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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第4章 忘却の彼方
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神話の虚無

「この世界の創造に関する神話ですよ」と魔女は言った。


「世界の創造......? ビックバンみたいな話か?」智也は尋ねた。


「......それとは少し違いますね......貴方は、神についてどのくらい知っていますか?」


「神が意思を持った世界ってことは知っている......もしかして」智也はハッとした表情になった。



「どうやら、気付いたようですね。そう、我々の住むこの世界も、"神の一部"です」


◇◇◆◆◇◇


 魔女は神話を語った。



遥か遠い過去、この世界は"虚無"であった。


時間、空間、法則、あらゆることわりが完全に存在しない窮極きゅうきょく


しかし、その虚無は突如としてゆうとなり、原初げんしょ混沌こんとんが誕生した。


原初の混沌はあらゆることわりを内包していたが、それは無秩序で雑然としたものであり、世界はいびつな状態だった。



そんな時、混沌の中に"一つの意思"が芽生えた。

世界意思とでも言うべきそれは、自身を"十四に分け"て世界を秩序的に整え、統治した。


原初の混沌から発生した意思がことわりを秩序的に維持したのだ。



 原初の混沌から発生した十四の意思は【世界創造の神十四柱】と呼ばれ、今でもそれぞれが世界の理の一端を担い、管理している──



◇◇◆◆◇◇


「世界創造の神......なら、今ここにいる僕は何なんだ? 神の一部なのか?」


「確かに貴方もこの世界の一部に過ぎません。ですが、貴方がた生物の持つ"魂"は紛れもなく貴方がた自身の世界。つまるところ、貴方は貴方ということです」と魔女は言った。


「そうか......」智也は僅かに安堵したような表情をした。


「しかしながら、貴方がたの意思、思考、人格......それらは全て誰かに"見られている"かもしれませんがね」魔女は言った。


「......どう言う意味だ?」智也は少しばかり恐怖を感じた。


「......ふふ、さあ? 何の話でしょう」魔女は掻き乱すようなことを言って反応を見ているように感じた。



魔女は言った。

「......いま話した創造の神々、貴方も一柱は心当たりがあるのでは?」



 智也は少し考えてみると、一柱の神が思い至った。


「もしかして、【次元の神】!」智也は言った。


「その通りです。次元の神は世界創造の十四の神の一柱、言ってみれば最高位の神ですよ」と魔女は言った。


(確かに、タイムリープ能力を与える神なんて高位の存在だとは思っていたけど、まさか最高位の神だったとは......)


 

 智慧の魔女は再び歩き出し、智也もそれに続いて動き出す。



「......ああ、そうだ、もう一つ伝えることがありました」と魔女が思い出したように言った。


智也は魔女の言葉が少し気になり始め、黙ってそれを聴いた。


「先ほど話した通り、この世界はからゆうに転じました......無は常に有を侵蝕しています。だからこそ、世界は有限で、終わりがある」と魔女は言った。


「......なら、いつか世界はになるのか?」智也は尋ねた。


魔女はニヤリと笑う。

「............いいえ、"とある神がいる限り"世界が無になることはありません」


「とある神......? なんの神だ?」智也は尋ねた。


「ふふ、それは言えませんね。ただ一つ言えるのは、『世界は犠牲の元で成り立っている』ということです」


魔女は不敵な笑みを浮かべる。彼女が何を考えているのか、智也に理解することは難しかったが、ただ一つ言えるのは、ろくなことではない、と言うことだ。




「おや、着きましたね」そう言って魔女はある部屋の前で立ち止まった。


「何の部屋だ?」


「さあ? 開けて見てからのお楽しみです」


智也はその部屋が気になり、扉を開き、中に入った。その部屋には大量の棺があった。


「それでは、私は去りますね」魔女は背後で言った。


智也は振り返り、魔女に向かって宣言した。

「お前の目的は分からないけど、今の話が何か関係しているのはわかった............もし、お前が世界を滅ぼす原因なんだとしても、今度こそ僕がみんなを救ってみせる」


「ふふふ、期待していますよ。前兆.......いえ、彩島 智也。運命に抗いなさい」魔女はそう言い残すと姿を消した──


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