第九章【5】
突然、ドアが、大きな音を立てた。
2つの黒い塊が、物凄い速さで、ショウめがけて向かってくる。
ショウが振り返るより早くその塊のひとつがぶつかってショウは、床に投げ飛ばされた。
ショウの手から離れたナイフが、弧を描き、壁にあたって、鈍い音を立てた。
もう一つの黒い塊が、ショウからナイフを遠ざけるように、反対方向に蹴っていた。
「ショウ!!」
ワタシは、思わず叫んでいた。
「お前、どういうつもりだぁ!」
ドアの方から、大きな唸り声がした。
三人目の男が、怒りに狂った表情で、部屋に押し入ってくる。
ワタシを管理している嫌な笑い方をするあの男だった。
「あれだけ痛めつけても、まだ、懲りてないのかぁ!」
男は、歩みを止めることなくそういうと、その勢いのまま、部下の男ともつれているショウのお腹を思いっきり蹴りあげた。
「グッ……」
ショウは、苦しそうに呻いた。
「お前、こんなとこで、なにしてんだよ!!」
男は、もう一度、ショウに蹴りを入れる。
「クッ……」
ショウは、再度の蹴りを両腕で、受け止めようとする。
「モニタールームに細工しやがって!!危うく騙されるところだったわ!!」
男は、お腹への攻撃を止めて、今度は、何の躊躇もなく、ショウの顔を踏みつけた。
「うぅ……」
ショウは、くの字に身体を守ろうとしていたが、男は、隙間をついて執拗に蹴り上げる。
「ショウ!!」
知らずに、涙が溢れてくる。
「もう、止めて下さいぃ!!」
ワタシは、怒り狂って容赦なくショウを痛めつけている男に叫んでいた。
しかし、男は、まるで声が届いてないように、ひたすらショウを傷つけている。




