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世話係のヨハンナ  作者: 柏木椎菜
4/16

四話

「おはよう、ヨハンナ」

「……おはよう」

 台所に立つお父さんが私に気付いて声をかけてきた。昼間の通りでお父さんの姿を見かけてから数日経ってるけど、私は一緒にいた女性は誰だったのかを未だに聞けてない。自分の中では部下に違いないと答えを出してるのに、いざ聞こうとすると怖さが勝ってどうしても聞けずにいた。あの時の、笑顔を交わす二人の和やかな雰囲気……本当に部下なのか疑ってる自分がいた。それを聞いたところで、お父さんはごまかしたり嘘をつくかもしれない。だってお父さんにはお母さんがいるんだから。これを知ったら、お母さんはどうなるか……いや、容易に想像できるからこそ想像したくない。お母さんは一度怒り出すと治まるまで長い。それを証明するように、今日もお母さんは起きて来てない。だから今、朝食をお父さんが作ってるわけなんだけど。

「さあ、食べて」

 作ったばかりの朝食をお父さんが運んで来る。盛り付けは雑だけど、味のほうは私と変わらないものを作ってくれる。

「いただきます」

 二人揃っていつものスクランブルエッグを食べ始めると、お父さんがおもむろに話しかけてきた。

「世話係は、どうだ。慣れてきたか?」

「うん……順調だよ」

「そうか。それならよかった。だが相手は罪人だ。何か問題が起きたらすぐに言うんだぞ」

「うん。わかってる……」

 昨日まで問題らしい問題は何一つ起きてない。ビクトールは罪人だけど、世話係の私に対してとても紳士的に接してくれる。会えば挨拶をしてくれるし、掃除を見かければ労いの言葉をかけてくれる。やっぱり貴族だから、こんなところに来ても礼儀は抜けないんだろう。

 私は食べながら、食卓の隅にポツンと置かれた料理を見やり、お父さんに聞いた。

「ねえお父さん、お母さんとは話せた?」

「少しだがな……顔を見ると、不機嫌になって行ってしまうから、長くは話せないが」

 私が洗濯をしなかったことが原因で、お母さんはそれからずっと私達を避けるように過ごしてた。唯一の役目である料理作りも放棄して、一日中部屋にこもってる時もあれば、どこかへ出かけて夜中に帰って来ることもある。

「機嫌、直してくれそう?」

「どうだろうな。しらふの時じゃないと、まともに聞いてもくれないからな」

「お母さん、お酒の量増えてるの?」

「だと思う……身体のためにも控えてほしいんだがな……この状況じゃ止めるに止められない」

 本当に、お母さんのへその曲げ具合には困り果てる。

「まだ放っておくしかなさそうだね……」

「ああ。……負担をかけてすまないな」

「大丈夫だから。料理は慣れてるし。今日も私が作ってもよかったのに」

「お前に甘え過ぎることはできない。私は日曜の休みぐらいしかできないんだからな」

「じゃあ、今日は料理を全部作ってくれる?」

「任せろ……と言いたいところなんだが、午後から仕事の約束があってな」

「休みなのに仕事するの?」

「相手の都合で今日じゃないと無理だと言われて……悪いんだが……」

 私は努めて明るく言った。

「仕事相手の都合じゃ仕方ないよ。断ったら仕事が一つ減っちゃうかもしれないんだし。料理は私に任せて」

「ありがとうヨハンナ。やっぱりお前は頼れる娘だ」

 背中をポンと叩かれて、私は笑顔を作る。午後の約束って、本当に仕事相手なの? ――聞くことのない疑問を私はモヤモヤの溜まる胸の奥へ押し込んだ。

 朝食を終え、洗濯、掃除も済ませて私は家を出る。世話係に休みはない。島民の大半はゆっくり休日を過ごすけど、私は今日も真っ青な空の下、罪人の家に通う。

 日曜ということで、いつもより人気がまばらな道を歩きながら、どうしても考えてしまうのはお父さんと一緒にいた女性の正体……たった一度みかけただけで、疑うのは早過ぎるとも思うけど、休みの今日、お父さんは仕事で誰かと会うらしい。今まで休日出勤がまったくなかったわけじゃないけど、脳裏にちらつく女性の姿が私を余計に疑い深くさせてくる。娘としてはお父さんを信じたいし、信じてあげないと。でも、もし女性が部下じゃなかったら……そういう、よからぬ関係の人だったら、私、どうしたらいいんだろう。お父さんのために頑張ってるのに、裏切られるようなことになったら――

