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110. リョウの世界で得られる能力

110. リョウの世界で得られる能力


リョウは、ジュンにラウンジで、

ミレバやその周辺の都市、そして種族などの説明を行っていた。


「そうですね、あちらの世界は基本砂漠の都市ですね。

造水プラントで大量に水を作りだし、生活用水の他、

公園などに定期的に水をまいているので、緑はあちこちにありますよ。」


「そうですか。子どもがいれば、休日緑豊かな公園で遊べるわけですね。」


「そうですね。元気な子供の声が聞こえますよ。」


「話を聞くと、車や建物を作る材料、生活用品、電化製品などあるそうですが、

どうやって調達したんですか?」


「それは、私があの世界に来た時、特別な能力を授かったんですよ。」


「特別な能力?」


「そうです。私の場合は、通販というか、そういう能力で調達したものが、

あの世界に出せるんですよ。

私が連れてきたものも、同様の能力を持っているものがいますよ。」


「そうなんですか?

もし私があなたの世界に行った時、私はこのような能力を得ることはできるんでしょうか?」


「そうですね。正直わからない、が正しいところだと思います。

例えば、トーステンさん、元軍人で、地球の1960年代の東ドイツから来たのですが、

戦闘に特化した能力を得たようです。

例えば、武器を何でも使いこなす能力とか、銃の弾丸が減らない能力とか。


それと、ライアン博士、南アフリカのケープタウンにある植物園で研究をしていた方で、

博士は、植物に関する能力ですね、その植物がどういった環境が優れて育つか、

初めての植物でも、全部わかってしまうのです。それと、どんな種でも出せる能力とか。


あとは、エマニュエルさん。

かれはブラジルの航空機メーカーで設計をやっていたそうで、

飛行機に関する部品を出せたり、どんな航空機でも操縦できたり、

そういった能力ですか。


あとは、グプタさん。

彼は、バングラディシュで、船の改造等を行っていたエンジニアで、

船の部品を出せたり、船舶の構造がなんでもわかったり、プラントを設計する能力を得たりしてますね。


そして、佐藤さん、日本人です。

彼、鉄道会社の建設会社で働いていた経歴を持っていて、

建築に関することを何でも把握できたり、建築資材を出せたり、しますね。


とにかく、他の世界から、私の今住んでいる世界に来ると、そういった能力を得られるようです。」


「なんか、地球でしていた職業に関係してませんか?得られる能力は。」


「そうですね。軍人は武器と戦闘、植物学者は植物に関すること、航空機の設計者は飛行機に関すること、

船やプラントエンジニアは船や工場の設計、そして建設会社は建設に関すること。」


「そうですね。私は荷物の配達員をしていて、何でも出せる能力を得た。」


「では、私があなたの世界に行くと、ゲームプログラマーだから、プログラムに関すること?」


「そうですね。

実はゾランさんというITエンジニアがいるのですが、彼は、ネットや放送関係の能力を得たようです。」


「そうですか…。」


そう言うと、ジュンさんは考え込んでしまった。


リョウはその沈黙を破り、


「ただ1つ言えることがありますよ。」

という。


「なんですか?」


「今いる世界は、コンピュータで作られたものでも、差別もないし、法律もない、

平等な世界ですよ。様々な種族のものが一緒に平等に住んでいる世界です。」


それをジュンは聞くと、ホッとしている様子が、リョウにもわかった。

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