第一話:失敗とは(プロローグ)
「始まりは不意に始まり、終わる時には終わりが見えている」人における生死、感情、思考そしてこの物語を意味している……
「一回目で成功した人より、一回失敗してる人の方が失敗を経験として〜」みたいな風潮がこの世界にはある。
それは失敗した人を落ち込ませず、立ち上がらせるとても良い言葉だ。
子供の頃、小中学校でよく耳にしたこの言葉が俺はとても嫌いだ。
クラスで、なんでも器用にこなせるみたいな位置にいた俺は今まで特に大きな失敗談がないから、その言葉の悪役な気がしてならなかった。
そうじゃない、失敗しないように何回も頭の中でイメージトレーニングしてどうしたら失敗するかを常に考えてきたからだ。
心のどこかで思考が子供すぎる周りと合わない気がしていた。
高校生になり
表面的には、みんなと仲良く会話しているが、どこか一線引いている自分がいる、腹を抱えて笑えない自分がいる。
それを体より心、思考が先に成長し過ぎたからだとちょっと大人目線になっていたのかもしれない。
そんな考え方をしているから恋愛もしたいとも何も思わない、みんなが30歳くらいになって思考が育った時、俺はみんなと、まともに笑って会話ができると思う……本気でそう思っていた。
友達は馴れ合いの関係でいい、それが俺の失敗である。
失敗とは経験であり財産である。それは俺が一番よく分かっている……分かって…………
〜現在〜
「おいおいおい、あり得ないだろ、どうしたらこんな失敗するんだよ‼︎」
「魔法使えるのかしらないけど、ちょっと助けて欲しいからって異世界の人を召喚しようとして、失敗して、普通の生活ができないような体になりました。じゃねーよ‼︎」
「異世界に来て、いつもと違う景色にちょっと動揺してたあの時が、もうすでに良い思い出っていうレベルだよ」
ーーーーーそう俺は異世界に召喚されてしまった。
塩の歯磨き粉って慣れたら普通のやつに戻れないよね〜
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