002一生大事にします宣言されました!
夕飯は、キュードルさん特製鳥の燻製焼き。
それと、リュデロさん特製のドリア。
何故か二人共、料理が得意なんです……。
私はさっぱり。でも教えてもらってある程度なら作れるようになりました。でも、この二人が凄すぎるんです!
「頂きます」
「どうぞ。召し上がれ。で、どうだった? 街並みは」
「あ……えーと」
街並みと言われても魔法学園しか見てない。しかも門の前で惚けていたからなぁ。
「ねえ、父さん。リンは、学校に興味があるみたいなんだ。ずっと門の前から離れなかった……」
「え……」
それは、学校に興味があるのではなく、学校に通う人達に興味があるだけなんだけど……って言えないよね。
「そうか。リン。学校に通うか?」
「え!? いえ、そこまでしてもらったら悪いです!」
「何を言っている。未来の家族だろう。それに、店を継ぐなら魔法を覚えた方がいい。リュデロより魔法の素質はあるのだかな」
うん? リュデロさんって魔法使えたの!?
「魔法使えたんだ……」
驚いてリュデロさんを見ると、また顔が真っ赤です。
「うん。後輩になるね……。僕のお嫁さんにも……」
「………」
空耳だろうか? お嫁さんって聞こえた。
お嫁さん!?
未来の家族ってそういう意味!?
「錬金術を使うなら魔法は必須だ。俺には魔法の素質がなかったからなぁ。リュデロにあって助かっている。魔法を使えたとしても学校を卒業しないと資格を得られない。錬金術を扱う錬金術師として認められないのだ」
「私、魔法学園に行っていいの?」
「勿論だ」
「毎日送り迎えするよ」
「いや、するほどの距離じゃないからそれはいいです」
「………」
リュデロさんの申し出をお断ると、ズーンと落ち込んでしまった。
「但し、きちんと卒業する事」
「はい!」
「そして、将来は息子と一緒にここを継ぐこと」
「はい! ……え!?」
うんうんと頷きながら返事を返したけど、一緒にってどうこと?
二人で切り盛りしろって事? それとも結婚してって……事かな?
スッとリュデロさんが立ち上がった。
「ぼ、僕……君を一生大事にします!」
「……あ、ありがとうございます?」
どうやら後半っぽいです。
何となく、リュデロさんが私の事を好いているとは思っていたけど、告白されないだとうと高をくくっていたけど……。
あれ? これって婚約って事?
「学園には悪い虫がいっぱいいるからな。確約しておかなくてはな!」
「僕が追い払う……」
キュードルさんが凄い台詞を言うと、リュデロさんも凄い台詞を言った。
追い払うってどうするんだろう。
ってキュードルさんが結婚させようとしているのは、リュデロさんの為? それとも私が魔法の素質があるから?
うーん。その両方か?
兎に角、卒業はしないとまずいよね!
リュデロさんの事は嫌いじゃないけど、私はお兄さんという感じだったんだけどなぁ。
こう言われると、意識しちゃうかも……。
「リンは、中等部に入ってもらう。ちょうど受付期間だから明日手続きをしてこよう」
「ありがとうございます」
そう言えば私は、今15歳なんだっけ?
実際は、何歳かはわからないけど、リュデロさんよりは下だと思う。
こうして私は、魔法学園に通える事になった!