第七章【3】
「残念だけど……今の僕には、こうなったからには、どうにも出来ない……」
ショウは、ワタシに向き直り寂しそうな顔をして、そういった。
ワタシは、いったい、どうなるんだろう。
得体の知れない恐ろしい何かが心の奥底から、こみ上げてくる。
「ワタシは……どうなっちゃうの?」
ワタシの声は、震えていた。
上手く言葉が紡げない。
ショウは、ワタシに向き直り、意を決したように強い口調で、話し出した。
「今は、どうにもならないけど……でも、あと3ヶ月間、頑張ってくれるかい?」
「え?」
思いがけない言葉だった。
ワタシは、すがるような目で、ショウを見ていた。
「3ヶ月あったら、必ず、僕が、どうにかする。だから、あと、少しだけ、頑張ってほしいんだ」
「ホント?」
「ああ、約束する!ここから、出してあげるから……
自由にしてあげるから、だから……」
「ショウ!!」
ワタシは、ショウが、いい終わらないうちに、抱きついていた。
ここから、出られるんだ!
ショウが、ショウが、助けてくれる!!
ショウも、強くワタシを抱きしめてくれていた。
ショウの胸の鼓動をありありと感じることが出来る。
「あっ!」
ワタシは、思わず、ショウを払いのける。
ショウの身体は、残酷なまでに、温かかった。
ダメだ……
だって、ワタシには、もう、ショウに抱きしめてもらう資格なんてないんだ……
「ワタシ……いっぱい、汚されちゃったから……」
ショウは、下を向いたワタシを、もう一度、ゆっくりと、こんどは、優しく抱きしめた。
そして、子供をあやすような仕草で、ワタシの頭を何度も撫でてくれる。
「汚されてなんていないよ。大丈夫だよ……」
そういって、改めてワタシに向き直り、そして、パジャマのボタンを外してゆく。
ダメだよ。
そんなことしたら、ダメだよ……
ワタシは、頭の中で、なんども、そういっていた。
だって、ワタシは、……ワタシは……
ああ……ボタンが順々に外されてゆく。
ワタシは、不安げに、ショウを見つめていた。
ショウは、どんな顔をするだろう?
ワタシのこの汚れた身体を見て、どんな表情をするんだろうか?
ショウは、すべてのボタンを外し終え、ゆっくりと胸をはだけていく。
ワタシは、思わず、身体を反らせ、ショウの視線から逃れようとしていた。
ショウは、もう一度、ワタシを、優しく抱きしめ……
そして、視線を、ワタシの身体に落とした。
観念したように、ワタシは、下を向いた。
「だから、だから……いったのに……汚れているって、いったのに……」
ワタシの身体には、そこらじゅうに青あざが出来ていた。
歯型がついていた。
爪で引っかいたような傷が、数え切れないくらいあった。
そんな私の身体に、
汚れきったワタシの身体に、
ショウは、優しく、口を這わせた。
「綺麗だよ。とても、綺麗な身体だよ……」
「ショウ!」
ワタシは、ショウを思い切り、抱きしめていた。




