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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第3章 狂気の月と蒼い星
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月の石1

 少し時間は戻り、亜様村近くの森の中で宇佐寺とウィンダーの戦闘が始まった。



 宇佐寺は『流刃・散り桜』を発動させて桜色の魔力を日本刀に纏わせ、更に身体強化魔術を自身に発動した。


「いくぞ、ウィンダー!」宇佐寺はそう叫ぶと共に常人を遥かに超えるスピードで動き出し、ウィンダーに首に向かって刀を振るった。


 ウィンダーは防御魔術を発動しており、その刃はウィンダーに当たる寸前で防がれる......かに見えたが、刀は防御魔術ごとウィンダーの首を切断した。


 ウィンダーの首が宙を舞って地に落ち、ウィンダーの体は大きめの白い砂粒へと変わった。


(......妙だな)宇佐寺は呆気ないこの最期に違和感を感じていた。  


 次の瞬間、宇佐寺の背後から白い結晶の槍が飛んできた。


 宇佐寺は間一髪それを避け、背後を振り返った。そこには先ほど死んだはずのウィンダーがいた。


「君があの時やったみたいに、死んだふりをさせてもらったよ」とウィンダーは言った。


「何で生きてやがる......」宇佐寺は少し冷や汗をかいた。



 ウィンダーは懐から三つの白い石を取り出し、それを空中に投げた。すると、その白い石が輝き出し、やがて三体の獣の姿となった。


その白い石から変身した獣は、巨大な熊と牡鹿、そして鷹だった。三体全てが白い結晶に覆われており、金色の瞳をしている。


「この三体は母さんから貰った。まあ、必要ないかもしれないけれど、使っておこうと思って」とウィンダーは言った。


(これは、少し面倒だな)宇佐寺は内心では不安を感じた。


「三体増えたくらいじゃ、俺は殺せねえぞ!」


 宇佐寺はそう言うと再びウィンダーに向かって走り出した。


その時、牡鹿の怪物が結晶で出来た槍のようなツノを宇佐寺に向けて突進した。


そのものすごい速度に宇佐寺は防御をせざるを得ず、刀でそれを受け止めた。しかしその突進の威力はかなりのものだったため宇佐寺は後方に押し出された。


 すると、背後から巨大な熊の怪物が宇佐寺に襲いかかった。その熊の動きは鹿よりは遅いものの、その攻撃の威力は熊の方が高く、地面が少し抉れるほどだった。


畳み掛けるように今度は鷹の怪物が結晶でできた鋭い羽を飛ばして宇佐寺に攻撃した。宇佐寺は『流盾りゅうじゅん』でそれを防ぎ一歩後ろに下がった。



「思いの外、早くやられそうだね」とウィンダーは言った。


「そう見えるか? まだまだ余裕のよっちゃんだよ!」と宇佐寺は言った。


「......よっちゃんって何?」と困惑したウィンダーが尋ねた。


「......知るか!」



 宇佐寺はまず三体の獣を倒すことにした。


(まずは遠距離攻撃に加えて空中にいる鷹を狙うか)


 しかし、宇佐寺の使う『流刃』は射程距離が短いため空中にいる相手には攻撃出来ない。


そこで、宇佐寺は周囲の風向きを読み跳び上がった。とは言え宇佐寺の跳躍力では鷹のいる場所までは届かない。


 宇佐寺は自身の魔法によってツバメに変身して空中へ飛び上がった。


そして鷹の羽による攻撃を避けながら接近し、射程距離まできたところで変身を解いて人間の姿となった。


逃げようとする鷹を宇佐寺は『魔力糸』を使って引き寄せ、そして『流刃』を纏わせた刀で突き刺した。


 宇佐寺は落下していき、そのまま真下にいる熊の怪物の頭も貫いた。


宇佐寺は一度で二体倒せるように鷹を撃破する位置を調整していたのだ。



 二体を倒したのもつかのま、激昂した牡鹿が宇佐寺に向かって突進した。その速度は車と同じくらいの速度だ。


 宇佐寺は牡鹿の突進に合わせて刀を構え、縦に振るった。牡鹿は綺麗に真っ二つされ、霧散した。



 宇佐寺は少し息を切らしてウィンダーの方を向いた。しかし、そこにウィンダーの姿は無く、ふと横を見ると手が迫り来ていた。


 ウィンダーはいつの間にか宇佐寺の真横まで来ており、宇佐寺の頭に手を伸ばしていたのだ。


この時、宇佐寺はウィンダーが『イクリプス』を行おうとしているとわかった。


防御不能の一撃に対して、宇佐寺の取れる手段は回避しか無い。宇佐寺は急いで右へ跳んだ。


しかし、突如として宇佐寺の退路を塞ぐように結晶の壁が現れた。



「さよなら」ウィンダーは宇佐寺の頭を掴んだ──


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