表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第3章 狂気の月と蒼い星
39/88

怪物たちの夜

 智也たちが亜様村へ向かった後、朝霧はトップデッキに残っていた。


すると月の神が朝霧に話しかけた。

「まだ十分までは時間がある。少し話でもしようじゃないか」


 朝霧はその話に乗ることにした。

「......なら聞きたいことがある。日本に向かっていた魔術連の魔術師たちについて知っているか?」


「知っているよ」と神は答えた。


「......どこにいる?」朝霧は言った。


「なら、合わせてあげるよ」

神がそう言うと、神の周囲から白い光と共に十五人の人間が現れた。


「ここは......俺たち日善市にゲートを繋げてそれから......」と彼らは困惑していた。


 すると、彼らは突然苦しみ始め......体から白い結晶が突き出た。結晶と共に血が流れ、やがて人型の怪物と化した。

満月の日には複製体の中にある月の神の力が暴走して怪物のような姿に変貌を遂げるのだ。


「君の呼んだ魔術師たちはすでに吸収させてもらったよ」と神は笑みを浮かべたまま言った。


「そうか......」朝霧は冷淡に言ったが、その手に握った拳からは強い怒りが見えた。


 魔術師たちが来ることがわかっていたようで、魔術連内部にも複製人間がいたことに朝霧は気づいた。



 そんな朝霧の姿を見ていた神は思わず顔をほころばせた。

「やっぱり人間は同族が痛めつけられると怒るみたいだね。私には理解の出来ない感情だ。面白い」


「理解出来ないのなら、人間の姿になるのをやめろ。お前の真の姿はただの化け物だろう」と朝霧は言った。


「理解出来ないからこそだ。人間の姿となり、同じような体の構造になれば多少は人間の心がわかる......と思っていたのだがな、ほんの少ししかわからない」と神は残念そうに語った。


「当然だ、お前は人間では無いし精神構造もまるで違う」


「......ふふふ、確かに君たちと私の精神は違っている。けれどね"思考の原点"は共通する。神であろうと、人であろうとね」


 朝霧はその言葉の意味が理解出来なかった。

「......何が言いたい?」


「私たちの精神は少なからず共通点があるということさ」と神は語った。


 朝霧はますます意味がわからなくなったが、人智を超えた何かをこの神は知っているのだと理解した。



「おや、ウィンダーがあの老人と戦い始めたみたいだ」と月の神は呟いた。


「わかるんだな」


「ウィンダーも私と同じくイロウ=ルナの"カケラ"繋がっているんだよ」


 朝霧は沈黙していた。


「心配では無いのかな?」と月の神は微笑んで言った。


「心配? してないさ。あの二人なら絶対やってくれる」朝霧は堂々と言った。


「ふふふ、まあウィンダーに勝つのは不可能だと思うけどね......」月の神は邪悪に微笑んだ。


◇◇◆◆◇◇


[亜様村]


 智也は村の住民を助けるために山の木々をかき分けて進んでいた。


突然、智也の目の前に白い結晶で覆われた狼の怪物が現れた。狼は智也に向かってその牙を向けて襲いかかった。


(ここで時間をかけてはいられない......!)


 智也は拳に蒼い魔力を込めてその拳を振るった。化け物は一撃で粉砕され、智也はそのまま進み続け、村の中へと入った。


 しかし、村の周囲はすでに化け物たちに囲まれている。


村の住民も騒がしさに気付いたのか家から出て来てしまった。


 村中が軽いパニックに見舞われた。


 狼と人型の化け物はお構いなしでこちらへ迫って来た。


智也は不可視の衝撃を同時展開した。この二ヶ月で改良されたその魔術は威力が数倍まで上がり、魔力消費も少なくなっている。


「不可視の衝撃!!」


 複数の魔力の塊が化け物に向かって放たれ、化け物達の体を貫いた。


十数体の化け物がその攻撃により倒されたが、まだまだ敵は大勢いる。しかも四方八方から襲ってくるので村人を守るのも困難に近い。


智也は村人たちに向かって「村の中心に集まってください!」と叫んだ。


 智也が化け物から自分たちを守る姿を見ていた村人が他の村人にも声をかけ始め、段々と村人たちが村の中心へと移動していったが、敵の数が多過ぎて智也一人ではどうにも対処が出来ない。


(ダメだ......数が多すぎる! しかも一体一体が硬いから、このままだと僕の魔力量でも......)智也はこの状況に危機感を覚えた。


 そしてジリジリと確実に迫り来る百を超える化け物の群れに対して魔力糸による拘束、そして不可視の衝撃による攻撃もしているが、一向に数が減らない。


 村人たちも体を震わせて密集している。


(キツイ! 多い! 辛い......!)智也は常に魔力を発動し続けているこの現状に疲労を感じて来ていた。


 その時、一体の狼の化け物が智也の攻撃をすり抜けて村人に襲いかかった。


(まずい、間に合わない.....!)




 化け物が村人に襲いかかる寸前、一人の大男が化け物たちを薙ぎ払いながら現れ、そしてその化け物の頭を拳で掴み、握りつぶした。


 智也はその窮地を救ってくれた人物に驚いていると、村人たちの周囲に結界が張られた。


「何が起きているんだ!?」と智也はさらに驚いた。


 すると拳で化け物を握りつぶした人物が言った。

「我々は君たちの増援に来た。ここは我々に任せて君はあの老人を助けに行け!」


 そう叫んだ人物は魔術連のバッジこそつけているものの、本当の所属は『救世団』である。彼は救世団の『Ⅲ』クリーアである。


「ありがとうございます! よろしくお願いします!」智也はこの場を彼らに任せて宇佐寺の元へ向かった。



(あの人たち、魔術連のバッジをつけていたけど、朝霧さんの言っていた増援の人たちか? でも来てくれて良かった。早く宇佐寺さんの元に行かないと!)智也は再び走り出した──

今日はスーパームーンらしいですね。

自分も空見てみましたが、結構明るかったです。今日出す予定は無かったのですが、折角なので出すことにしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