改めての銃刀法の解説と模索の始まり ~基本は6cm未満だということを伝えたい~
令和となってから早半年。
この数ヶ月の間に世間も自分自身の周囲においてもめまぐるしくイベントが勃発し、全くもって飽きさせない新時代であると思い知らされる。
今回話題にしたいのが、キャンプなどの際に料理等を行う場合に必需品となるキャンピングギアであるナイフだ。
キャンプ向けナイフ。
料理やら火起こしやら缶きりやらキャンプ時において様々な場面で使われる汎用小道具。
料理などをしないならさして必要ないが、やっぱキャンプしてんなって感じの場面で多用することとなるので、キャンプサイトに持ち込む人間は少なくないだろう。
一般的には「安い」「クオリティそこそこ」「使い勝手良し」の「オピネル」が初心者向けと言われ、ネットだけでなく雑誌等でも初心者用として紹介されている。
だがしかし……ここ最近の自身に起きたこととツィッター等の状況を見る限り、今後本当にオピネルが……特に基本形と言われるNo.8が定番アイテムのままであるのかは未知数の予感がしてきた。
なので、今回は法律分野についての話を絡めつつ、自身の経験も交え、筆者お気に入りのメーカーのひとつであるBark Riverが2015年に新たに登場させた新世代モデルである「Bark River PSK」について語ってみようと思う。
◇
さて、現在20代前半ぐらいから30代ぐらいの多くの日本人において、ナイフに対する負のイメージを植えつけた事件と言えば、やはり秋葉原通り魔事件であろう。
それ以前だと神戸連続児童殺傷事件あたりが印象的であると思われるが、ナイフという存在でもって世間を騒がせたのは前者であるのは間違いない。
あの事件の影響により銃刀法が改正された結果、新聞沙汰になるほどの混乱が生じたなどとされているのだが……
正直なところ、一般キャンパーはこの時点からごく最近までにおいてまではそこまで大きな影響を受けていなかった。
むしろ最近の方が改正銃刀法関係の事件が新聞沙汰になっているイメージがあるほどだ。
……というのも、そもそもがガチな人らも愛用するキャンピング向けナイフというのは殺傷力が低いだけでなく主要なナイフの刃渡りは15cm未満なんて当たり前であり、
両刃式なんて一部のミリタリーマニアが収集する程度のアイテムであって、15cm以上なんて取り回し等に優れず実用性がないので使わないのが当たり前であったからである。
一般的に語られる「殺傷力」とは主に"刺突能力"に優れたものを差すが、基本的に平均的キャンパーが用いるキャンピング向けナイフや、ここ数年世界的に流行しているサバイバルナイフはこの能力が凄まじく劣っており、むしろだからこそ好まれて使われる節があるほどだ。
それで……改正銃刀法においては16cm以上の所持においては免許等が必要となるとのことであったが、16cm以上なんてそもそもが使わず、長くとも11cmで主流は8cm程度が当たり前だったりしたので"ああそうですか"といった程度の認識だった。
なぜならば、当時改正するにあたって"刃物の性質を考慮して正当な理由を見定めた上で判断するよう"但し書きに近い形で記されて念押しされていた側面も大きく、
あまりにも厳しい規定によって業として行う者に弊害が及んだり、様々な分野に悪影響を与えてアウトドアなどの市場が萎縮することによる経済的ダメージや混乱を避けるために本質……即ち手段と目的と見失わないようにと配慮されて運用されていたからである。
そのため、2010年代中盤に入るまでは稀に刃渡り15cm以上の刃物が見つかって逮捕された例などがあったことを除けば、キャンパーが6cm以上の刃物を持とうが問題になるなんて事はなかった。
この頃のアウトドア系雑誌を見てもキャンプギアとしてナイフを紹介する際には15cm未満なら大丈夫みたいなお触書が散見される。
その状況が少しずつ変わってきたのが2017年頃である。
恐らくは土浦通り魔事件などが影響したのであろうが、地方新聞で誤認逮捕の記事が出てくるようになった。
