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第七章【2】

「カマキリ……」

ショウは、唐突にその言葉を口にした。


「カマキリ?」

ワタシは、ショウがつぶやいたその言葉を、疑問形で繰り返した。


そして、ショウの部屋のキッチンに飾ってあった美しい花の写真を思い出していた。

花にしか見えなかったけど、ショウは、あの写真にカマキリがいるといっていた……

私があの写真を思い出したのを確認したかのように、ショウは、コクリとうなずき、話し始めた。


「綺麗な花に擬態したカマキリは、花だと思って近づいてきたハチを捕食していた」

ショウは、そういって、遠くを見るように、少し目を細めた。


「実は、そういう写真も、撮ってたんだ。花弁にそっくりな鎌で、ハチを捕らえた瞬間のカマキリをね」

ショウは、そこまでいうと、自嘲気味に笑った。


「僕に、ふさわしいのは、そういう風な写真なのかもしれない」


「………」


「実際、最初は、飾っていたんだよ。その写真をさ………

すぐに組織の連中に替えるように命じられたけどね」

ショウは、小さくため息をついた。


ワタシは、キッチンに飾られていたそのカマキリの写真を想像しようとした。

しかし、花の印象が強すぎて、それが、どうしても、カマキリと結びつかないでいた。

獲物のハチが写っていたら、それがカマキリであると確信出来たのだろうか?


「実際のところ、カマキリのすぐ後ろには、大きなヘビが、牙をむいて口を開けていたんだよ」

ショウは、ワタシを見て寂しそうに笑った。


「捕食者であると思っていたカマキリも、実は、ヘビにとっては、エサでしかなかったっていう……

ホント、馬鹿なカマキリだよね……」


「ショウ……」


「そして、そのヘビは、あまりにも巨大すぎて、その全貌が未だに、まるで掴めない……」

ショウは、苦しそうな顔で天を仰いだ。



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