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できるVRMMO ガチプレイヤーの作り方  作者: れんこん
第一章:はじめてのVRMMO
8/18

第8話 ガチプレイは遠い世界

 じいちゃんとばあちゃんもログアウトしてきたので一緒に昼食をとる。昼食抜きで遊び続けるなんて、じいちゃんは余裕でやりそうだけど、ばあちゃんが許さない。


「どうだ、初めてのMMOはおもしろかったか?」

「思っていたよりおもしろかったかな。スキルの動作補正ってやつがすごかったし、必殺技の自動で動く感じも新鮮だった。あのシステムって、最近スポーツ教育で流行っている訓練プログラム技術の流用だよな?」

「元々は兵士の戦闘訓練を目的に軍用開発されていた技術らしいのう。戦闘があるゲームには相性がいいのだろう」


 どや顔で知ったかするじいちゃん。こういうときのじいちゃんは生き生きしてる。


「スキルとかステータスとか、どれ取っていいか迷ったんだよ。ステータスは適当に平均に割り振って、スキルは剣術と武器鍛冶を取ったかな。人族レベルが2に上がったんだけど、ポイントをどう振っていいか迷ってるんだ」

「……これまたオーソドックスな選択だのう。マサルのやりたいようにすればいいと思うぞ。最適な割り振りがどうとかいうのは、本気で上を目指したくなった時でいい。どんな選択をしようが、マサルが楽しめるならそれが正解だ。それにのう……」

「それに?」

「ネトゲはパッチ一つでバランスが変わる世界だ。考え抜かれた最高の構成で最強になれたとしても、永遠にそれが約束されるものでもない。トップ集団に居続けるのはシビアな世界だからのう。人によっては苦行だろう」


 なんか遠い世界の話しだな。


「へー、そうなんだ。じいちゃんはそういうの目指さないの?」

「目指すに決まっとるだろうが! だから楽しいんじゃないか」

「苦行って言ってたのに、さっきと言ってることが逆じゃね?」

「分かっとらんのう。スポーツでも『本気で結果を求める者』と、『カジュアルにエンジョイしたい者』とでは、目的も意識も楽しさの基準も変わるだろう? ゲームでもそれは同じじゃよ」


 そんなもんか……俺はカジュアルにエンジョイでいいや。


「システムの話しもいいけれど、マサルはプレイヤーさんとの交流はなかったの?」

「まだゲームキャラと一緒に初めてクエストをクリアしたぐらいのところだよ。プレイヤーとの関わりは……野うさぎの取り合いだったな」

「あら、じゃあお楽しみはこれからね。最初のころに出会って仲良くなったプレイヤーは、後々まで大事なフレンドになることもあるから、出会いは大事にしたほうがいいわよ。そうして仲良くなった子を口説いて、最後には結婚したって話しもあるぐらいだし」

「ゴホッゲホッゲホッ…んっ、んんっ」

「あらあら、じいちゃんどうしたの? 急に咳き込んじゃって。はい、お茶飲んで」


 ばあちゃんとの馴れ初めを俺が知ってることを、じいちゃんはまだ知らないっぽいな。ばあちゃん、しばらくこのネタをひっぱるつもりだな……。


「そうだな、彼女できたら二人にも報告するよ」

「まあ! 楽しみね。じいちゃんもそう思うわよね?」

「あー、ゲフン、ところでマサル。クラン作るんじゃが一緒にやらないか?」

「クラン?」

「一緒に遊んだり駄弁ったりする、チームとかサークルみたいなもんだ」

「んーどうしようかな」

「ワシとばあちゃんと、もう一人で作ろうとしてるんだが、クラン作るのにメンバーが四人必要でのう。マサルが入ってくれると助かる」

「そういうことなら入ってみようかな。合わなかったら抜けてもいいよな?」

「それは仕方ないのう。そうなったら残念だが」

「もう一人のメンバーは女の子なのよ。面倒見のいい子だから、初心者のマサルを助けてくると思うわよ。ひょっとしたら運命の出会いになるかもしれないしね」

「そうか、会えるのが楽しみだな」

「ダメだダメだ、そんな不純な気持ちで接しちゃいかん! 相手が嫌がることをしたら許さんぞ」

「そうよね。私としたことがうっかりしてたわ。がっついては嫌われるよね。慎重にいくのよ、マサル」

「そうだねばあちゃん、気をつけるよ」


 じいちゃんがワナワナと震えている。しばらくいじられるだろうな、かわいそうに……まあ、ばあちゃんの煽りに乗ってみた俺も同罪だが。

 そしてじいちゃんは、「メシ食ったしログインしてくる」と言い放って、逃げるように去っていった。


「ばあちゃんもひでえな。じいちゃん、かわいそうだぞ」

「あの人にはあれぐらいがちょうどいいのよ。孫の手前、迂闊なことはできないぞと思ってくれればね。でないとすぐ調子に乗るから心配なのよ」


 ばあちゃんはそう言い残して、じいちゃんの後を追いかけていった。

 俺もログインして続きをするか。

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