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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第五章 氷雨の夜に
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時間移動者

 智也と黒戸様は神社の一室に入った。

黒戸様は人避けの魔術を部屋に施してから話し始めた。

「じゃあ、何から話そうか?」


「まずは、帰り方を教えてくれ」


現代に帰るための方法は智也達を再び時空流によって未来の方向へ押し流すと言うものだった。


基本的に時空流は未来の方向にしか進まない。過去の方向へ流れると、時間を逆行することになり未来の方向よりも莫大な力が必要となる。


智也達が今の時代に来れたのは空間の穴が開いた場所が時空流集中点で、智也が次元の神の契約者で、過去に逆行したことがあり、かつ縁の強い黒戸様がこの時代にいたからだ。


つまりは幸運が重なった結果だ。


帰る場合は時空流の流れ通りに進むので、時空流に耐えるために防御魔術をかけて、向こう側にあるえんの深い存在の元まで送ればいい。


「縁の深さは何で決まるんだ?」


「縁とは、因果の繋がり。長く、大きく君の人生に関わったモノほど、縁は強くなる。家族や親友が一番強いかな?」


「私が時空間のゲートを開き、君たちを現代の縁の強い存在を目印に送る。それで君たちは帰れるよ」


「それなら、紗由理さんが連れ去られる前に戻ることは出来ないのか?」


「それは無理だね。どう足掻いても、君たちが空間の穴に吸い込まれた後の時間にしか戻れない」


智也は俯いた。

「まあ、戻れるだけありがたい......二つ目の質問なんだが、あんたはタイムトラベラーなのか?」


「そうだよ。ただ、君のような過去に記憶を飛ばす【タイムリープ】では無く、体ごと時間を移動する【タイムスリップ】の魔法が使える」


「あんたの力で、過去を変えることは出来ないのか?」


「出来ない。私の力はあくまで"観測"のみに使える。たとえ私が過去に干渉しても、結末は変えられない。必ず修正されてしまう」


「でも実際、あんたがこの時代にいたという歴史が現代に残っているだろ?」


「............それは、この世界の歴史に元からあった事象だからだよ。私が干渉して改変したのでは無く、元から未来人はいたんだ。私で無くともね。だから、世界から修正力を受けない君以外に未来改変はできないんだ」


「なら、爺ちゃんを助けたのはどうやったんだ?」


「あれは、君の中にある次元の神の力を使ったから出来たんだよ。あと、未来改変の力を持つのは君だけでは無い。おそらく向こうの智慧の魔女もその力がある」


これはゲームで例えるとするならば、すべての攻略情報を知っている者と、プレイしながら情報を手に入れていく者がそれぞれ別のエンディングを目指しているようなものだ。


当然、有利なのは攻略情報を知る智慧の魔女。しかし、勝ち目はゼロでない。


黒戸様は微笑んだ。

「さっきの青い狼、君はその正体がわかっただろう?」


「......あれは、別の時間軸の僕自身だった......」


「............私は別の時間軸のことはわからないけど、あの存在イレギュラーに関する予想は当たっていたようだ......ところで、君のタイムリープの代償はなに?」


次元の神との契約は一年半前に記憶を飛ばしてタイムリープすること。

その代償は【眷属化】だ。


「......おそらく、別の時間軸で、君は失敗した。そして代償を払って次元の眷属になった。しかし、しぶとい君は、眷属化状態で【タイムスリップ】を行った。未来改変能力を失い、タイムリープした自分自身に干渉して未来改変を試みたんだ。合っているかな?」


「合っている」



狼の怪物は、未来改変能力を失い、眷属化の影響でまともな思考もでき無くなった。

それゆえに、憎悪に感情を支配され、敵となる存在を排除するだけの化け物に成り果てたのだ。




「紗由理さんの見た、三体の次元の眷属『青、蒼白、虹』の光、それが全て、僕自身だとしたら、僕は三回、世界を救えなかったのか?」


二度目の世界、タイムリープを行って順調にことは進んでいた。しかし、それは別の時間軸の敗北が手助けしてくれたからなのだとわかった智也は、未来改変へ不安を抱いた。


「まあ、無理もない。全知の魔女に勝つ方が難しい」


智也は黒戸様に深々と頭を下げた。

「......楓、僕一人では未来は変えられない。力を、貸してください......」


楓は目を丸くして微笑んだ。

「......まったく、最初から私は協力すると言っているだろ......あと、タメ口で構わない。今更変えられると違和感がある」


「......ありがとう」


「とりあえず、君の知っている青い狼の時間軸の話をしてくれ。何か手掛かりになるだろう」


「わかった」


智也は青い狼の時間軸について話し始めた── 


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