第八章【2】
男のいうように、ワンさんは、確かにお化粧が上手かった。
身体の傷も、ボディークリームのようなもので手際よく隠してゆく。
髪の毛も綺麗に整えてくれた。
確かに、手つきからして、美容院とかに長く勤めたことがあったようだった。
食事を持ってきたりしてくれた時よりも、生き生きと嬉しそうだ。
神経質そうな、ちょっと怖い感じの女性だと思っていたが、今は、まるで別人みたいだった。
「これに、着替えな。客の希望だとよ」
そういって、男は、高そうなシルクのロングドレスを持ってきた。
純白で、エレガントなドレスだった。
「着替えますから、ドア閉めて、でてってもらえますか?」
「そういうなよ。見ててやるから、今ここで、着替えろよ?」
、男は、ありえないくらい下品な笑いを口元に浮かべた。
「………」
「そんなに睨むなよ。しゃーねーなぁ。外で待ってるから、早くしろよ……」
ついさっき着たばかりのこの純白の高そうなドレスは、客によって、無残にビリビリに引きちぎられた。
髪の毛も、引っ張られたし、小さなひっかき傷がいくつも、できた。
でも、何人もの男達に、よってたかって、むちゃくちゃにされているよりも遥かにマシだった。
客は、果てる時、野獣のように低くうめき、そして、満足げに部屋を出て行った。