「あら? ひょっとしてヨハンナじゃない?」

 うつむいて歩いてた私は、不意に名前を呼ばれて視線を上げる。その正面に立つ姿が目に入るや否や、私の全身の感覚が強い警戒に強張った。

「久しぶりに会うのに、何? その目。全然嬉しそうじゃなさそう」

 身体の中に鉄板でも埋め込まれたかのように動けない私は、薄ら笑いを浮かべる相手を見つめることしかできなかった。長く波打つ赤い髪、狐を思わせる少し目尻のつり上がった黄色い目、ほっそりした身体を包む本土から取り寄せただろう高そうなワンピース……二年前と何も変わってない彼女はアンジェリカ・ハラー。私の同級生で、ずっと会わないよう避けてきた相手だ。

「ずっと島にいたんでしょ? もしかして私のこと、避けてる?」

 片眉と口角を上げて、いかにもわざとらしい笑みを見せて聞いてくる。

「そ、そんなわけ……私、仕事してたから、そういう時間が、なかっただけだよ……」

 私は無理に笑って答えた。アンジェリカとの出会いは小さい頃……この島に一つだけある学校に通い始めた時だ。その頃はまだお互いを意識することもなく、大勢いる同級生の一人でしかなかった。友達と言えるほど距離は近くなかったけど、挨拶程度はしてたと思う。でも十代に入り、思春期を迎えると、アンジェリカの様子は変わった。

 彼女の父親は貿易商で、一代で富を築いたお金持ちだから、日頃から高そうな服や髪飾りを付けてはいたんだけど、それをうらやましがる同級生達に自慢し始めたのだ。時には、これいらないからと、友達に髪飾りをあげたりもしてた。そんな方法で自分の取り巻きを作ると、アンジェリカは教室で我が物顔にふるまうようになった。態度も横柄になり、言葉も傲慢なものが増えた。そんなだから彼女を無視したり近付かない同級生もいて、そういう者達が気に入らなかったのか、アンジェリカは取り巻きと一緒にちょっかいを出したり、聞こえるように容姿をからかったり、席の椅子を隠したりとやりたい放題だった。もちろんこれを教師に言い付けた同級生もいたけど、アンジェリカは態度は悪くても勉強はできる娘で、成績優秀な彼女に教師は一言二言いうだけで、それ以上注意することはなかった。今思えば、教師は成績の他にも、彼女の親のことが頭によぎったのかもしれない。お金持ちを怒らせると後が怖いと。だから彼女を強く叱れなかったんだと思う。

 ほとんどお咎めがないことで、アンジェリカのいじめは続いた――そう。はっきり言ってこれはいじめだった。自分に同調せず従わない者へ徹底的に攻撃する意思はぶれなかった。そしてその標的はついに私に向けられた。

 私も彼女に近付かない同級生の一人だった。派手な格好と振る舞いがどうも苦手だった。だから遠巻きに眺めるだけだったんだけど、ある年、私はお母さんを亡くした。皆が同情してくれる中にアンジェリカもいた。悲しみに負けずに頑張ってねと気遣ってくれて、その時は意外に優しい娘なのかもと思ったけど、それはただ寄り添うふりをしてただけだった。

 それから一ヶ月が経つと、私を心配するふりで、可哀想とか苦労するでしょとか、父子家庭になったことをやけに強調するように声をかけてきた。私はそれがうるさくてたまらなかった。本当に気遣っての言葉ならいいけど、アンジェリカの言動には明らかに見下す色があった。本心からじゃない。不幸な娘に優しくする自分を見てもらいたいだけ――そう察した私は思い切って彼女にもうやめてと言った。これをアンジェリカは反抗だと思ったんだろう。翌日から私は悪口を言われ、椅子を隠され、戸惑う様子をけたけた笑われる標的にされた。

 教師は見て見ぬふりをして、同級生達は巻き込まれたくないと離れて行った。孤立無援の私はただじっと耐えるしかなく、卒業する十五歳までそれは続いた。でも学校から離れても、彼女とは同じ島に住んでるわけで、こんな小さな島の中じゃいつ鉢合わせしてもおかしくない。だから私は大通りや人の多い道を歩くときは、常に彼女がいないか気にしながら歩くようにしてた。道もできるだけ目立たない、端だったり裏道を使って注意してたのに……とうとう、鉢合わせてしまった。彼女の意地悪な笑みを見ると、恐怖、怒り、苦痛、孤独感……当時の感情が一度に押し寄せてくるようだった。

