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カクヨムで一か月活動してみたら

作者: 川上桃園

 こんにちは。

 知っている人は知ってるかもしれない、でも知らない人の方が圧倒的に多い人、yumaです。

 現在はミステリーとホラーが交錯する『リディ・フロベールと秘密の恋日記』を連載中です。


 今回は久方ぶりにエッセイを書いてみることにしました。

 「なろう」で書き始めて数年、公募と評価に振り回され続けた中でちょこっとずつですが、創作活動に変化が現れたので、それをまとめてみようというわけです。ついでに作者の文章練習兼デトックスも目的です。よろしければ最後までお付き合いください。


 では、さっそく行きましょう。


 タイトルにある通り、今回は他の小説サイト「カクヨム」での活動について語ります。

 「なろう」に出入りしている方なら結構な割合でご存知ではないでしょうか、カクヨム。

 公式連載の形で書籍化作品も掲載していますし、カクヨムコンテストも毎年開催されていますね。個人的には昔好きだった角川ビーンズ文庫の公式が出ていることに心ときめきました。


 しかし、お断りしておきたいのは私のカクヨム登録は、つい最近のものではなく、かなり初期に遡ることです。もしかしたら事前登録ぐらいから参加していたのかもしれません(その辺りの記憶は曖昧ですが)。そこからぽつぽつと作品を二、三作品ぐらい投稿し、そのまま放置していました。あまりにも読まれないので。


 それから、カクヨムでは作者同士のコミュニケーションが大切だということ、自分からの発信が必要らしいということを小耳に挟みながら、2018年の年末まで何もしていませんでした。

 ご存知の方もいるかもしれませんが、私はSNSの類をほとんどしておりません。辛うじてLINEで友達と繋がっているぐらいです。カクヨムは向いていないのかもと思っていました。そのため、ずっと「なろう」中心に活動していました(ちなみにアルファポリスとエブリスタにも登録していますが、こちらのアカウントはほぼ休止状態です)。



 そして、2018年の年末にちょっと気持ちが変わることが起きました。

 実はこの時期は同じ作品をずっと改稿していました。先ほどあげた「リディ・フロベール」の話ですね。あれが何度書いてもすとんと落ちてこない、もっと書かなくちゃいけない。そういう持ち前の「改稿したい病」を発症していました。しかも折り悪く、その時期はリアルも多忙。とてもではありませんが、新しく続きを書く余力ができませんでした。

 ストレスフルな中でもだんだんとブクマは減っていく(更新しても減りますが)。自分の作品と人気作の違いを考え続け、もやもやとしていました。

 そして、悲しいことに私はネットにおいても人見知りのケがあります。自分自身から他の作者様に絡むことができません。ネットで活動していて、気軽に相談できるような方が私にはおらず、こうしたもやもやも吐き出すことはできませんでした。


 そうだ、たくさんの作者様と交流しよう。


 それがカクヨムでの「リディ・フロベール」転載の理由です。真っ先に「なろう」で探すのではなく、「カクヨム」で新しく始めるあたり、状況を変えたい気持ちが強かったように思います。



 さて、掲載するのに決めていたことがあります。

 「カクヨム」では毎日掲載しようということ。「なろう」ではついぞできない芸当ですが、先に「なろう」で掲載しているからこそできることですね。

 作品も読んでもらうために、何らかの形でアプローチをしてみること。このアプローチは人それぞれなのですが、私は「カクヨム」の「自主企画」に参加することに決めました。


 この「自主企画」はユーザーが主体となって、参加者を募るものです。「こんな作品が読みたい」から「創作仲間が欲しい」、「何文字までで、このテーマの作品を募集」、色々です。

 この時、私のアカウントはフォロー数0、フォロワー数2です。知名度で言えば底辺です。作品の評価も星二、とか三ぐらい。完全なる凍結アカウントです。知ってもらうには自分から行くしかない、と珍しく覚悟を決めた私は、大いなる一歩を踏み出しました。

 自主企画の開催です。主催者になりました。ふつうの参加者になるのを通り越していました。


 ちなみに企画内容は、他の企画を参考にしつつ、「十万字程度までの作品、ジャンル不問、一人一作まで、全部読みます、感想書きます」という趣旨の企画になりました。ついでに他の作者様がどんな作品をカクヨムで書いているのかという市場調査も兼ねています。企画主としては五十作品ぐらいが集まれば上々、ぐらいの気持ちです。その際に自分の名前も知ってもらって、あわよくば自分の作品も少しぐらい誘導されてこないかなという期待もありました。募集期間は適当に二週間ほどの設定にしました。

 実際に、その企画を立てたのが一月十日の午後八時。新企画としてカクヨムのHP上に掲載されました。

 翌日、一月十一日。募集終了。計百七作品。作品数が多すぎたため、これ以上読み切るのが難しいと判断しました。やばいぐらいの勢いで作品数が伸びていったんですよね。かなりの想定外の事態です。


 さらに想定外がもう一つ。私は作品の総文字数を「十万字程度、前後一万字程度なら可」としていましたが、明らかにそれを越えている作品が多々見られたことです。これは私の落ち度もあるのですが、どうやら企画趣旨の書き方が悪かったらしく、「総文字数十万字程度の作品なら全部読みますよ」としていたのに対し、「どんな作品でも参加作品は読みますが、その作品の十万字程度までしか読みませんよ」と解釈された方がいらっしゃったようです(のちに近況ノートでそのことをコメントくださる方もいました)。

