表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第五章 氷雨の夜に
90/103

疑念

ファングに言われたことをきっかけに、智也は紗由理への疑念を抱きつつ、二条家へ向かった。



タイムリープ前の世界では、2022年の十二月はじめ頃に紗由理は姿を消し、十二月の大晦日近くに帰って来て以来、人前に姿を見せなくなった。


ファングから聞いたことを踏まえて、智也は紗由理に話を聞くことにした。


二条家の邸宅の前に着き、智也がチャイムを鳴らすと少し元気のない様子をした昏が玄関前に現れた。


「ああ、智也......どうかしたの?」


「紗由理さんに話したいことがあるんだ。今いるか?」


昏は少し困った顔をした。

「実は、さっきお姉ちゃんの部屋に行ったんだけど、居なくなっていたんだ」


「居なくなってたって、外出したとかじゃなくて?」


「靴が残ってるし、家から出た音もしなかったの」



怪しんだ智也は調べてみることにした。昏と共に紗由理の部屋へ向かい、扉を開けると、窓は開けっぱなしで、中には誰もいなかった。


部屋の棚には家族写真が飾られており、幼い頃の昏と、その母である二条 はく、そして紗由理の三人が映った家族写真が飾られている。


しかし、写真の二条白の顔の部分だけがピンぼけのように曇っている。


(昏のお母さん、もう顔を覚えてないけど、どんな顔だったっけ)




写真の隣には一冊の魔導書が置かれていた。

その魔導書を手に取り、中をペラペラとめくって読んでみると、それは魔物の図鑑のようだった。



魔物とは生物が魔力により突然変異を起こして発生する存在。

そして、先天的に生まれる人間の魔物である魔人は千年ほど前に全滅し、その眷属である亜人は現在少数ながら残存している。


本をめくって一番初めに開いたページには"グール"と呼ばれる亜人について記述されていた。


グールは腐敗に耐性を持ち、独自の言語体系をもつほどの知能を持つ、二足歩行の人狼に近い姿をした化け物で、動物や人のしかばねを好んで食らうと本には記述されていた。




もう少し部屋をよく調べてみると、そこに空間魔術の一つ、空門ゲートが使用された痕跡があった。


智也はゲートの痕跡を解析し、ゲートが繋がった場所が判明した。


そこはC県墓山町の樹海近くの場所だった。


彼がそれを昏に伝えると、彼女はハッとしたような様子を見せた。

「今朝、そこで白骨遺体が見つかったって言うニュースがやってて、そこからお姉ちゃんの様子がおかしくなった。もしかしたら、それが原因かも......」


智也がスマホを使ってそのニュース記事を調べてみると、幾つかわかったことがあった。


奇妙だったのは、白骨遺体は骨全体に動物の爪だけで無く、石器のような刃物によって傷が付けられていたことだ。




「この墓山町っていう場所、昔、お姉ちゃんがいた孤児院のある場所なの」


「なおさら、何か関係がありそうだな」


智也は紗由理が転移した地点にゲートを繋げ、墓山町へ向かった──


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