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病んでも咲かせて魅せましょう  作者: まっきよ
小学生低学年編
9/9

うんどうかいのきせつ

にねんせいになっても、がっこうのはじまりのじきに、うんどうかいがくるのはかわりません。


いちねんせいのときは、きょうそうと、だんすと、おうえんだんでした。


にねんせいになると、だんすがすこしむずかしくなって、きょうそうのきょりも、すこしはやくなるそうです。


きょねんは、じぶんがでていないとき、まいかちゃんといっしょに、うんどうかいをみていました。


ぼくがすきなのは、やっぱりおひるごはんです。すこしごうかになるおべんとうはうんどうかいのだいごみです。


ぼくのおやがふんぱつして、それをまいかちゃんにもたべてもらって、ようやくたべおわったのをおぼえています。


きょうしつのみんなは、うんどうかいのじきになると、なんだかそわそわしています。ぼくもそうです。


すると、いつのまにかとなりにきていたまいかちゃんが、うんどうかいたのしみだねとうでをわきわきしていました。


ぼくは、おんなのこがそんなことをするのが、すこしおもしろくて、ついついわらってしまって、ほほをふくらましたまいかちゃんに、ぽこぽこたたかれてしまいました。


そして、うんどうかいがちかいということは、うんどうかいのれんしゅうがふえます。


うんどうかいのれんしゅうをふやすかわりに、ふつうのじゅぎょうがすこしすくなくなります。


おとこのこは、べんきょうをしないときくと、なんだかたのしそうでした。きもちはわからなくもないです。


でも、べんきょうはたのしいし、けっしてわるいことはないので、じかんがあるときにやりたいです。


いまはやすみじかんだから、せきについて、こくごのあかがついたところをふくしゅうしようとしました。


すると、まいかちゃんが、ねぇねぇ、とぼくのうでをひっぱってきます。いたくはないけど、ふくがのびちゃうな。


ぼくがふりかえると、まいかちゃんは、うんどうかいだよ、とおててまでひろげて、えがおでそういっています。


わかってるんだけどな、とぼくはいいそうになって、あわてて、まいかちゃんのはしるすがたがみたいなといってしまいました。


とくに、かんがえていたわけでもないことばでした。まいかちゃんは、はしるのがとくいではないので、すこしむりをいってしまったとおもいました。


すると、まいかちゃんは、うん!はしる!ぜったいみててね!とものすごくはりきってそういいました。


おんなのこがはしったあとに、ぼくたちがはしることにきづいていないようで、ぼくはおもわずにがわらいでかえしました。


まいかちゃんは、なんなのー、そのかおー、へんなのー、といってぼくのまわりをまわりはじめました。


まいかちゃんはときどき、こうやってみょうにうれしそうになることがあります。よっぽどうんどうかいがすきなんだとおもいます。


そんなこんなで、ちゃいむがなってしまいました。まいかちゃんもせきにすわり、ぼくはひらいただけのこくごのきょうかしょをととのえて、じゅぎょうをうけます。


きょうは、たいいくはなかったけど、あしたからは、たいいくのじゅぎょうがふえるかもしれない、と、せんせいがいっていました。


たいそうぎあらわなきゃ、と、ぼくがおもっていると、めのまえのせきにいる、かんじくんがぼくにむかってへんがおをしてきました。


かんじくんは、さいきん、にねんせいになってからは、よくはなすようになり、いがいとそういうこともしてきます。


じゅぎょうちゅうのぼくをわらわそうとしたのか、それとも、すこしかんがえてたぼくをおどろかそうとしたのか、どっちにしてもじゅぎょうちゅうにしていいことではありません。


ぼくはなにもしゃべらないで、ひとさしゆびをかんじくんにむけます。


すると、ちょうはつだとおもったのか、かんじくんが、ゆびむけちゃいけないんだぞ、と、たえきれなかったようにおおきなこえでいいました。


それは、ぼくのかんがえていたとおりのはんのうで、そんなことをしていたら、きょうかしょをよむじかんである、こくごのせんせいにもきづかれてしまいました。


ぼくは、なにもしてないというかおで、こくばんをみつづけていたので、かんじくんだけがそのばでおこられました。


はい、はい、と、せんせいのはなしを、きいているようにみえるかんじくんだけど、ぼくはしっています。


また、つぎのときになんかしてくるにちがいない、あきらめのわるいおとこのこです。


おこられたときだって、うんどうかいのことかんがえて、もりあがってしまいました、ってぜんぜんうんどうかいのはなしじゃなかったのに、せんせいもそれでなっとくしてしまいました。


せんせいは、ほどほどにしてください、といって、こくばんのつづきをかきはじめました。


せきにすわるかんじくんは、ぼくのほうをみると、いっせーののいちみたいにして、おやゆびをたてて、ぼくにむけてきました。


かんじくんのいいたいことはだいたいわかります。おこられなくてよかった、というさいんをわざわざしてきたのです。


しょうじきにいうと、ああいうときだけ、うんどうかいをいいようにつかうのはよくないとおもうし、きちんとおこられるべきだとおもいます。


でも、わざとやったわらいかたみたいのが、ちょっとだけぼくおこっちゃうな、とかんじています。それだけです。


じゅぎょうがおわっても、ぼくはこのことがあたまからはなれなくなり、まいかちゃんといっしょにかえるまでかんがえていたのかもしれません。


そんなぼくをみるまいかちゃんは、おなかすいたね、と、まいぺーすで、ぼくは、なにかわからないきんちょうが、とけたようなきがしました。


そして、いつものようにあそんで、つかれて、いえにかえれば、もう、ごはんをたべて、ぐっすりねむれそうです。


きょうは、うんどうかいがちかくなったとともに、いつもよりつかれたとかんじたのは、ぼくのかんちがいじゃなかったです。


べっどにはいりながら、ぼくははやくねむれるようにひつじをかぞえるのでした。














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