実際には8cm未満だったにも関わらず逮捕した例や、正当な理由があったにも関わらず逮捕並びに拘留した例などが度々話題となる。
同時にSNSなどでも任意同行を求められたなどの話題が出始めるようになる。
しかし、この時点で任意同行を求められるケースの刃物は一部を除けばやはりというか殺傷力が高いとされるタイプに限られ、サバイバルナイフといってもランボーが持つようなミリタリー物だったりと、まだ自業自得の範疇で話を片付けられた程度であった。
わざわざキャンプ中の行き帰りに職務質問されてもキャンプなのでと言えば大抵のケースでは問題視されなかったのだ。
それこそ、狩猟を行う者や釣りなどで魚を捌くために必要な叩いて斬るような鉈と変わらぬようなタイプなんて見せた瞬間に「あーはいはい」といって立ち去る程度であった。
それが新幹線での殺傷事件や令和おじさん達の"ご活躍"により、状況が変わってくる。
SNSなどを見ると「8cm未満だったのにしつこく目的を聞かれて時間を潰した」とか、「美容師でハサミを持ち歩いていたのに任意同行を求められた」といった報告が相次いだのが今年の夏ごろから。
たしかハサミについては民法のニュースでも話題になっていたはず。
渋谷の美容師が任意同行を求められたケースだったか?
背景には令和おじさん達だけでなくラグビー世界大会や五輪も関係しているのかもしれないが、ハッキリ言って権力の濫用言われても仕方ないレベル。
何のために6cm未満に定めるにあたって"慎重でなければならない"と答申にて念を押されたのか全くわかってない。
厳しくしすぎるほどだからこそ、運用においては厳格でなければならないとされたはずなんだが……末端の現場の人間がそんなの知るわけ無いよな。
調べているわけがないんだから。
まあそういう話題があっても、残念ながら筆者もありふれた人間なので自分に影響を受けないなら問題ないかと思っていたのだったが……
ついにその矛先が自分に向いてきたのであった。
◇
――ここのところ山梨と神奈川方面のキャンプ場近くの駐車場では、即位礼正殿の影響なのか警察が来て職務質問する姿を度々見かけていた。
筆者も多少は警戒しつつも、別段怪しいことなどしていないのだから毅然な対応をと心がけていたところである。
そんな夏を少しばかりすぎた某日。
これからいざキャンプ地へと向かおうとする筆者の目の前に警察官現る。
そして40分にも及ぶ押し問答へ――。
理由は簡単である。
当日所持していたバークリバーのブラボー1が6cmをオーバーしていた。
たったこれだけだ。
一応言うと銃刀法に完全に引っかからないためには6cm未満である必要がある。
ブラボー1のような固定式ではそうだが、詳細は後述しよう。
こう書くと8cmの話をしたがる人間が出てくるかもしれないのだが……少なくとも一切絡まれないサイズは6cmであるということを予めここに記しておこう。
それで話を戻すが、当日筆者はキャンプ場を予約していた上に寝袋やテントどころか自宅で事前に下ごしらえした材料すら持ち歩いていたが、キャンプ場の管理人に電話で事情を説明してもらっても簡単には引かない。
まあSNSで書いてあるのと大体同じことが現実に起こったわけである。
最終的に解放されてなんとか乗り切ったものの、嫌な予感がして後ほど他にも似たようなことが無かったか調べるとオピネルですら引っかかった例が見つかり……
もはや点数稼ぎのために銃刀法違反を盾にした職権濫用に近い行為が横行している実態があることを理解したのだった。
まず重要なことが1つ。
銃刀法においては刀剣等を除いた15cm未満(正確には6cm以上)の刃物類については"正当な理由なく携帯してはならない"と書いてある。
15cm以上は所持禁止で、6cm以上15cm未満は正当な理由のない場合における"携帯禁止"である。
所持は禁止されていない。
ここでいう携帯とは、文字通り身に着けるなどの"携帯"の状態を言う。
