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痩せてく体

作者: 小沢琉祢

「最近お腹すかないんだよねー」

「えーちゃんと食べてるのー?あの子みたいにガリガリになっちゃうよお」

そんな会話が前方から聞こえてくる。

「いや、お前らには私みたいに痩せることなんて無理だから。毎日給食もサラダくらいしか食べずに夕食も抜いて腹筋500回やったり3~6時間歩くことできないでしょ?簡単に痩せられるなんて思うなよデブ」

とちゃんと言えたらいいのに言えないでいた。

そもそも本人の前でそんな会話をすると聞こえてしまうとか考えないんだろうか。

デリカシーの欠片もないな。

集会なんて出なければよかったと思った。

私は痩せているから病気じゃなくても病気だと心配されるし、出なくても別にいいのだ。

でも私のプライドが許さないんだ。

保健室に入り浸ってるなんて思われたくない。

弱くないという証明をしたい。

集団行動が苦手だ。

私には友達というのがいないから。

体育座りをしているだけなのにとてもつらい。泣きたくなる。

家族としか話せない自分がとても嫌いだった。

太っている自分も嫌い。

ある日、ふとした瞬間に痩せようと思った。

炭水化物はいらない。

肉もいらない。

甘いものなんてもってのほか。

そんな風にどんどん食べれるものが少なくなっていって、最後にはほんの少しの水と野菜しか摂取しないようになっていた。

夕飯はいつからか食べなくなっていた。

母にもうちょっと早く食事を出してほしいと訴えたのにそうしてくれなかったからそれならいらないと思った。

いつまでこんなこと続けるの?と問われたらきっと死ぬまでと答えるだろう。

いっそのことこのまま死ねたらいいのに。

痩せたまま死ねたら本望だ。

もうデブだったころの私には戻りたくない。

私のことを心配してくれる人なんていない。

だったらいっそのこと極限まで痩せてやると思った。



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