人を含め、解放された後、

そちらの方に歩いて行ったとのこと。


確かにけもの道の様なものがある。


警備隊長曰く、盗賊は女性を誘拐したので、

峠で待ち伏せをしていることはないだろうとのこと。


ジュンはモディフィケータで周囲の敵を確認したが、

確かに峠を含む周辺には、敵の反応はない。

ここで、子爵の馬車と別れる。


リリルとジュンは、けもの道を周りを警戒しながら進んでいく。

ところどころジュンはモディフィケータで周囲の敵を確認するが、敵の反応はない。


リリルにそのことを伝える。


「探索の魔法って便利ね。」


1時間ほど岩場の人1人が歩くのがやっとの道を歩いていると、

モディフィケータに洞窟の反応が移る。


「多分、この先の洞窟に盗賊団はいると思う。」


洞窟近づくと、入口に2人の盗賊が門番をしていることが分かる。


「この先の洞窟の入り口に2人、門番をしている。」


リリルにそう言う。


「さすがに2人で攻め込むのは無理があるわね。」


ジュンは良い方法がないか、少し考えてみる。


モディフィケータの洞窟入り口部分をよく見ると、

傾斜があり、洞窟入り口の上の方から、入口に立つ盗賊2名を襲えば、

良いのでは?という結論に至る。


リリルにそのことを話す。


「まず不意をついて、1人目を1発で気絶させ、すぐに2人目を倒せば問題ないわ。」

という。

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