第八章【11】
ワタシは、バカだ。
ホント、大バカだ。
ワタシの折った鶴は、80羽を数えた。
いったいワタシは、今までなにをみて、なにをしていたんだろう。
時が経つにつれ、そんな思いが強くなっていく。
確かに、客の扱いは、上手くなった。
傷を受けることもそれほどなくなったし、ほとんどの客も、満足して帰ってゆく。
行為の最中は、心を閉ざすことも覚え、感じてないのに、感じる振りをするようになった。
嫌で嫌でしかたないことを、望んでしているように見せられるようになった。
でも、いくら心を閉ざしても、ただ、時間の経つことだけを祈っていても、心の隙間から、押し入ってくるものがある。
かたくなに閉ざしているはずの心が、徐々にむしばまれてゆく。
まるで卵の殻に数えられないくらいのヒビが出来、全体に広がってゆくようだ。
愛のないセックスなんて、苦痛以外のなにものでもない。
なのに、ワタシは、今まで、むしろ喜んで、会ったばかりのオトコに…………
その時は、気持ちよくすらあったんだ。
自分から、進んで、掲示板にメッセージを載せていた。
そして、少しばかりのお金ももらえて、なんて楽なんだろうと思ってた。
ワタシは、バカだ。
ホント、大バカだ。
ワタシは、気付いてなかっただけだった。
ジブンの心の小さな亀裂に、気付いてなかっただけだったんだ。
だから、押し寄せてくる快感に、身を委ねることが出来たんだ。
でも……
ショウと出会ってしまったから……
ショウの優しさや、
温かい指の動きや、
息遣いが、
ワタシを変えてしまったんだ。
好きなヒトに抱かれるってことは、こんなにも、
心地よく、
暖かく、
とても、幸せで、
穏やかにいつまでも、満たされるものなんだ。
そんなショウへの思いを抱いたまま、
ワタシは、
けがされ、
汚されつづけている。
やっぱり、
ワタシは、バカだ。
ホント、大バカだ。