「何か、ちょっと痩せた?」

「え? そ、そうかな。まあ、いろいろと、忙しいから……」

「ヨハンナの会社、グレーベル海運? 景気悪いみたいね。大丈夫かって周りが心配してたわ。何せ島にある会社の稼ぎ頭だからね。従業員が解雇されるんじゃないかって――」

「私はそういうの、わからないわ。全部、お父さんがやってるから……」

「ふーん、そうなの。もしかして、食べるのにも困るぐらいお金がないとか? だから痩せて――」

「別に今は何も、困ってないから……私、用があって……それじゃあ……」

 アンジェリカの弱みを探すような目付きと口調に耐えられなくなった私は、話を切り上げて立ち去ろうとした。

「そう言えば聞いたわよ。この間送られて来た罪人の世話、ヨハンナがやってるんでしょ?」

 ハッとして思わず足が止まる。狭い島だ。些細なことでも話はあっという間に広がることはわかってたけど、できれば彼女にだけは最後まで知られたくなかった。

 アンジェリカはわざわざ私の前に立つと、狐のような目を細めて言う。

「それ聞いた時、あなたにぴったりな仕事だと思ったわ。いつも独りで過ごしてたヨハンナなら、同じように孤独な罪人と気が合うんじゃないかって。あ、でも意気投合して悪いことしたら駄目よ? あなたが捕まって処刑されたら、私寂しいもの。ふふっ」

 言葉とは逆に、アンジェリカは楽しげな笑い声を漏らす。思ってもないことを、よくここまですらすらと言えるものだ……。

「とにかく、世話係、頑張ってね。陰ながら応援してるわ」

「うん……じゃあ……」

 話が終わって早く離れようと歩き出した瞬間だった。足首に何かがぶつかり、私は避け切れずにつんのめって勢いよく地面に転んでしまった。どうにか顔をぶつけずに済んだけど、付いた両手と両膝がじんと痛んだ。

「やだ! いきなり転んでどうしたの? 大丈夫だった?」

 見上げるとアンジェリカの愉快そうな笑顔が見下ろしてた。私にかけた足を避けられなかったのもそうだけど、学校を卒業してからも彼女にいじめられるなんて――行き場のない怒りと悔しさを押し殺しながら私は立ち上がる。

「スカート、汚れちゃったわね。でも罪人の世話係だし、このぐらい汚れてるほうが似合ってるかも。もう転ばないように気を付けてね。じゃあまたね」

 あざける笑みを残してアンジェリカは去って行った。その姿が道の奥へ消えて、私は安堵して改めてスカートを見下ろす。強く膝を付いた部分に地面の土が色濃く付いてしまってる。手で払ってみてもインクのようにこびり付いた汚れは取れない。これは洗わないと駄目そう……。

 顔を上げて道の先を見やる。食材の買い物もあるのに、一度家へ戻って着替えたら朝食を出す時間がきっと遅れてしまうだろう。だけどこんな目立つ汚れを付けたままでいるのも恥ずかしいし、気分も悪い。どうしよう……。

 しばらく迷った挙句、私は商店通りへ向かうことにした。私の都合でビクトールを待たせることはできない。怪我をして動けないならまだしも、ただスカートが汚れただけなんだ。世話ができるなら行かないと。それにこんな汚れ、他人はそれほど気にしないだろう。恥ずかしくなんて、ない。

 食材を買い込んで罪人の家へ向かい、今日の門番に挨拶してから中へ入る。

「おはようございます」

 声をかけるけど、ビクトールの姿は見えない。二階にでもいるのかもしれない。私は構わず台所へ行き、早速朝食作りを始めた。

「……お、いい匂いだ」

 食卓に料理の皿を並べてると、ふらりとビクトールがやって来た。

「出来上がったばかりですから、食べてください」

「ありがとうヨハンナ。君はいつも予定通りに仕事をしてくれるから、こちらとしても助かるよ」

「ど、どういたしまして……」

 やっぱり着替えに戻らなくてよかったみたい。

 ビクトールが椅子に座ろうとした時、その視線が私のほうへ向いて止まった。

「……そのスカート、汚れが付いているようだが」

 指摘されて私は少し驚いてしまった。

「えっと、これは……ここへ来る時に、転んでしまって……」

「転んだ? 怪我はなかったのか?」

「それは大丈夫です。どこも、無事です……」

 買い物先の店主や門番にも言われなかったのに、まさかビクトールが気付くなんて。世話係の私のことなんか大して気にも留めてないと思ってた……。

「それならいいが……朝食も作ってくれたし、着替えに帰ったらどうだ?」

 その提案に私はさらに驚いた。

「な、何でですか……?」

「何でって、汚れた服じゃ見た目も悪いし、清潔さにも欠ける。女性はそういうことを嫌うものだと思ったんだが……」

 確かにすぐにでも着替えたい気持ちはあるけど――

「私は、平気です。前掛けをすれば隠れちゃいますし、帰る時間がもったいないですから」

「遠慮しているなら必要ない。それに、一日中君が世話係でいることもない。それは仕事がある時だけだ。することがなければ、休むなり散歩をするなり、自分のために時間を使ったっていい」

「そういうわけには……私は、あなたの毎日の世話を任されてるんです」

「毎日だからこそ、自分の時間も持ってほしい。でないと、この先が持たないだろ。私には持て余すほどの退屈な時間があるんだ。それに君は付き合わなければならないのだから」

