金細工の箱と怪しい音色
神様視点です!
こんにちは!久しぶりに投稿してみました。
今回は神様の本音を聞くことが出来ます。
お待たせして申し訳ありません。
ラディア達の会話を聞きながら私は今も待ち続ける。
堕天使アゼルの帰還を、ショコラとラディアの到着を。
嗚呼、なんて深い人生なんだろう。なんと儚い運命だろう。
望んではいけないと知っていたから望まなかった。
望むことはなかった。それは罪であり、全てのものに対する裏切り・・・
望めなかった私自身の救済。
誰も望んではくれなかった。私のことを救えるものなど無かった。
只、無意味な永遠を繰り返すばかりで私は願えなかった。
救いを与えることが出来るのは神である私だけ。
だとすれば私は誰に助けを求めれば良いのか?
従うものは数多く、救いを願う声はそれ以上に多かった。
願われるまま多くの命を救って・・・
それと同じように多くの命を犠牲にして。
全ては生けるものの望むままに、世界の均衡を計った。
それは私のしたいことではなかった。
私の仕事だったからしただけで私の意思は極僅かしか反映されていない。
悲しかった。
私の救いたいものを救えず、多くの命を大地に返した。
無慈悲に・・・無情に・・・私は命を蔑ろにしたのだと今、気付いた。
生きるより死を与える方が良いのではないかと思っていた。
それこそが救いなのではないかと考えるようになったのだ。
その頃だったか・・・天使に命じて作らせた金細工の箱。
ケルビムの手に渡った予言の箱が出来たのは。
それを私は人の手に渡すように伝えた。
いつでも私の声を届ける為に。私を信じるものを救う為に。
しかし、この箱が悪党の手に渡る可能性もある。
予言の箱には、ある魔法が掛けてあった。
悪しきものを苦しめる聖なる魔法だ。
普通の人間に対してもそうだが勿論のこと堕天使にも効く。
美しい音色を聞くことによって魔法は発動する。
また、信仰が低いものに対しても音色が聞こえるようになっている。
これは私の考えではなく天使ケルビムの考えなのだが・・・。
結果的に予言の箱は信仰が高いものにしか扱えない代物となった。
私の声が届くのは極一部の人間だけ。それ以外には伝える術が無い。
特殊な技法で作らせた予言の箱。
光を表す金細工を施し、魔を撃退する銀を使用した。
繊細で優しい作りには私も心が高鳴ったものだ。
それがオルゴールとして成り立つとは勿体無い。
心底、天使ケルビムの提案にはガッカリした。
しかし尤もな言い分である以上は断ることは出来ないだろう?
真面目で仕事熱心なケルビムのことだ。
断れば相当、心に傷を負うだろうし・・・。
昔話は兎も角。
ラディア達は私を信仰していなければ、崇めてもいない。
ありがたい存在だ。そのような人物は私に希望を与えてくれた。
私もまた、人間と同じ立場であると実感することが出来たからだ。
だからこそ私は好きだった。私を殺そうと意気込む人間さえも。
神など居ないと信じてくれた人々のことも。
けれど天使はそれを許さない。
神を絶対的なものだと勘違いしている。
幾ら私が語り聞かせても意見を変えることが無い。
しかも以前にも増して信仰を高めるのである。
頭が痛かった。私は平等に語り合いたかっただけだ。
求めているのは私に賛同する配下ではなく同じ立場で語り合う友。
努力すればする程に自分が愚かだと思えた。
手を差し伸べても掴んではくれない。それが天使なのだろう。
寂しかったといえば、そうなのだろう。
私には友が居なかった。だから人が余計に羨ましく思えた。
ショコラが来た時はとても嬉しくて、初めて時が短く感じたものだ。
命を落とした全てのものに会える訳ではない。
私が会うことが許されるのは生前ある条件を満たしたものだけ。
条件が厳しすぎて会うも何も影さえ見られなかった時もあった。
でも・・・そんな時間もすぐに終わりを告げる。
ラディア達が私を救ってくれるそうだ。
二人目か、私自身の救済を願ってくれた人物は。
目を閉じれば、あの時の情景が浮かび上がる。
望んではいけない筈の自らの救済。
決して拭えぬ、神殺しという大罪。
二つの願いはどちらも世界に対する裏切り行為。
それでも私は夢を見た。もし叶うのならば休みたい。
仕事も孤独も全て捨て去って、定められた時を生きたい。
かの三人がその為に手を貸してくれている。
私も努力しよう。三人に手を貸そう。出来る限り力を尽くそう!
それが私に出来る最大の手助けであり協力の姿勢。
・・・天使を説得しなければ始まらない。
私は天使を説得すべく足を運ぶが、何故か足が重い。
ある意味、怖いからなぁ天使は。心の中で独りでに納得する。
気は進まないどころか会いたくな・・・否そんな筈はない。
私を支えてくれている天使に会いたくないなんて思う筈がない。
重い足を動かしながら色褪せた緑色の扉を開く。
さて・・・どうなることやら。全く以て想像がつかないな。
お疲れ様です!
最近はインフルエンザが流行していますね。
近くの人も次々に倒れているので皆さんも気を付けてください。
怪しい文章がありました。二人目か・・・というところです。
何れ、やっぱり展開の昔話を書きたいと思っています。
よし!この作品が終わったら神様を主役にしてみましょうか。
まだ、想像でしか思い描がけませんが面白そうです。
ここまで、ありがとうございます!寒さにも負けず頑張りましょう!




