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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第3章 狂気の月と蒼い星
32/88

散り桜

 鉱石と動物の中間のような二体の生物が若い神主を守るように現れた。


 宇佐寺は何も無いところから一振りの日本刀を取り出し、それを持って構えた。


 智也もまた戦闘態勢を取る。若い神主は二体を盾にして亜様神社の社殿へ入って行った。



 初めに仕掛けたのは二体の獣だった。二体は鋭い牙と爪を使い智也と宇佐寺に襲いかかった。


 宇佐寺は大蛇の攻撃を刀で逸らし防いだ。智也の方は虎の攻撃を防御魔術で防いだ。


智也はお返しと言わんばかりに、虎に向かって『不可視の衝撃』を放った。


しかし、虎は非常に堅牢な白い鉱石で覆われているため、それが効いている様子は無かった。


 そんな中、宇佐寺が言った。

「こいつは硬えな! けどよ、この程度倒せねえんじゃ、まだまだ弱っちいぞ!」


宇佐寺はそう言うと、魔術を発動した。

流刃りゅうじん散り桜(ちりざくら)


 その瞬間、日本刀の鈍色にぶいろの刀身が、桜色の魔力に覆われた。


 宇佐寺は老人とは思えぬほどの素早い身のこなしで桜色に染まったその刀を大蛇に向かって振るった。

その刀の軌跡には桜色の魔力が花びらのように散っている。


 宇佐寺は大蛇の白い鉱石で覆われたウロコの僅かな隙間を縫って刃を斬り込み、そのまま硬いウロコごと大蛇の首を切り落とした。


大蛇は悲鳴をあげる間もなく地に倒れ込み、白い砂のように霧散した。


 僅か一瞬で大蛇を倒した宇佐寺に智也は驚いたが、自分もそれをしなければならない。



智也は虎の至近距離に接近して『不可視の衝撃』を最大出力で放つことを考えた。しかし、これでは最悪、亜様神社を吹き飛ばしてしまうかもしれない。


ならばどうするか......智也は一つの方法を思いついた。


 智也は自身の魔力特性【圧縮】で拳に高密度、高圧の魔力を集めた。圧縮によって本来不可視の魔力が蒼く輝き、拳が蒼い魔力に覆われた。


そして、智也は身体強化の魔術を使い、そのまま虎に向かって駆け出した。その速度は一瞬、残像が見えるほどだ。


 智也は身体強化と拳に溜めた蒼い魔力を虎の腹に向かって打ち込んだ。虎の体を覆う白い鉱石が拳によって砕かれ、そのまま大きな亀裂が体全体を巡り、虎は爆散した。


「よし!」智也は少し息を切らして言った。


「上出来だ。まあ、少し時間がかかったがな」と宇佐寺は言い、そのまま亜様神社へと入っていった。


智也もそれに着いていき、中に入ると若い神主は見当たらなかった。


 いなくなった......かに思えたが、智也はこの亜様神社にある独特な気配を辿っていくと、地下室への扉を見つけた。


そして、智也は宇佐寺と共に地下へと降りた──




 地下に入ると、そこには若い神主がいた。


そして、その後ろには神を祀るように装飾された木製の祭壇のようなものがあり、その上には不気味な"ミイラ"が置かれていた。


 そのミイラは赤子くらいのサイズだったが、それを不気味だと感じたのは、それから感じる強い気配と、様々な生物の体の一部が突起物のようにそのミイラの体にくっついていたからだ。


ミイラの小さな腕には蝙蝠の羽、蛇の尻尾がくっついており、体には様々な生物のの目や口、鼻もある。そしてその額には縦に裂けた空洞があり、そこに赤い宝石がめ込まれていた。


 この悍ましいミイラに僕は一瞬、気を奪われたがすぐに気を持ち直して神主の方を見た。


神主は特に抵抗する様子も無く、ただ立っている。

「ここまで来たんですね。想像よりも早かったです」と神主は言った。


「あなたの目的は一体何ですか!」と智也は尋ねた。


「目的......それはもう達成しました。なので、経緯でも話しますよ」

神主はそう言うと、亜様村で何が起きていたのかを語り始めた──

読んでいただきありがとうございます。

そろそろこの依頼も全容が見えて来そうな予感...

次回は明日の22時です。

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