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16.コボルトの幼女 その9 (新区画 地下3階のモンスター前編)

16.コボルトの幼女 その9 (新区画 地下3階のモンスター前編)


地下3階に降りても相変わらずの岩の壁の迷宮が続いていた。

ジュンはモディフィケータで道を確認する。


(この道を進み、最初のY字路を右、そして、その先の十字路を直進、

更にその先のY字路を左、そして十字路を右、さらにその先のX字路を左下か。)


ジュンがその通りに進んでいく。


しばらくして、ジュガが、


「なんか、どの道を進めばいいのか、分かっている感じがするのだが。」


と話してくる。


「ああ、斥候の能力で、だいたいどちらへ行けばいいのか、

ある程度は分かるので、その能力で進んでいる。」

と答える。


「そんな能力も持っているのか!」


ドノバンが驚く。


「偶然ですよ。」

と回答だけしておく。


先程、モディフィケータで見た道の通りに進んでいく。


早速モンスターが現れる。


ジュンは解析の能力で、モンスター名を調べる。


(ロックホッパー? いや、あれは巨大カマドウマだろ?)


目の前には巨大な、後ろ足の大きいバッタがいる。


(弱点は、炎か。)


ロックホッパーは、いきなりジャンプし、ジュガに体当たり攻撃をしてくる。


「ギャー。」


3mほど飛ばされ、床にぶつかる。


ジュンは素早く、ファイヤーボルトLV2で応戦する。


今にも体当たり攻撃をしようとしていた、

他のロックホッパーは、火だるまになる。


ただすぐ炎が消え、ジュンは再度ファイヤーボルトLV2を打つ。

4発撃ったところで、3匹すべてのロックホッパーを倒すことができた。


ルードは慌てて、けがを負ったジュガに回復魔法をかける。


「大丈夫ですか?」


「うっ、あ、ありがとう。」


ジュンは少し考える。


(ファイヤーボルトLV2を数発撃たなければいけないのは、大変だな。)


ジュンはモディフィケータで、灯油の携行缶があるのを見つける。

それと、大きな一升瓶。


(これを使えないか?)


ジュンはこれらを調達し、灯油の携行缶から一升瓶に灯油を詰め替える。


「これは?」


リリルが質問する。


「ああ、これは燃える液体で、敵に投げつけて、割れて中の燃える液体が出たところで、

ファイヤーボルトLV2を使えば、効果が高まるのでね。」


と答える。


燃える液体は、故郷の魔導士が作り出した液体、と回答しておく。


「投げるのを手伝うわ。もし、また、ロックホッパーが現れた時に。」


「私も。」


リリルとジュガが協力を申し出てくれる。


(結構これ、重いんだよね。彼女達が協力してくれるのはありがたい。)

とジュンは思った。


案の定、少し進むと、ロックホッパーの群れが現れるが、

ジュンが素早く一升瓶の火炎瓶を出し、リリルとジュガが、

ロックホッパーに投げつけ、ジュンがファイヤーボルトLV2を唱える、

の繰り返しで、多数のロックホッパーを倒すことができた。


「やはり、この方が効率良いですね。」

とジュンが言うと、


「ありえないわ。」

リリルがぼそっと言う。


「ありえない?」

そうよ、なんでこう簡単に新しく現れたモンスターの倒し方を攻略できるわけ?


「レベルは低いですが、モンスターの能力を解析できる斥候の能力の一種ですね、

これで戦いが効率よくなっているわけで。」


「そこまで斥候の能力の高い者はいないぞ。まして、魔導士の他に斥候の能力も持つなんて。」

とドノバンが言う。


「故郷では結構そういう人がいたのですが。」


「ここでは異常だ、と言うか、上位、Aランクの冒険者にもなかなかいないぞ。

そういうマルチプレイヤー。Fランクなんてうそだ!」


「でも、剣での戦いはリリルやジュガより断然弱いですよ。」


「…。」


無言にはなったが、先を急ぐ。


しばらくして、新しいモンスターがまた現れる。


「ジュン、頼む。」

ジュガにそういわれる。


ジュンは解析を始める。


(これは、シルバーアント、まあ見た目そのままだな。

おっ、その体の小ささから、防具の隙間などに入り、皮膚や肉体をかじる攻撃をするのか。

弱点は、高温の濃硫酸か。)


ジュンはレベルが上がり、『解析LV2』になった為、

より詳しく、弱点がわかるようになった。


「その銀の蟻、肉体をかじる攻撃をしてくるぞ。

距離を取った方が良い。

それと弱点は、ロックイーターを倒した液を熱したものが弱点らしい。」


試しにシルバーアントの群れに、モディフィケータで調達した濃硫酸をかけ、

(レベルアップで、新たに薬品そのままを入手できる様になった。)

ファイヤーボルトLV2を唱える。


数百匹いたシルバーアントは溶け、硫酸銀と二酸化硫黄の混じった液体になる。


「何が起こったの?」

リリルが聞く。


「化学反応。」

とだけ答えておく。


「ちょっと、嫌なにおいがするわね。」

とリリルが言う。


「本当だ。」

ルードもこの匂いに気づいたらしい。



ジュンは慌てて、大きな瓶を調達し、空間収納に入れ、急いで液体をその瓶の中に回収する。


「ちょっと危険な液体なので、慌てて回収しました。」


「「「「???」」」


一同はまるで分っていない。


「毒ガスが出る場合があるのでね。」


一同はなんとなくうなずく。


(絶対にわからないだろうな。)


その後もシルバーアントが現れるが、この方法で倒す。


ガスがたくさん出てくる前に、シルバーアントの溶けた液体を、

空間収納内の瓶に回収する。

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