第22話
ずっと気になっていることがある。女子生徒はどちらかと言うと脳筋だ。頭脳労働が好きなタイプじゃない。そんな彼女が頭脳労働ばかりさせられているとあっては、不満は相当のものだろう。案の定、調査は二日ともたず終わり、俺は彼女と依頼をこなしまくる日々が続いた。
「なあ、調査は?」
「この依頼が終わったら! すぐにでも!」
「って、それもう5回は聞いた……」
「うるさい!」
一度も騒いでなどいない。心外である。だがどうしようもないので、俺は……
「なあ」
「何!?」
「これ」
依頼の内容は「マナストーン取引の取り締まり」であった。曰く「最近マナストーンを正規の流通ルートを経ずに売買している連中がいる。警兵を派遣するため、そのサポートをして欲しい」というものだった。ちなみに警兵とは、町の警護と、犯罪者の確保を主とする、元いた世界で言うならば警察のような組織である。
「これなら依頼と調査を兼ねてる」
「良いわね」
依頼の集会所に来てみれば、受けたのは俺たちだけだったらしい。
「すまない。恩に切る」
そう形式的に述べる兵士たちに対して、俺も会釈を返す。しかし女子生徒の方は違ったようだ。
「あれ? 君は……」
その警兵は、女子生徒のことを知っているようだった。
「あら、いつもご苦労様です」
「いえいえ、実働隊長にはお世話になっております」
彼女にはこんなよそゆきの顔があったのか。それにしたって彼女から令嬢の姿は垣間見えない。
「知り合いか?」
「ええ、こちら、偵察隊長の……」
と言った矢先であった。「整列!」といかにも集団行動な声が響き、俺たちも粛々と集まった。点呼を取られたが、俺たちの他に8人警兵が来ていた。警兵は各々二人組の4組に分かれ、そのうちの1組、女子生徒と交流していた組に入ることとなった。
「では、行くぞ!」




