第37話
「君! 何をしているのかね!?」
「速いので。反射的に」
「商品のテストだと言っただろうが!」
「すみません」
そう言った男子生徒は頭を抱えていた。そして変身アイテム銃と自分のSAAを交互に抜きつつ、変身アイテム銃を持ち直していた。
「全く……こんな連中を相手にしてちゃ商売にならないだろうが……」
独りごちる意識高い系と、そこに迸る銃声。見ると、意識高い系のはるか背後で、男が撃たれていた。
「まだいる」
「そうみたいね」
二人はもう変身アイテム銃を装備しておらず、各々銃とガントレットを装備していた。俺はナイフが得物だが、遠距離火力として銃は構えていた。
水面に波が広がるように、森を静寂が包んでいた。その波紋の描く同心円は、俺の背後で鳴った草によって掻き乱され、森一帯に伝播した。
振り返りざまに目に止まった数名目掛けて魔法製の弾丸を叩き込む。背後から迫る剣を持った男は身軽に避けつつ、俺の立っていた場所に来た刹那、今まで撃った弾丸を逆行させる。身体中にめり込んだ弾丸は、それがきっかけとばかりに血を迸らせ、男を重力の虜にした。
サムと男子生徒は変身アイテム銃そっちのけで各々ガントレットとSAAを振り回していた。サムは躱し方に無駄がなく、まるでダンスのようだった。男子生徒はろくに狙いも定めず弾をばら撒いているようにみえて、その一発一発が、的確に眉間を撃ち抜いていた。
死屍累々と化した森の中で、意識高い系はもはや怒りを通り越して表情が抜け落ちていた。冷静さを取り戻してようやく怒ろうと思ったころなのか、ふと口をひらこうとしたその時だった。
「貴様らいいかげ……」
「殺ったんだから黙ってろ。ブチ抜くぞ」
男子生徒が意識高い系の耳を擦る程の場所を撃った。




