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第五章【5】
ワタシが部屋に戻った時、ショウは、リビングのプラズマTVをつけて、CSかなにかの動物番組を見ていた。
TVのボリュームが、やけに大きく感じた。
多分、ワタシに気を遣ってくれたのだろう。
ショウは、ワタシに気付くと、TVのボリュームを小さくして、振り向いた。
「大丈夫だった?」
心配そうな顔で、そう尋ねてきた。
「うん」
ワタシは、そういうと、できるだけ笑顔を作ってみせた。
「そっかぁ~
実は、ちょっと、怒られているんじゃないかって心配だったんだ」
ショウは、そういって、優しく笑った。
でも、なんとなく、寂しげな笑い方だった。
もしかしたら、ショウに今のママとの会話を聞かれていたかもだ。
「今からお風呂にお湯張るからさ、ゆっくりと、入ってきなよ」
ショウは、立ち上がって、そういうと、ワタシがしばらくの間こもっていた洗面所の扉の奥に消えて行った。
ショウの声は、やっぱり、どことなく、元気がなかった。




