21話 スタミナもりもり焼肉味
「あぁ疲れた……これだけ働いたら、そこそこ金貯まったろ」
「もー、そんなんで疲れてたらこの先どうなっちゃうの。ほらアツトくんも荷物まとめるの手伝って」
アツトは2日間のバイトでかなり疲れが溜まっていた。元々いた世界でもアルバイトは一応していたが、何よりバイト禁止の学校にいたので、近くに住む同級生からバレてチクられないためにその頻度は少なく、2日間のロングと言えどここまでみっちり働いたことはあまり無かったのだ。しかもその仕事も慣れない配達、疲れてしまうのも無理はない。
一方、ルワはそこまで疲れを感じていないようだ。華奢な体付きではあるが、一切その疲れを見せず旅立ちに向けて準備を勧めている。だがそれもそのはずだ。なぜなら……
「だって2人とも羽あんじゃん! オレずっと走ってたんだよ、ただでさえ体力ないのに!」
「ならエアプレーンスーツ使えばよかったじゃん、羽がない種族でも飛べる時代なんだよ」
「あっちの世界じゃそんなの無いんだよ……」
アツトはフローリングに寝そべってうとうとしている。体力ももともと無いので、森や洞窟に行った疲れも溜まっているのかもうトイレに行くことすら体がだるく感じる。それを見かねたルワはポーチから葉っぱを取り出し、それをアツトに差し出した。
「ほら、ホシニグサ食べてください。今度はちゃんとした美味しいゆつですので」
「あぁ、アレね、アレ。いただきます……」
アツトは少しためらいながらもその葉を食べた。一口、恐る恐るかじったその瞬間だった。
「うおっ、何だこれぇええええええ!」
「ええっ、どうしたのアツトくん!?」
アツトは飛び上がった。そして全身から力がみなぎり、ウオオオオオと雄たけびを上げた。
「おおっ、元気が出たようですね! それでどんな味、でしたか?」
「レモン塩だこれ! タン塩食べてるみたいで美味しかった!」
「おお、結構な当たりを引いたんですね! それ、ホルモン味と同じくらい人気で力が出るんですよ!」
「おお、ビーチサンダルじゃなくてよかったぁ!」
「フフフ、良かったねアツトくん!」
いつの間にかアツトも元気が出てルクス、ルワと話しながら準備に取り掛かっていた。さらなる仲間を求めて、まずは城下町まで出向くためだ。
とは言え城下町はただの通過地点、そこからパーカー山に向かって“力持ちの仲間”を探す必要がある。
バランスタイプのルクス、ヒーラーとテクニックタイプのルワ。そこにパワータイプが加わればかなりバランスが良くなる。まだ見ぬ仲間を求めて、アツト達は第一歩を踏み出した。




