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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第2章 異常な日々
21/88

魔女と巫女

最後まで読んでいってください

 今週は探偵事務所が休みである。しかし、それよりも大きな問題がある。それは【定期テスト】だ。


だがしかし! 智也には未来の記憶がある。それはつまり、テストに出る問題がわかるということだ!


「いける。これはいけるぞ!」智也は気合いを入れてテストに挑んだ。


それから四日後、金曜である今日、テストが帰ってくる。まずは数学からだ。



「終わった......」

テストの結果は赤点だった......一年半前の記憶なんてほぼ無いようなものだ。


「なんか元気ないけどどうかしたの?」と昏が智也の教室にやって来て言った。


「ああ、テストの点数が悪くてな......そっちはどうだった?」


「私は全部九十点台だったよ」と昏が言った。


「相変わらず、すげえな......」智也はあまりの点数の差に感嘆した。


 昏は記憶力もすごいが、ちゃんと勉強もしているので偉いなと智也は思った。


「智也は......もう少し頑張って、やればできるやつなんだから」


「やる気が出んのですよー」智也は机の突っ伏して言った。


「もう......やる気、元気、パワー! でしょ!」


「そうだな......まあ、次は頑張るよ」智也は言った。


「うん。忙しいとは思うけど、勉強も頑張りなよ」昏はそう言うと自分の教室へ戻って行った──



「智也、テストどうだったよ?」と健吾が話しかけてきた。


「もちろん悪かった」と謎に自信に満ちた表情で智也は言った。


「マジかよ。初テストで......」と健吾は驚いていた。


「まあ、まだあるから大丈夫だよ」と智也は言った。


「ポジティブだな......そういや、このゲーム知ってるか?」と言って健吾はゲームの画面を見せてきた。


「どれどれ......って、よく動画の広告で見るやつじゃねえか!」智也は言った。


「ははは、いくぞ、これをこうして.....」


 などと話しているうちに数人の友達も近くに来て一緒に談笑した。



◇◇◆◆◇◇


放課後、昏と一緒に帰っているとある話題になった。


 それは、どうして智也が魔術を教わり始めたことに昏が気づいたのかと言うことだ。


昏にその話を聞いてみると、どうやら智也のいとこである流楽るらさんにその話を聞いたとのことだった。


(それはおかしくないか......? いとことは言え、お爺ちゃんも魔術については知らない)


 流楽の行動を怪しんだ智也はすぐに黒戸神社へ向かった──



 過去へ戻ってから何度も黒戸神社へは行っていたが、流楽に怪しい感じは無かった。


 とにかく、智也は話を聞いてみることにした。




黒戸神社に着き、智也は流楽さんに話しかけた。

「流楽さん!」


「あ、智也くんどうかしたの?」



 智也は流楽の【眼】をチラリと見た。

瞳孔は開いていなかった──


(魔術師では無いのか......?)と智也は疑問に思った。


「変な話を聞くんですけど、流楽さんは魔術を知っていますか?」と智也は尋ねた。


「魔術......? 漫画とかの話?」と流楽は不思議そうに言った。



「この前、昏に僕が魔術のことを知っているって伝えたんですよね?」と智也は言った。


「......なんのこと?」流楽は困惑したように言った。本当にこころあたりがない様子だ。



 まるでよくわからない。しかし、何か、とても大きな何かの一端を探っているような感じだ。


「......本当に覚えていないですか? 僕の高校の入学式があった四月九日のことです」と智也は言った。


 すると流楽は思い出そうとしているのか考える人のポーズをした。


(考え方独特だな、相変わらず......)


「......そう言えば、その日はなんだか記憶が曖昧あいまいだった気がする。智也くんと昏ちゃんと会った時の記憶だけ無いというか......お爺ちゃんにそ二人が来たって聞いてびっくりしたし......」と流楽は言った。


 記憶が曖昧だっだという発言から部分的に記憶を消されたことも考えたが、わからなかった。

 