所持に含まれる"保管"は形態とは異なる概念であり、携帯とはすなわち"手にもつ"、"身につける"、"それに近い状態で携える"ことであり……
例えばすぐ抜ける鞘に入れたままバッグの中に仕舞い込むのは"携帯"とされるが、当日の筆者のようにすぐには抜けない厳重な革のベルトのボタン留めによって鞘に刃物が完全に固定されている上で専用のペリカンケースにて適切な保管場所に収納しておくことは"保管"にあたる。
まあこれぐらいは血の繋がった身内にも警察官が複数いるぐらいな人間なので弁えているわけだが、もはや身内の人らのような「正義のために努力した結果表彰すらされる警察官」らと違い、点数稼ぎが目的の者達というのは"長さ"だけで全てを判断しようとするため、6cmをオーバーしたら全てアウトみたいな状況で迫ってくるのである。
それによって実際に誤認逮捕すら発生しているわけだが、保管という状態をきちんと遵守していたにも関わらずに40分も人生を無駄にしたことはとにかく筆者の尾を引いた。
同様の被害は少なからずネット上などで報告されているが、もうなんていうか日ごろの職務のストレスを一般人にぶつけるなと言いたくなる。
休日の楽しみをぶち壊すために仕事しているようなのと、休日返上で汚染地帯だろうが突撃していくような尊敬に値する人格者が同時に同じ職場に存在すると思うとなんとも歯がゆい思いである。
結局、こちらの理詰めによって相手側が引き下がった事にはなるが……今後を考えて長年連れ添った相棒とはお別れすることにした。
なんてたってこういうことがあるとキャンプ飯はまずくなるわ、美しい夜の景色も楽しめなくなるわ、イライラでスピード超過したくなる衝動に駆られるわでロクなことがない。
リスクヘッジのために"確実に短時間の応答でその場を乗り越えられる新たなギア"を求める以外、自分を納得させる方法は存在しなかった。
さて、ここから筆者の新たなキャンプナイフ探しが始まるわけであるが、キャンプ関係の刃物に関する情報のまとめサイト系列……
これらはいろいろと見るとちょっと甘いので、改めてこの場にて説明しておこうと思う。
まず大前提として言わねばならないことがある。
「刃渡りは刃物ごとに計測方法は異なるが、基本は6cm以上はアウト」
これは折りたたみだろうが固定式だろうが関係ない。
基本は6cmだ。
では巷でいう「8cm」とは何か。
それは"例外規定"である。
一部の刃物においては「厚さ」などの規定を設けた上で「8cmまで認めている」だけだ。
その一覧が下記のもの。
【1.】ハサミ(内刃しかなく挟むことでしか切断ができないものに限る)
8cm以外の条件(先端が著しく鋭く、刃が鋭すぎないもの)
ここでいう刃が鋭いに関する直接的規定はないが、指標の1つとして指で軽くなぞって指が切れて血が出るようなものを言うとされる。
何でもってそう判定するのかは不明確だが(実際に自分の指を切るわけにはいかないし……)、恐らくこの指標は実際に殺傷事件があった際に証拠物として回収した際に銃刀法違反に問うための判断材料とするためのものと思われる。
【2.】 折りたたみナイフ
8cm以外の条件(片刃で、かつ刃体の幅1.5cm未満で刃の厚さ0.25cm未満で、刃体を固定する装置が付いていないもの)
上記について補足すると刃体の幅とは刃以外の部分の厚さが1.5cm未満という意味である。
刃の厚さ0.25cm未満とは実際の研がれた刃となっている部分の反対側の厚さが0.25cm未満という意味である。
この数値は正直固定式ナイフのイメージで数値を設定しているとしか思えず、折りたたみの場合に刃体が刃の幅より大幅に増幅するナイフというのは個人的に見たことが無い。
0.25mm未満ならいいとこ5mm程度なので余裕を持った数字なのだろう。
で、一番重要なのが刃体を固定する装置が付いていないものという部分なのだが……まあオピネルは普通に"アウト"だってことです。
カチッと刃が固定される器具が付いてたら6cm以上の時点でアウト。いいね?
