第八章【7】
ワタシは、ふと、薬の包みが、正方形なことに気付いた。
手持ち無沙汰なことも手伝って、鶴を折ってみることにした。
小さな頃、折ったきりなので、きちんと折れるかどうか、自信はなかったが、けっこう、上手く折れた。
ワタシは、その鶴を、ワンさんにプレゼントすることにした。
ワンさんは、いつもどおり、お弁当を届けに来てくれた。
そして、トイレを覗くと、カートリッジを取り出し、片手で器用に取り出して、足早に部屋から出て行こうとする。
「ちょっと待って!」
「ん?」
ワンさんは、怪訝な表情で、ワタシを見る。
「いつも、ありがとう」
そういって、ワタシは、手を差し出す。
手のひらには、鶴が乗っている。
まぁ!という顔で、ワンさんは、ワタシに?っていう身振りをした。
「そう。受け取って。」
「アリガトゴザイマス」
ぎこちない日本語で、ワンさんは、嬉しそうにいってくれた。
それから、1日経つごとに、鶴は、1羽づづ増えていった。
この鶴が、90羽近くになったら、ショウが、ワタシを迎えにきてくれるはずだ。
ワタシは、信じて疑わなかった。
ショウは、絶対に約束を守ってくれる。
ワタシは、強く確信していた。




