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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第4章 忘却の彼方
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カマイタチ

前回の後書きで年末ってかいてましたが、大晦日の間違いでした...気をつけます

 ファング・オーガー、彼は魔物の討伐において魔術師で右に出るものはいないと言われるほどの狩猟者であり、なおかつ魔術連の幹部を兼任する人物だ。


 彼は魔法を持たず、亜空間に武器を収納する高等魔術"収納魔術"と身体強化や気配遮断などの基礎戦闘魔術のみで戦う。


顔につけられた傷は風の噂によれば、かつて魔人と戦って出来た傷だとか......


◇◇◆◆◇◇


 熊の魔物に襲われた後、ファングたち一向は森の奥へと入っていった。


「この森には以前人為的に引き起こされた魔物の大量発生の生き残りがいる。俺たちはこれからこの森の調査をする。ここは人里から遠いが、大規模に破壊する魔術は使うなよ」とファングが智也に言った。


「わかりました」


しばらく歩いていると、純也が小声で話しかけて来た。

「智也、さっきのファングさんの戦闘すごかっただろ」


「確かにすごかった。あんなに大きな魔物を一瞬で.......しかも息一つ切れてなかったし」


「すげえよな! 俺もあのレベルになりたい」と純也が嬉々として語った。


「......純也はどうしてファングさんの弟子になったの?」


「......ああ......ここだけの話、俺は数年前から魔物に狙われるようになってな、それでファングさんに守ってもらってるんだ」と純也は言った。


「魔物に狙われる......それって、どういうこと?」智也は蒼白の化け物に狙われていたことが脳裏によぎった。最も、以前襲われて以来遭遇したことは無かったが......


「理由はよくわからないんだけどな、突然黒い魔物に襲われるようになったんだ。そいつは俺が一人になるとどこからともなく現れて殺しにくる。だからこうして弟子として一緒に行動して守ってもらってるんだ」


「まさかそんな理由があったとは.......その魔物は倒せないのか?」と智也は尋ねた。


純也は首を縦に振った。

「ああ、その魔物には攻撃が出来ない......実体が無くてすり抜けるんだ」


 智也はその言葉を聞いて非常に驚いた。


(やっぱり、あの化け物と同じだ......!)


「もしかして、その魔物って蒼白くてミイラみたいなやつか?」と智也は悔い気味に尋ねた。


「いや、違う。青い狼みたいな魔物だ。なんか心当たりでもあるのか!?」と純也は言った。


 智也は純也が自分と同じくタイムリーパーで時間移動をしたため襲われたのかと考えたが、彼を襲ったミイラのような化け物とは似ても似つかない。


智也は肩透かしを喰らい肩を落とした。


「少し前に遭遇した魔物が純也を襲っている魔物と似たような特徴を持っていたからもしかすると同じなのかと思ってさ、まあ違うみたいだけど」と智也は言った。


「そうか......早いとこその魔物を倒したいんだけど、俺が弱いばかりに......」純也は悔しそうな表情をした。


 そんな時、ファングが言った。

「......どうやら、複数の魔物がこちらへ来ているようだな」




 智也と純也は戦闘態勢に入り、ファングは正面を向いて仁王立ちしていた。


しかし、しばらく経っても魔物は現れなかった。

智也の緊張が少しほぐれた一瞬、死角から一匹の小さな魔物が彼の首に向かって跳躍した。


 しかしながら、智也はその奇襲を防御魔術で防いだ。智也は魔物に対して『不可視の衝撃』を放つが、いつの間にか魔物の姿は消えていた。


すると突然、純也の防御魔術が発動した。

「攻撃された! こいつ素早いぞ!」


純也の方を見ると、防御魔術にヒビが入っていた。おそらくかなりの攻撃力を持つ魔物だ。


加えて素早い速度と死角に入らないように立ち回る知性を持っている。


「純也、背中合わせになって死角を無くそう!」と智也は叫び、二人は背中をくっつけて死角を無くし、敵の攻撃に備えた。


智也は『魔力糸』を発動し、純也も魔術を即時発動できるようにしていた。



その時、智也たちの頭上からそいつは攻撃をしてきた。ようやく視界に捉えたそいつはクズリだった。


 手には魔力が渦巻く鎌のような爪を持ち、黒い毛並みは森の中では視認しずらい。


まるでかまいたちのようなその魔物は純也に向かって攻撃をする。


「純也!!」智也は叫んだ。


しかし、それよりも少し早く純也は動いていた。


黒魔槍こくまそう!!」

手のひらから放たれた黒い魔術の槍は魔物の脳天を一撃で貫いた。



 しかし、頭上に注目が集まっていたその瞬間を魔物"たち"は狙っていた。


足元から二匹のカマイタチのような魔物が防御魔術が破れかけている純也に迫った。


「魔力糸」智也は背中合わせになったタイミングで自分たちの周囲に纏わせていた魔力の糸に力を込めた。それにより魔力糸はか細い不可視の糸から硬質な鋭い糸の刃へ変わった。


迫り来る魔物たちは魔力糸に気付けず、一刀両断された。



戦闘を終えた二人にファングが言った。

「......なかなか良い戦闘だった。魔力察知は二人とも上出来だな。智也、お前はまだ近接戦が得意では無いと聞いている。私が後で指導しよう」


「よろしくお願いします!」と智也は言った。


「純也、お前も魔術の発動がかなり早くなったが、もっと早くできるはずだぞ」とファングが言った。


「俺、もっと頑張ります......!」と純也が言った。


「......この森、この短時間で二体も魔物に遭遇したということは、おそらくあと五、六体はいるかもしれないな。気張っていくぞ」ファングは言った。


「はい!」二人は返事をし、森の奥へと足を踏み入れた──


みなさん良いお年を!次回は1/3です!

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