これ結構勘違いしている人が多いみたいよ。
【3.】くだものナイフ
8cm以外の条件(片刃で、かつ刃体の厚み0.15cm未満で先端が丸みを帯びているもの)
ここでいう先端が丸みを帯びているとは、先端によって突き刺すことが文字通り不可能なことを言う。
判例では度々出てくるけど、一見するとナイフのような見た目でも先端が丸くて刃の厚さが0.15cmならくだものナイフの扱いになるという点については忘れてはいけない。
【4.】切り出しナイフ(小刀)
唯一最大で許される刃渡りが8cmではなく7cm未満。
7cm以外の条件((片刃で、かつ刃体の幅2cm未満、刃の幅0.2cm未満)
切り出しナイフとは一般的に工作道具などの小刀を現す。
あいくちとは別で、彫刻刀もこの中に含まれる。
以上が「例外規定」の要件である。
見ての通り「折りたたみ式は8cmまでOK」なんて完全に誤った認識ですよ。
大半のキャンプ用折りたたみナイフが刃を固定する器具付いてるんでアウトです。
オピネルは軽犯罪法が引っかかるかどうかなんてのは完全に誤った認識。
前述したオピネルすらアウトにされた原因もここに起因する。
あれもロック機構がNo.6以上に付いているからね。
ゆえに6cm以上のオピネルは全部"銃刀法"においてはアウトです。
最近の6cmを全部アウトにしてくる状況に対応できない。
オピネルについていうなれば、刃渡りの時点で5cmのNo.4未満以外は全てアウト。
(ただしNo.5はロック機構がなく、6cmジャストなので研ぐなどして少し切り詰めればセーフ)
固定する器具付いてないとキャンプナイフとしてはカット中に引っかかったりなんだりで逆に刃が暴れて手を切ったりする可能性を考慮しても、セーフなナイフってむしろキャンプナイフとしては初心者向きではないのだが……アウトにされてしまっているわけだ。
初心者向きではないというか推奨されないほどブレードを固定できないナイフって冗談抜き危ないんで、筆者はキャンプなどで使うことは絶対にない。
力を込めて切った際に勢い余って自分の指まで切った経験とかあるからね。
少しでも硬いないし引っかかるような物を切る用途には向いていない。
正直言って例外規定をあわせて上記を読み込めば、銃刀法違反とならないような折りたたみ式ナイフをキャンプ用として使う利点なんてないことがお分かりいただけるだろう……
ともかく、「オピネルの8cm未満なら安心というのは絶対に信じてはいけない」いいね?
で、ここからなのだが……6cm未満に関しては刃体の幅、刃そのものの幅などの規定は一切無い。
面倒だから6cm未満はオールOKにしてしまおうという事でこうなった。
すこしだけ解説すると、当時この6cmの話を最初に出したときに実際にはネックナイフなどの登山道具などが7cm未満であることから8cm未満にしようという話もあった。(もしくは先進国で主流の3インチ、つまり7.63cm+刃厚を厚くする制限規定)
6cm未満ではあまりにも厳しく影響を与えすぎるという話は委員会の答申などで出ていた。
例えば鉈のように8cm未満となると殺傷力が一般的には大きく落ちるとされる科学的根拠のあるデータなどを鑑みて、例外規定をもっと広く規定しようという話もあった。
しかしそういうことをやっていると末端の運用側が混乱して大変なことになるので、"諸外国でも6cm未満という例がある"ということで「面倒だから6cm未満にしよう」ってな上で「正当な理由についてはより冷静に判断しないとアカンよ?」と念を押すように努力規定に近いものを設けて運用しようとしたわけである。
ちなみにその諸外国って例がどこなのかは不明。
国名は書いていない。
筆者が資料収集した限りでは、「根拠無く6cm未満を地方条例」で定めて国がそれに合わせて6cmにしたと認識している。
2010年代において地方自治体が独自に6cm未満を有害刃物として指定していく流れが生まれたが、6cm未満が有効とすべき根拠となる具体的な何かは明示されていない。
殺傷力とかそういう事に関する学術的見解など微塵も出てきておらず検討対象にはなっていない。
