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1.テストプログラムの段階でゲームの外に出られなくなる

1.テストプログラムの段階でゲームの外に出られなくなる


(大体、バグをゲーム外から修正したので、実際に明日からはスキャナー使ってゲーム内から、

テストプレイしてチェックしていくプロセスには入れるな。

疲れた、今日は寝よう。)


上垣順ウワガキジュンは、自作のゲームを売り出すため、

明日から自分が作成したプログラムの中に入る計画を立て、準備を進めていた。


翌日、近くの衛星サーバ内のプログラムに入る為、

近くの分子読取スキャナーステーションに向かった。


ここは、地球を周回する衛星サーバーのプログラム内に入る、ゲートとなる施設となっている。

この施設は大抵は、自治体サービス施設、具体的には市役所やその出張所等にある。

プログラムと現実世界の行き来で、戸籍や住民票の管理と紐づける必要があるため、

この様になった。


「あのー、衛星サーバーNX1101AのT1221AK区画、プログラムMWWの中に入りたいのですが。」


衛星サーバープログラムの入出力を管理している、役所の担当は「分かりました。」と言うと、

コンソールで操作を始める。


今日は、あまり混雑をしていない様だ。

私の前には3人しか待っていない。


しばらく待つ。


「上垣さん、準備ができましたので、2番スキャナーにスタンバイしてください。」


ジュンは案内のあった通り、2番分子読取スキャナーの装置の上に立つ。


「では、操作を開始します。」

役所の担当の声が聞こえると、自分の体が光とわずかな温かさに包まれ、

現実世界から姿が消えていく。


やがて、1600年代の中世ヨーロッパ調の田舎町の宿屋の2階にジュンの姿が現れる。


(ようやく、自作ゲームの中には入れたな。

安全装置プログラムの承認が下りなかったので、なかなか入ることができなかったが。)


ジュンは部屋を見渡すと、木造に漆喰と木の壁、木製のいかにも中世、なベットに、

素朴な木のテーブルと椅子。


(うん、スタート地点はレオンの町の宿屋『黒猫亭』の2Fの宿泊部屋だったな。)


ジュンはテストプレイヤーのステータスと所持品を確認する。


ジュン LV1

職業:戦士

HP 30 / MP 0


攻撃力 12

守備力 8

素早さ 6

魔力 3

運 2


経験値:0

所持魔法:なし


所持品:鉄の短剣、皮鎧、小回復ポーションx2


所持金額:銅貨10枚(100オロ)


(ああ、この世界はオロという通貨にしたが、実際に10オロ銅貨をこの手荷物と、異世界に来た実感が沸くな。

でも、100オロか。ちょっと金額が少ないかな。

この宿の1泊の宿泊料は確か80オロだったし。

500オロに修正するか。)


ジュンはプログラムを修正する操作ツール『モディフィケータ』を使い、

自分の所持金を修正しようとする。


(ん?修正できない?なんで?)


ジュンは金額を設定するプログラムのソースを開いてみてみる。


(プログラム上は問題ないが?

え? デバッグエラー? 権限不足??)


ジュンは何度も修正しようとするが、デバッグエラーで修正できない。


(じゃあ、レベルを修正しよう。初めの回復魔法を覚えるのはLV3だったな。)


ジュンは、今度はLVをモディフィケータで変えようとするが、ダメだ操作できない。


(これも権限不足?)


ジュンは不安を覚え、自分の場所を移動する操作をモディフィケータで行おうとするが、

やはり権限不足でダメだった。


(!!)


ジュンは慌てて、現実世界に戻る操作をモディフィケータで操作しようとするが…。


(だめだ。これも権限不足って、現実世界に戻れない?)


ジュンは何回もモディフィケータで操作するが、

権限不足で一切何もできない。


(だめだ。)


ジュンは、ハッっと思った。


(お金だ。お金を何とかしなければいけない。

100オロだったら1泊しかできないぞ。

お金を稼ぐ方法は、冒険者ギルドか。

掃除などの簡単な仕事でお金をまずは少しづつ稼ぐか。)


ジュンは、宿屋を出て、冒険者ギルドに向かう。

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