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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第五章 氷雨の夜に
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魂の色

青い狼の姿となった彼は、宇宙のような異空間に飛ばされた。

彼の意識に宿るのは、敵への殺意と、無力な自分への憎悪。


彼は無意識のうちに次元の眷属としての力を使い、紗由理が行った、次元の神の意識の召喚を利用して、別の時間軸へと向かった。


「こんな感じだ。青い狼の情報からすると、全ての黒幕は【智慧の魔女】ってことになりそうだよな?」


「そうだろうね。ただ、私は向こうの智慧の魔女についての情報をほとんど持っていない。だから、申し訳ないが、彼女についての詳しいことは自力で調べてくれ」


黒戸様は智也の話からわかったことを告げた。


まず、青い狼は一番初めに眷属化した智也であるということだ。この世界線では蒼白の眷属がタイムリープ直後に干渉してきたが、青い狼の世界線では現れなかった。


このことから、狼が一番初めに眷属化に陥った智也で、残り二体の『蒼白』『虹』の眷属は青い狼の干渉によって分岐した世界線である可能性が高いということだ。


黒戸様は考察した。

「あの狼は、相手が単身でいる時にだけ姿を現す習性があったようだし、その影響で、智慧の魔女も単身行動がしづらくなって姿を現すようになった可能性は考えられるかもしれない」


「可能性は、あるかもだけど、一人でいないだけなら僕達の前に姿を現す必要も無いはずだ」


そして、この世界線が変わったのは、蒼白の眷属の影響が大きいということ。


黒戸様はつぶやいた。

「蒼白は、一体どこへ消えたんだ......?」


「............もしかすると、僕の中にいるのかもしれない」


智也の発言に興味を持った黒戸様は尋ねた。

「それは、どう言うこと?」


智也は以前のことを話した。

タイムリープしてしばらく経った頃、蒼白の眷属に殺されかけ、意識を失っていた時に、蒼白が智也の体の中に入ろうとしたことがあったと昏から聞いていたからだ。


黒戸様は智也に蒼白の持つ記憶に関する情報は無いか尋ねたが、智也は蒼白の記憶は知らない。


しかし、蒼白の影響は確実にあったと黒戸様は言った。


智也が月の神との戦いで蒼星の雫を放った時、通常ならば月の神の結界を破壊できるほどの威力は出せなかった。それが出来たのは、智也の持つ次元の神の力が強くなったからだ。


それだけでは無い。グリフィン戦で眷属化したのも、力をすぐに使いこなせたのも、それが原因だろう。



「おそらく、蒼白は君の魂と融合したのでは無く、あくまで力を貸している状態だろう。いずれは蒼白の記憶を読み取っておきたいね」


「蒼白の目的がわからないのが、一番不安ではあるな......聞こえてるなら、知っていること教えてくれ」

智也は呟いたが、当然反応はない。


「それと、もう一つ重大なことがある」


黒戸様は語った。

魂には色があり、魔力の色こそがそれを表している。智也の場合は"蒼い光"だ。


しかし、眷属化した者の魂は次第に契約した神と同じ色に成る。次元の神の色は"白と虹色"、紗由理が見た三体の次元の眷属は青、蒼白、虹色の光を纏っていた。


青が一番初めと考えると、蒼白、虹と魂の色が次元の神に近づいている。


「おそらく、君が眷属化したとしても、完全な次元の神の眷属になるだけで、もはや別時間軸に移動することも不可能だろう。だから、今、この時間軸の君が世界を救えなかった場合、完全にこの世界(ものがたり)は終わりだ」


智也は顔を引き締めた。

「......元から、タイムリープは一度きりの力。この時間軸で全てを終わらせるのは覚悟していることだ。絶対に、未来を変える!」


かつて、彼は世界が終わる直前に誓った。

世界の理不尽すら乗り越えて、未来を変えてみせると。その誓いに、偽りは無い。


「それじゃあ、未来改変の計画を立てようか」



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