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出会いからはじまり

意を決して橋に近づく

先ほどの人影は女性のものだった

女性、と言ってもいわゆるおばちゃん

ややパーマのかかった髪にどってりとした体格

こんな状況下でも僕を見つけると豪快に笑った

「おう君!ここはどこだい?」

「いや、僕も分からないんですけど」

「やっぱりそうなのかい 皆よくわかってないんだね」

おばちゃんがため息をつく

「誰もってことは他に誰か?」

「ええ、ほらあそこに何人か」

おばちゃんが指さしたところに男女合わせて5人

僕とおばちゃんを合わせると男が3人女性が4人

合コンでもできそうだが年齢はばらばら 

そもそも合コンなんてやったことないし

どうせスクールカースト上位者たちがうぇいうぇい言いながらやってんだろ

どっ底辺の僕には縁などない 女の子と話すことさえ緊張するのに

あ、おばちゃんは大丈夫だった だって女の子じゃないし


思考がわき道にそれる癖を何とかしないと…

この前もテスト中にわき道にそれて数学のテストだったのに絵画の謎を深慮し……

ほらまた


そんなことを考えてるとどこからか声がした

その声は僕たちを包み込むようにこう言った

「選ばれし者たちよ 聞こえますか?」

とても優しいおばあちゃんのような声だった

「はい!聞こえるぜ!!」

冗談めかして言ったのはショートカットの女の子だった

僕と同じくらいのボーイッシュな子だった

うわ、苦手なタイプだ

「そうですか よかったです」

おばあちゃんめげないなー

「ここに集まってもらったのはあなたたちに殺し合いをしてもらうためです」

へー なるほどね 殺しあ……!?

優しい声のせいで納得しかけてしまった

殺し合い!?どうしたのおばあちゃん ご乱心ですか!?

「殺し合いってどういうことですか?」

落ち着いた声で尋ねたのは紳士という言葉が似あう男性だった

よく落ち着いてるなこんな状況で さすが大人の男性

紳士の権化って感じ 変態感は一切ないけど

「殺し合いとは互いの生命を奪い合うことです」

いや、意味は分かってるよ おばあちゃん

「この閉ざされた空間から出るには最後の一人にならなくてはいけません

よくあるパターンですよ ほほほほほ それでは健闘を祈ります」

「あの!ですから!」

紳士さんがいら立ったように尋ねても答えは返ってこなかった

紳士もいらいらするんだね やっぱり人間なんだ


能天気にしているとはるか上空からなにかがひらひら舞い落ち僕たちの足元に

それはよく目にする叫んでいるお面だった

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