 言葉の力は怖いですね。

 結局、私の書き方にも問題はあったので、前者ではなく後者の解釈で進めるようにしました。読まないという選択肢もあったのでしょうが、後になって「読みません」とするのもフェアではないような気がしたからです。

 そしてそのことを企画趣旨を修正しながら思いました。――自分の性格上、作品全部読み通そうとしちゃうだろうな、と(事実、今のところ通読時の最新話まで全部読んでいます)。


 そしてこの自主企画の感想書き。これを書いている二月九日時点で七十四作品まで終わりました。早いんだか遅いんだかわかりませんが、あと三十作品ぐらい残っていまして、いつになったら終わるんだろうと思うと、遠い目をしたくなります。


 私の感想は基本辛口なことが多いですね。特に自分と近いジャンルの作品にはかなり厳しくなります。厄介なことに、辛口の感想を書いた後、作者様ばかりでなく、書いた本人まで落ち込む仕様です。あの感想欄は「カクヨム」では「応援コメント」と呼びますが、あんまり応援できていないような気がしないでもありません。自分の琴線に触れる作品は遠慮なくほめそやせるのでその場合は気が楽になります。


 それだけの作品数に目を通すといろいろと発見も多いのですが、面白いの基準はわからなくなります。何の作品が面白くて書籍化に至るのか、文学賞を受賞するのか。時にはものすごくレベルの高い作品に出合うこともありましたし、嫉妬するほど表現力の高い作品もありました。


 なら、自分の作品は? と、こうなるわけです。


 最近の自信作「リディ・フロベールと秘密の恋日記」は、今より少しずつ技術が発達した近未来の、異世界の話です。主人公は三百年前の女王の記憶持ちですが、その女王が書いたと発表された「恋日記」に見覚えがありません。その謎を追っていく……というものです。ちょっぴりのホラーとミステリー、主人公の恋愛模様も少し有る作品です。


 このあらすじを読んでわかるように、私の作品は流行とは少し外れています。「カクヨム」でのジャンルは「異世界ファンタジー」にしましたが、これが合っているのかも定かではありません。


 今、カクヨムの転載はひとまず終了しました。途中でまた改稿した部分もありますが、ほぼ毎日更新しました。現在、全32話で、作品のフォロワー16人、評価の星26、応援コメント24、PV714です。この数字が多いのか少ないのかは判断はつきません。ただ、私の場合、応援コメントを熱心にしてくださる方がいまして、この数字になりました。また、自主企画の参加者で私の作品まで流れてきた方も作品のフォロワーにはいらっしゃいましたし、自主企画の効果もおそらくあります。自主企画そのものが宣伝となりうるということですね。


 しかし、残念なことに私はひねくれている性格です。この数字が正当な評価なのかわかりません。私が応援コメントを書いたからお返しで高い評価をする、そんな相互の関係が透けているのではないか、と勘繰ってしまいます(もちろん、評価そのものはすごくうれしいですし、ありがたいことだと思っています)。そして今もなお、一話目だけでもいいので読んでみてほしいと感じる自分がいます。


 とりあえず今後は「カクヨム」の自主企画の続きと「なろう」の更新をぼちぼちとしていく予定です。

 応援コメントを書くこと自体にはそこまでの苦労はありませんが、返信のような何らかのアクションが戻ってこなかった時は少し悲しくなります。先日は、書いたはずの応援コメントが消されてしまっていたのがショックでした(モチベーションを下げるようなことを知らないうちに書いてしまっていたのかもしれないので仕方がないのですが……)。

 今では半分の義務感と半分の善意で続けています。リターンを期待しないように自分を戒めています。ですが、作者様からの返信はとてもうれしいものですね(「なろう」で感想をくださっていた方も、こんな気持ちだったのかもしれません)。


 「カクヨム」を活用して約一か月、まだ記述していない成果としてアカウント全体のフォロワー数があります。こちらは活動開始前の二人から十七人に増えました。活動しているとやはり増えますね。ただ、けっこう流動が激しいのかもしれません。ユーザー同士の交流は自主企画を通して増えた印象はあります。


 以上が「なろう」を少し離れて「カクヨム」に集中した結果になります(前述の作品は角川ビーンズ文庫の賞に応募することにしました)。結果に満足をしたかと言えば、可もなく、不可もなし……と、いうより何を基準にしていいものかわからず、何とも言えません。

 なお、このエッセイは作者の備忘録と手すさびごとの域を出ないものであり、「カクヨム」を積極的に推奨するものではありません。小説サイトの向き合い方は人それぞれですので、私の例は一サンプル程度に捉えてください。



 では最後に自作品の宣伝を少し。

 最近連載中の長編『リディ・フロベールと秘密の恋日記』(ちょっぴりホラーアンドミステリー)

  →https://ncode.syosetu.com/n5106ew/

 新連載『クローヴィス・ラトキンは皇女殿下のイヌ』(騎士と皇女様の王道ファンタジー)

  →https://ncode.syosetu.com/n5758fh/



 みなさま、良き創作ライフを!

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― 新着の感想 ―
[一言] お邪魔いたします。 カクヨムは読み専で利用させていただいております。 始まったばかりの頃は、ブクマの仕方や評価の仕方があまり好みに合わず嫌厭していました。 今は、読む側としてはなろうよりもサ…
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