第四章【4】
ショウに腕枕をしてもらいながら、ワタシは、様々な話をした。
高校三年生の時、出席日数がやばくって、退学しかけたけど、まじめに補習を受けて卒業したこと……
卒業してすぐに雑誌のモデルオーディションに応募して、2次審査まで残ったけど、面接審査の手前で落ちちゃったこと……
アパレルの仕事のアルバイトをするも、ひとり、意地悪な先輩がいて、一ヶ月で辞めたこと……
次の職場は、ファッションとか、価値観とかが、他の子と著しく違っていたので、息苦しかったこと……
みんな地味で根暗でおとなしすぎで、私だけ、一人浮いちゃってた……
そして、今の仕事も、店長が、シフトや残業のことでネチネチと言ってくるので嫌になったこと……
そんな話を、ショウは、相槌をうったり、苦笑したりしながら、退屈するでもなく、むしろ興味津々って感じで聞いてくれた。
気がついたら、ワタシは、さっきから、愚痴つうか、イケてない話ばかりしていた。
「ごめんなさい。なんか、ワタシ、面白くない話ばかりしてるよね……」
「いや、そんなことないよ。僕は、日本での生活が長くないから、かえって、こういう生々しい話の方が、面白いし、興味深いよ」
そう言って、明るく笑ってくれる。
「でも、これも、ショウが悪いんだよ」
「え?何故そうなるんだい?」
「ヒミツ……」
「え~ひどいなぁ……」
そういって、ショウは、困った表情をして見せた。
ショウといると、無防備になんでも、話せちゃう……
まるでワタシから、嫌な部分を吸い上げて、浄化してくれているみたいだ!
これは、きっと、スピリチュアルで特別な出逢いだ!!
ワタシは、そう確信していた。