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第四章【3】

えっちが終わってから、ワタシ達は、様々な話をした。

ショウは、ワタシと同じく、一人っ子だった。

そして、現在、28歳……年よりも随分、若く見える。


ショウの父親は、商社に勤めていた。

そして、出世街道を登りつめ、現在は、取締り役をしているらしかった。


ショウも、その会社に入社し、秘書として、手伝っているということだった。


「時々は、日本に短期間、帰ってきたりしてたんだけど、小さな頃から、その生活の殆どを海外で過ごしてたんだ。大学も、アメリカだったしね……親父のコネで会社に入ったんだけど、なんか、日本でやっていく自信がなくってさ……そのまま、アメリカの支社に勤めてた」

ショウは、笑いながら言葉を続けた。

「でも、ほんの2ヶ月ほど前に、辞令が出て東京の本社勤めになったんだよ。」


「へぇ~、だから、ショウは、芸能プロダクションにスカウトされなかったんだ!!」


「え?」

ショウは、きょとんとしてワタシを見た。


「ずっと東京に住んでたのなら、絶対に、今頃、超有名な映画俳優か歌手になってるよ!」

こんなイケメン、東京に住んでいたら絶対誰かが目をつけているはずだ!!

ショウは、照れくさそうに苦笑した。


ショウの母親は、ショウが8歳の頃、癌で亡くなったとのことだった。


「早くに母親を亡くしちゃったからさぁ~親父も僕も、料理だけは上手くなってさぁ」

そういって、ショウは、窓の外に見える港の夜景に目をやった。


ハッとした。

そうなんだ……ショウには、お母さんがいないんだ……

それなのに、ワタシ、ショウのお母さんの作った料理は、美味しそうなんていっちゃった……

「ゴメンナサイ……なんか、ワタシ、食事の時に、デリカシーのないこと言ってませんでした?」


「いや、そんなことないよ。全然気にしてないよ~」

ショウは、そういって、笑いながら続けた。


「手料理の話、振ったのは、僕のほうからだから……

それに、母さんは確かに、料理が上手だったよ。

……まだ小さかったけど、凄く鮮明に覚えてるよ。」


ワタシは、そんなショウを力いっぱい抱きしめた。

なんて、愛しいヒトだろう……


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