恋の終わり
取り残された私の涙と
言葉の余韻が部屋中を埋め尽くした
何もかも理解したくなくて
狭い浴槽に身体を預け目を閉じた
シャンプー、入浴剤の香りにまで
貴方の存在が残っているのに
心地のいい声はもう聞こえない
私を満たしていた温もりも記憶の中だけ
水面に広がる波紋とともに
貴方への想いが溢れていく
貴方の誇れる人でありたかった
貴方の安らげる存在でありたかった
きっと私には足りなかったのね
共に歩む未来を想像しては笑った日々が
気づけば少しずつ霞んでいき
いつしか争いを避けて口を噤み
心は離れていったの
貴方の顔を正面から見たのはいつぶりだった?
冷静になれば心は驚くほど穏やかで
明日の私は笑顔で仕事をしているわ
でも暫くはチクチク痛む胸と
腫れた目元を化粧で隠して
町行く人から貴方に似た人を探してしまう