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13通目のラヴレター〜promise of "next"〜

作者: ネクタイ

右腕には、漆黒のブレスレット。

左手の薬指は、空けたまま。



サッカー大会から1週間。私達は卓球大会の当日を迎えていた。やる気満々の仲間たち。私は、というと・・・。

「びっくりするくらいテンション低いじゃあん。」

「だってぇ・・・。」

意中の彼の姿が見当たらない。そもそも今日は来ないかもしれないし、そう何度も素敵な出会いがあるわけでもない。でも、会えたらなんて言おう、もし覚えていてくれたら・・・?そんなことを考えて、昨晩寝付けずにごろごろ布団の上を転がっていたのも事実で。

実行委員の仕事があるにもかかわらず開会式直前まで、むすーっとしている私に、友達が見兼ねて言った。

「今日、もし彼が来てさ、話しかけられたら写真撮ってあげるよ。」

「ほんと!?!?」

「うわっ、急に元気になった!」

床でへのへのもへじを書いていた私はその言葉にガバッと顔を上げる。その反応に友達が驚いて仰け反った。よっしゃっと言って私は気合を入れて・・・。



「よーし、今日も頑張っていきましょうねー!」



元気な声の方に振り向いた。

玄関の方から来た、あとから遅れてきたグループ。

その中に待ち望んでいた姿があった。

「ねぇねぇ!きた!きたよ!!」

「わかっ、わかった、ちょ、わかった、痛え!」

友達をバシバシ叩いて私は歓喜の声を上げる。

どう声をかけよう。どうしよう。嬉しさのあまり彼を睨みつけるように見ていた。

そこで、不思議そうに顔をしかめた彼と目が合う。

あっ!という顔をして、彼が手を叩いた。

「君は、この間の!」

「そ!そうです!」

覚えていてもらえた喜びで声が上ずる。楽しそうに彼は両手で拳を作ると、グータッチをしてきた。

「今日も頑張ろうね。」

「うん!」



大会は順調に進み、私が所属しているチームは準決勝進出を果たしていた。

私も仲間も大喜び。少し離れた所にいた彼のほうを向くと、サムズアップをしてくれた。

休憩時間、お遊びで仲間と遊んでいた彼が一人になったタイミングを計らって声を掛けに行く。

「お話良いですか?」

「おーいいよー。予選通過おめでとうー。」

隣に腰かけ、いくつか言葉を交わす。うまく答えられない部分もあったが、彼の声は聴いてるだけで心地よくて、耳を傾けながら私の心臓はトクントクンと繰り返し鳴っていた。

話が切れた所でこの間と同じように提案をする。

「あ、今日もお写真いいですか?」

「おーいいよいいよ撮ろう!」

二つ返事で返してくれた彼が、ニコニコと微笑む。スマホを出すと彼が不思議なマークをしている。中指と薬指をクロスさせてWのような形のマーク。そこ、ピースとかじゃないんだと思いながら、彼らしいその姿にきゅんとした。



シャッターが落ちる瞬間、君も恋に落ちてくれればいいのに。



どんなに。

縺ゥん縺ェに。


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螂ス縺阪↓縺ェ縺」縺ヲくれればいいのに。


そう思ったところで、友達が全身写真撮ってやるよと声を掛けてくれる。

撮りましょうよと彼に言われて私は立ち上がる。

私より大きな彼の目線。少し下がったそれに嬉しくなりながら私は彼の隣に並んだ。

どんなポーズします?といわれ、えっとと悩んでいると彼が無難にピースにしましょうと笑ってくれた。きっと女の子にモテるだろうから写真とかも慣れているんだろうなと思いつつ、彼の隣で満面の笑みでピースサインをする私も単純なものなんだけど。




大会は結局準決勝で敗退ながらも、3位という好成績を残しチームのみんなが大喜びで迎えてくれる。

表彰式、チームの代表で賞状を受け取る私。

チームごとに並んだ列に戻ろうとすると、彼がこっそりエアでグータッチをしてくれた。

それにエアで答えると、2人は楽しそうに笑った。




あっという間に大会も終わり、片付けをしながら、彼のそばに行く。

「そういえば、何ちゃんっていうの?」

彼が訪ねる。私は驚きながら答えた。

「✕✕精神科病院の✕✕✕です。えっと・・・。」

「俺は✕✕✕の会の✕✕✕✕。」

名前も知らないままだと思っていたから驚いた。✕✕✕✕、と繰り返す。忘れたくないなと思いながら。向こうも同じように私の名前を繰り返している。右腕のブレスレットが目に入る。手作りのそれを渡してしまおうかとも思った。そこで思いとどまる。『檻』と一緒。外に期待や希望があると、『檻』の中での暮らしが苦しくなる。彼がいる✕✕✕の会も同じようなところだから、分かる。思いとどまって、彼のほうを見る。何でもないような顔で彼が言った。




「じゃあ、またなんかイベントあったら会おうね。」



その言葉に、一気に現実に戻される。


私たちに『明日』はない。私たちに『来年』はない。

私たちに約束された『次』はない。

あなたの会いに行くが嘘になってしまったように。

例えば明日、彼が✕✕✕の会を退会するかもしれない。例えば来月、私が通院を辞めるかもしれない。そうすれば私たちは簡単に二度と出会わなくなる。それくらい、脆く儚い関係。



『次』がないと分かった上で。



「また会いたいです。」



私たちは『次』の約束をする。



最後にもう一回グータッチ。

触れた場所がひんやりと痛覚に残留した。






「もう会えないんだよなあ。」

原稿に筆を走らせながらため息を吐く。

デスクの上には、白紙のままのラヴレター。

結局、彼にもあなたにも書けずじまい。

でも渡せないのも分かってるから、代わりに原稿に書く。



右腕には、渡せず仕舞いの漆黒のブレスレット。

左手の薬指は、変わらず空けたまま。



二度と言うことのない、たった4文字の愛言葉。



「好きです。」



外ではあの日と同じように北風が吹いていた。

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