誰かが言いだしっぺになって決めた、よくあるガラパゴスルールである。
元々銃刀法の方の運用法を適切に行うってことにしてたから、当時はそれでよかったのだろうが、諸外国で言われる"殺傷力の高さ"を基準とした長さで6cmは規定されていないのだ。
ちなみに世界的な携帯が許される長さはの標準は3インチ未満であり、答申ではその話も出ているが「法で指定しても条例でやれたら意味ねーから統一すっか」みたいなノリだったと思うね。
公文書館で各種資料集めた限り冗談抜きで。
結局令和おじさんの"ご活躍"などによって運用方針など何の意味もなくなって、ただただ厳しいだけのアウトドアブームを終わらせかねない寒い規制となってしまったというわけだ。
ちなみに確認できる限り、この規制は世界で2番目に厳しい。
1番目に厳しい国はかの有名なヨハネスブルグがある南アフリカであるが、常識的に考えて建前上すぎるだろと言わざるを得ない規定なので実質1番目である。
その件についてはこっちでいう警察庁長官に相当する人間が認めてたりする。
3番目がタイだが、これらについては後述しよう。
でも一応、改正時において何も話し合われなかったわけではないことだけはここに記しておく。
例えば答申では殺傷力はむしろ刃が細い方が上がるなんて話も出ていたりしていて、割といろいろ話し合われたんだけど……
世の刃物の種類が多いんで、オーストラリアなどに倣って適切な行為に合った刃物の携帯ならOKにしようと……
こうしたわけである。(刃厚を薄くしたいのは重さを利用した殺傷力を危惧してとのことだが、一般的に刃渡り8cm未満となるとむしろ逆に厚い方が殺傷力は低くなるなどガバ要素が多いのは、よくあるガラパゴスジャパンルールだからである)
だが現実的にもはやこういった当初の運用方針は形骸化しつつあるので、現段階においては判例を盾に「キャンプ道具一式もって予約もしてんのに軽犯罪法なんて適用しようもんなら国賠もんだよなあ?」ってやった方が楽。
なぜなら軽犯罪法には「濫用の禁止規定」が明確に設けられているからである。
第四条だ。
軽犯罪法 第四条
――この法律の適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない――
銃刀法と異なり、軽犯罪法には明確に濫用の禁止規定があるために、正当な行為が認められうる状況で難癖をつけすぎると逆に相手側が不利になるからこそ、"適切に運用"するにあたっては6cm未満を守ればむしろ強気でいられるということである。
目的外使用を意図していない立場の人間に対してですら強引な真似が出来るのは、銃刀法までだということだ。
ようは世の大半の平成おにーさんは6cm未満の刃物でキャンプしましょうってことである。
筆者も当然にして"2度と"こんなことが起きないように、愛用していたファルクニーベンF1とバークリバーのブラボー1は手放すこととした。
あんだけ別作品にて語っていた、もし万が一何かあった時に命を繋いでくれるかもしれない現時点で究極の、生存戦略に完全特化した性能のサバイバルナイフを手放したのである。
この2つについては別の作品で語ったので今更語ることはしないが、簡単に言うと"出刃包丁のように厚い刃"、"殺傷力を犠牲に道具として特化した"、"今や世界で愛用者が大量にいる究極のサバイバルナイフ"である。
それは間違いなく、自身が扱う道具において妙な拘りのある筆者にとって最高のキャンプナイフであった。
ミリタリー的な攻撃にも使えるサバイバルナイフとは異なり、生存戦略にステータス全振りでキャンプ程度にしか使えない程度のナイフだからこそ好きだったが……
残念ながらこいつは刃渡り8cm以上あるので、今後のキャンプツーリングについてこれない代物であった。
なのでキッパリ諦めて新しい相棒を探すこととしたのである。
……といっても筆者にはキャンプナイフに求める条件というものがあり、正直言って探すのは大変苦労した。
そればかりか最終的に自力では見つけられていない。
笑えない事に灯台下暗し状態だった。
それぐらい条件が厳しいものであったのだ……