 奇跡でも起きない限り、彼はここで、この家の中で一生を終えることになる。その世話係として私も側にいないといけない。できるだけ、毎日――そんな仕事をする私を、ビクトールは気遣ってくれてるんだ。根を詰め過ぎるなと。だからもう少し気楽に、自分の時間を持ったっていいと……。

「……どうした?」

 顔をのぞき込まれて、私は慌てて笑みを作った。

「い、いえ……最近、いろいろあって……何か、こういう言葉を言ってもらうのが、嬉しく感じて……」

「私は喜ばせることを言ったつもりはないが……まあ、そう受け取ったのならそれでも構わない」

 微笑んだビクトールは椅子に座ると、両手を組んで私を見る。

「……ところで、君が疲れた顔をしている本当の理由は、掃除ではなく、その〝いろいろあって〟に含まれたことじゃないのか?」

 疲れた顔と言われて、私は思わず自分の顔に手を這わす。

「何か問題が起きているなら話してみてくれ。助言ぐらいはできるかもしれない」

「でも……」

 お母さん、お父さん、それにさっきのアンジェリカ……そんな話、人に話せるわけない。

「無理にとは言わないが、話せば気が楽になることもある」

 気が、楽に……独りで抱えてても、何も解決しないなら、いっそ話してみてもいいのかな……。

「その気になったらいつでも私に話して――」

「お母さんが、口を利いてくれなくて……」

 何となく言ってしまって、私はビクトールの顔をうかがった。丸くなった水色の目がじっと見てて、思わず顔を伏せた。やっぱり、言わないほうがよかったかも……。

「あ、今のは、わ、忘れてください……」

「喧嘩でもしているのか?」

 声が聞こえなかったかのように質問されて、それを無視するわけにもいかず、私は答えた。

「……喧嘩というか……私が、悪いんです。お母さんに言われたことを、やっておかなかったから……」

「それなら、反省の心を見せて、仲直りをしたほうがいい。大事な家族といつまでも仲違いなど、後で後悔するぞ」

 お母さんは継母で、面倒なことは私に押し付ける人で、今はお酒をあおるようになって、自分勝手に過ごしてて――それを教えても、彼は後悔という言葉を使うだろうか。

「その汚れはちょうどいい機会だ。着替えに帰ったついでに、仲直りをしてくるといい」

「いえ、そんなことのために、帰るなんて……」

「そんなこと? 君は仲直りはしたくないのか?」

「え、あ、そういう意味じゃ、なくて……」

「遠慮なら必要ないと言っている。私に構わず帰るんだ」

「だけど……」

「いいから。さあ、行って」

 笑顔で促すビクトールに逆らえきれず、私は一言お礼を言い、昼に戻ると伝えてから家を出た。

 顔も見せてくれないお母さんと仲直りするどころか、会話をするのも難しいのに、こうして帰っても多分、いや到底元の状況に戻ることはないだろう。でも他人のビクトールに気遣われ、心配されたことは少しだけ嬉しかった。これだけでも話してみた甲斐はあったのかもしれない。

 玄関扉を開けて、中の様子をそっとうかがう。のぞいた居間に人影はなく、静まり返ってた。他の部屋を確認しても、午後から仕事と言ってたお父さんの姿はすでになく、お母さんの部屋の扉も開けっ放しになってて、同じく姿はなかった。今日は閉じこもらずに出かけたみたいだ。じゃあ仲直りはできないな――とりあえず私はスカートを着替え、汚れを洗濯し、庭で揺れる他の洗濯物と一緒に干した。それから朝はできなかった台所の掃除、酒瓶が転がるお母さんの散らかった部屋の掃除を済ませて、少し早めの昼食を作る。朝の残った材料でサンドウィッチを作って頬張った。具が少なくて味気ないけど、仕方ない。残り物だし。

 そう言えば、世話係をする前の日曜はどんなふうに過ごしてたっけ……そうだ。お父さんに貰った本を読んでた。恋愛や人間模様の面白い物語だけど、最近は忙しさと疲れで、寝る前に少し読み進めるだけですぐに寝ちゃうことがほとんどだ。気持ちはすごく読みたいけど、眠気にはあらがえない。あの本、いつ読み終えるかな。前みたいにゆっくり読める時間を持てる日は来るのかな――もぐもぐ食べながら、私はぼんやりとそんなことを考えてた。

 この後、罪人の家へ戻った私は、仲直りの様子を聞いてきたビクトールに、上手くいったと嘘の報告をした。たとえお母さんがいて話せたとしても、あの人の機嫌が瞬時に直るとは思えない。それまで心配されるのも悪いから、こう言うしかないと思った。申し訳ないけど、これでいい。だって彼は無関係なんだから。

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