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20話 旅は計画立ててる時が一番楽しい

「それじゃあ、アイツもいなくなったことだし! 次の作戦を説明するわよ!」


 ルクスは棚から地図帳を取り出すとおもむろにテーブルの上で開き、ペンの先で突っつきながら説明を始める。


「次は隣の城下町! ここはかなり栄えている街で住人も多い、だからいい感じの人を3日後に探しに行くわよ!」


「えっ、それって行き当たりばったりってことじゃ――」


「仕方ないじゃないの! 私だってめちゃくちゃ顔が広いってワケじゃないんだし!」


「えぇ、そんなぁ……」


 ルクスとアツトが次の仲間スカウト作戦を練っていると、ようやくルワが復活し、四つん這いで何とか2人の近くに寄ってきた。


「痛てて……あのぉ、もしかして2人とも次に何をすべきかまとまらない感じですか?」


「そうなのよ、早く仲間をもっと増やしたいんだけどなかなかね」


「ルワさんは誰か知り合い、いたりしない?」


「うーん、そうですね……」


 ルワは自分の頬をツンツンとつつきながら何かを思い出すような仕草を見せる。いいえと即答しないあたり誰かしら知り合いがいるようだが、かと言って仲間になってくれそうな強者という絶対的な答えも無さそうな感じだ。

 うーん、うーんと声を出しながら10秒ほど過ぎた頃だろうか、ルワはようやく顔を上げてポンと手のひらを叩いた。


「ここから近くのパーカー山に、すっごく力持ちな知り合いがいるんです! ちょっとお固い性格だけど、優しい方です!」


「パーカー山かぁ、それならやっぱり城下町じゃん! 馬車も確か出てたと思うし」


「いいですね! なら早速準備しましょう!」


 ルクスとルワは意気投合している。この世界の地理について全く知らないアツトは置いてけぼりだが、どうやら結局隣の城下町とやらに行くことになりそうだ。何とか2人に相槌を打ちつつ、ルクスの地図帳に目を通す。


(ここから隣の城下町まで……3キロってところか、結構歩くことになりそうだなぁ……)


 アツトは少しテンションが落ち込んだが、決まったことを嘆いても仕方がない。それにルクス達と一緒にこの世界を救い、元の世界に帰るためには必要なことだ。アツトはそう自分に言い聞かせ、何とか自身を鼓舞しようとする。

 3日後にここを出発することになりそうな3人。ん? そういえばなぜ3日後なんだろう? 少しだけだが疑問に思ったアツトはルクスに問いかける。


「ねぇ、ルクスさん。そういえばだけど、なんで3日後なの?」


 ……ルクスの顔はきょとんとしている。もしかすると変なこと聞いてしまったかのかな、アツトは自らのコミュ力の無さにショックを受けた。


「……もしかして、変なこと聞いてしまった?」


 何とか精一杯のフォローを入れる。


「いや? だって明日明後日と仕事あるし。あ、アツトくんにも手伝ってもらうかも」


「えっ!? 仕事!?」


 アツトは驚いた。仕事って何だ? 確かにお金が無いとこの先新しい武器や防具、道具を買えないけど、魔物や敵を倒していればいつの間にか貯まってくれているシステムではないのか? アツトはなぜかパニックになる。

 そんなアツトを見て、ルクスは説明する。


「だってそうしないと生活費とか稼げないでしょ。私の仕事は配達員! 置き配が基本だから、変な人に出くわす心配も少ないわ」


「こ、この世界でも置き配ってあるんだ……」


「この世界では仕事への飛び入り参加も可能だから! アツトくん、ルワちゃん、2日間のお仕事、お願いね」


「えぇっ! 私もですか!?」


 それから2日間、3人はみっちり働いてお金を稼いだのだった。冒険のため、そして生活費のために。

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