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彼の人生記  作者: 秋刀魚
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彼の少年期

彼はいわゆる天才だった。小学校に入学してすぐに彼は大学生でも難しい数学の証明をやってのけた。さらに、漢字はほとんどすべて覚えていた。両親は彼の才能に喜び、才能を最大限に活かしてやれる学校へ編入させた。しかし、そこでも秀でた才能を発揮した彼は周りから妬まれいじめられてしまう。彼は自分の才能を押さえ込み、周りに合わせるようになった。そんな彼に更なる不幸が降りかかる。両親が交通事故で他界してしまったのだ。彼は叔母の家に引き取られることになった。そこで彼は叔母に性的虐待をうけた。児童相談所に逃げ込んだことにより、施設で暮らすことになったが、彼は完全に人とコミュニケーションが取れなくなっていた。施設の大人とも話さず、同年代のこどもとも話さない。彼から見れば人は皆、敵だった。特に女性には目も合わせなかった。


彼は施設にいる間、ずっと勉強をしていた。数学、言語、歴史、異国の文化、そして、音楽。とにかく様々なことを一人で学んでいた。彼の脳一度見るだけで膨大な量を記憶できる。それに加えて思考力も長けていた。施設の本では飽き足りず、図書館を渡り歩いた。そのなかで彼はあるものに興味を持った。それは兵器だった。彼は思った、「これで僕を苦しめた奴等を殺せる。」彼は兵器を作るためにアメリカの大学に行った。アメリカに行くと日本にいる頃より人とコミュニケーションが取れるようになっていた。自分の過去を忘れられる気がした。ここにきてやっと人間らしい感情が戻ってきた。しかし、女性に対する恐怖症が取れることはなかった。


日本に帰って来た彼は少し考えが変わっていた。自分のことを受け入れてくれる人間もいることを知ったからだ。兵器を作って人を殺めることは思い止まった。彼は大学院に進み、研究職の道を歩み始めた。


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