10.コボルトの幼女 その3 (チームプレイ)
10.コボルトの幼女 その3 (チームプレイ)
シロの両親?を探すため、ジュンとブルーファルコンは、
依頼を受けたリリルと共にレオンの町を出て、サザン村の鉱山に向かうことになった。
サザン村は、レオンの町の北門を出て、2日くらいの距離にある村で、
門を出ると、この間のカボチャの捕獲で顔見知りになった、
ホセ氏が、自宅前にある垣根になる見を収穫していた。
「こんにちわ。」
「ああ、ジュンさん、こんにちわ。この間はどうも。」
「何をしているんですか?」
「ああ、青スグリの実を収穫してジャムにするんです。」
ジュンは垣根をよく見ると、ブルーベリーよりも薄い青みがかった実がなっているのがわかった。
「1つ食べてみませんか?」
ジュンは実を1つ取って、口に入れる。
少し酸っぱさがあるが、甘みも感じられる。
(ブルーベリーとは違うな、味が。)
「おいしいですね。」
「この実は煮れば、酸味が無くなり、もっと甘く、美味しくなりますよ。そうだ。」
ホセは立ち上がり、家の中から青スグリジャムの小瓶を持ってきてくれた。
「よかったらどうぞ。」
「すみません。」
ジュンは恐縮する。
「ところで、今日はどちらに行かれるんですか?」
「サザン村の鉱山です。仲間が捜索の依頼を受けまして。」
「そうなんですか。そういえば、この間、白いコボルトの方が、『サザン村はこちらの街道でいいですか?』と聞けれてましたね。
正直毛並みが白いコボルトの方って、見たことが無かったので、サザン村で何があるのかって、気になっていたんですよ。」
「「「「「!」」」」」
「確定しましたね。」
ドノバンがそう言う。
「そうですね。」
「シロの為にも、早く親御さんを見つけてあげなければ。」
リリルがそう言う。
「ありがとうございました。あと、これをいただき、ありがとうございます。」
ジュンは深々とホセ氏にお礼を言った。
一同は再び街道を歩き始める。
「正解でしたね。」
「そうね。思わぬところで確認ができた。」
「後は村に着いたら、白いコボルトの行方を確認してみましょう。」
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街道を歩いていると、ところどころで、モンスターが出る。
この間倒した野ウサギのモンスターとか、イノシシのモンスターとか、蛇のモンスターとか。
リリルはジュンを見て、
「ジュンにも経験が入るので、攻撃に参加しろ。なに、最初に現れた時、石を投げるだけでいい。」
と言われ、モンスターに石を投げる。
野生のイノシシモンスターに石を投げるのは、かなり怖かったが、
言うとおりにすると、あとはリリルが倒してくれる。
倒したモンスターは貴重部位はリリルとブルーファルコンが手持ちをするが、
ジュンが、
実は私は魔導士でもありまして、いくつか魔法を使えるのです。
レベルはすごく低いのですが、空間収納の魔法も使えるので、
倒したもんすたーの素材は預かりますよ。
と提案をする。
このリリルとブルーファルコン、そしてジュンとシロの即席パーティーは当初、
魔導士がいないと思われていたところに、ジュンのこの発言で、
一同に注目をされた。
実際にジュンはでレベルアップで、確認すると以下の様になっていた。
ジュン LV21
職業:戦士(副職業:回復士、魔導士)
HP 281 / MP 126
攻撃力 71
守備力 48
素早さ 49
魔力 78
運 1
経験値:12422
所持魔法:
小回復魔法、微小状態回復魔法
ファイヤーボルトLV1、サンダーボルトLV1、ブリザードLV1
1200円までの日用品と食料を調達する権限。
120㎏までの荷物を分子レベルで分解し、空間に保管する権限。
おお、副職業が2つも付き、パラメータアップ、そして魔法も進化、空間収納の重さも増えている。
ん? 運が下がっていないか? 1だって。
街道をしばらく歩いていると夕暮れになり、
数件の村よりも小さい集落?に到着する。
「今日はここで宿泊だな。」
「ああ、あそこの食事ですか。今日の夕飯は。」
「ですね。」
? 全員のテンションが下がっている。
ドノバンは、集落で一番大きい建物に入っていく。
すると、レオンの町程ではないが、そこには受付があり、
泊まれる様になっていた。
ドノバンは受付で話をし、
部屋割りは『ドノバン、ルード、ジュン、シロ』と、『リリル、ジュガ』に分かれることになった。
要は2部屋確保し、男女で別れた。
部屋に入手する別れ際、
「今日はお腹が減っていないから。」
とルードが言うと、ジュガが、
「冒険者は体力が基本よ。食べられる時はどんなものでも、食べて、体調を整える必要があるわ。
では、食事は8時ね。下のレストラン。わかった?」
とジュガが言う。
(え?食べられる時はどんなものって、どういうこと?)