(......ダメだ。僕の知識だけじゃわからない......朝霧さんに聞いてみるか)智也は一度境内を出て朝霧に電話をかけることにした。



 しかし電話は繋がらなかった。



◇◇◆◆◇◇


 一方の朝霧は智慧の魔女を探して聞き込み調査をしていた。


 雪野が見かけたと言う駅前の近くで聞き込みをしていると、ある人が見たことがあると答えた。



 聞き込みの情報では、智慧の魔女は黒い長髪に赫い瞳をした女性で、心を読んでいるかのように話す人物だったそうだ。


(智慧の魔女とは一体何なんだ? 何が目的で動いている? いずれにせよ、魔術の隠蔽に対して害を成す人物なのは明らかだが......)と朝霧は考えていた。


「わからない。見つけるのは不可能か?」朝霧はボヤいた。


 その時──


◇◇◆◆◇◇


 智也は流楽に色々と質問してみたが結局核心をつくような回答は得られず、疑問を残しながらも帰宅することにした。


「じゃあ、今日は帰ります」


「うん。気をつけてね。あと、魔術とかはその......話すのは身内だけにした方がいいよ」と流楽は同情するような目で言った。


「僕は厨二病じゃありません!」


「ははは、じゃあ.....」と流楽が言いかけたとき、突然流楽がフラついたため、智也はそれをキャッチした。


「ああ、ごめんね。少しフラついてしまったよ」


「大丈夫ですか?」


「ありがとう、平気だよ」


「それなら、良かったです」


智也が帰ろうとした時、流楽が突然、智也の手を掴んだ。


 何事かと思った智也は振り向いた。




──流楽の瞳が"赫く"染まっていた。


「目の色......どうしたんですか?」

咄嗟に危機感を感じた智也は一歩後ろに下がった。


「ひどいなー、手を握ったくらいで後ろに下がるなんて」と流楽がいつもとは違う口調で言った。


 智也はもう一度流楽の【眼】を見た......今度は瞳孔が開いていた。


「お前、誰だ? 流楽さんじゃ無いだろ!」智也は叫んだ。


「うーん、君とは話をしたはずなんだけどな......私は【智慧の魔女】だよ」


◇◇◆◆◇◇


 同時刻、朝霧の元に一人の女が近づき、その肩に触れた。


朝霧が振り向くとそこには黒い長髪に赫い瞳をした女性がいた。

黒いワンピースを来ており、頭には黒いとんがりぼうを被っている。そして、その女からは強い神の気配を感じた。


朝霧が驚いたのも束の間その女は言った。

「初めまして朝霧 黎。私が【智慧の魔女】です」


朝霧はその言葉に驚いた。

智慧の魔女を拘束しようと思ったが、周りに人がいるため魔術を使えない。


「ふふ、そう驚かないでください。話でもしましょう」魔女は言った。


「話ね......何が目的だ?」朝霧は訊いた。


「目的なんて無いです。ただ、貴方にはシンパシーを感じるのですよ」


魔女の発言の意図が朝霧にはわからなかった。

「どう言う意味だ?」


「知らなくていいことです。今は......」魔女は微笑んだ。


朝霧は魔女を捕まえるため手を掴もうとしたが、実体が無いのか、朝霧の手は魔女の体をすり抜けてしまった。


(触れられない!? 魔術、もしくは魔法か?)


「今の貴方では私に触れることは出来ませんよ」魔女は笑うとその場を歩いて去っていった。


朝霧は追いかけるが、路地裏の辺りで消えてしまった──


◇◇◆◆◇◇


智也は流楽の体を乗っ取っているであろう智慧の魔女に話しかけた。

「智慧の魔女......流楽さんの体をどうする気だ? なぜ昏に魔術のことを伝えた?」


「別にこの体をどうする気もないし、二条 昏に君が魔術を知ったことについて伝えたのはただのアドバイスさ。そのお陰で二条家が魔術師の一族だと知れただろ?」と魔女は言った。


「そうだけど......なら、雪野さんに首飾りを渡したのは何でだ?」と僕は訊いた。


「首飾り? ああ、それは()()()()()()がやったことだから知らないな」と魔女は答えた。


「もう一人......? 一体どう言うことだ?」と智也は言った。


「ふふふ、まあじきにわかるさ......そうだ、もう一つ伝えておくんだった」と魔女は思い出したように言った。


「なんだ?」


「ふふふ、君はちゃんと自分の気持ちを理解した方がいいよ。世界が終わる前に伝えなければ意味が無いのだから」魔女は言った。


智也にはその言葉の意味がよくわからなかった。

「......どう言うことだ?」


しかし、智也がその言葉を言った時にはすでに流楽の目は黒色に戻っており、智慧の魔女がどこかへ言ったとわかった。


「あれ、また記憶が飛んだ!」と流楽は困惑していた。


(智慧の魔女......お前は一体、何が目的なんだ?)智也は心の中でそう呟いた──







読んでいただきありがとうございます。

考察など良ければお聞かせください。

設定解説

●智慧の魔女

初登場は智也が夢の中で聞いた声。

その際はアルファスの短剣について教えてもらった。

以前の魔物による事件にも何らかの関与をしており、その意図は不明。

二人いるようだが、一体なぜなのか?

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